2023/4/28
ハチミツにカビ?白い結晶や黒い斑点の見分け方や対処法は?
ハチミツに白い結晶や黒い斑点ができた場合、カビが生えたのか、腐ってしまったのか、迷うことがありますよね。
この記事では、ハチミツのカビと結晶化の違いを詳しく解説します。
ハチミツにカビを発生させないための注意点も説明するので、今後安心してハチミツを摂取できるようにするためにも、ぜひ参考にしてください。
ハチミツの浮遊物、その正体は?
保管していたハチミツになにか浮遊物がある……。
その正体はいったい何なのでしょうか。
ここではハチミツに見られる浮遊物として考えられるものについて解説します。
白くなった・白い粒がある・白い沈殿がある
ハチミツ全体が白くなっていたり、白い粒や白い沈殿が見られる場合の多くは、ハチミツが結晶化したものと考えられます。
ハチミツの主成分はブドウ糖と果糖という単糖類ですが、この単糖類が温度変化によって白く結晶化するのです。
特にブドウ糖は気温が15℃を下回ったところから結晶が発生しやすく、「日中は気温15℃、夜間は10℃以下」といった温度変化があることで、より結晶化が進みやすくなると言われています。
(温度が一定の場合は結晶化しにくいと言われています。)
また、ハチミツに気泡や花粉などが多く入っている場合は、それが結晶の核となり、振動が加わることによって結晶化が促進されやすくなることもわかっています。
このハチミツの結晶は体に害もなく、湯煎で溶かすことで通常通り食べることができますので、安心してくださいね。
黒い粒がある・黒い斑点がある
ハチミツに見られる黒い粒、黒い斑点は、製造過程で除去しきれない細かな花粉や植物組織が混ざりあったものであると考えられます。
黒い粒、黒い斑点が未開封のハチミツに見られた場合は、もともとハチミツに含まれていた不純物の一部であると考えられるため、問題なく食べることができると言えるでしょう。
ただし、ハチミツの保存状態によっては黒カビが発生する可能性もあるため、開封済みの場合は注意が必要です。
その他
ハチミツに見られる変化として、ハチミツ全体が黒っぽく変色することがあります。
これはハチミツのメイラード反応によるもので、カビではありません。
この変色はハチミツを長期保存することによって生じるもので、体に害はないものの、風味が落ちてしまっていることが多いです。
非加熱で食べても問題ありませんが、本来のハチミツの風味とは異なる場合があるため、気になるときには料理の調味料として使用するのがおすすめですよ。
ハチミツの「カビ」と「結晶化」の違い・見分け方
では、ハチミツの「カビ」と「結晶化」はどのように見分けたらよいのでしょうか。
ここではカビと結晶化の見分け方について、3つの項目にわけて解説します。
もしかしてこれってカビ……?と感じたときの参考にしてくださいね。
ハチミツがカビているときの「見た目」
ハチミツがカビている場合、白いカビはふわふわとしていることが多く、ハチミツの白い結晶とは見た目に大きな違いがあります。
判断に迷ったときには、ハチミツを湯煎で温めてみましょう。
温めることで、ハチミツの結晶はもとの液状に戻りますが、カビの場合はそのまま残ります。
また、ハチミツには黒いカビや緑色に近いカビが発生することもあります。
先述したように、ハチミツの中に含まれる黒い粒、黒い斑点はハチミツ由来の不純物である可能性が高いですが、容器の縁やフタ部分に付着した黒いものはカビの恐れがあります。
また、緑色の斑点もカビであると判断できるため、これらが発生した場合には、ハチミツを破棄するようにしましょう。
カビの部分だけ取り除けばそれ以外の部分は食べられる、という情報もありますが、いずれのカビも口にすると腹痛や下痢などの体調不良に繋がる恐れがあります。
見た目ではカビが生えていない部分でも、内部でカビが広がっている可能性も否定できないため、一部にカビが見られたハチミツは思い切って破棄するほうが安心でしょう。
ハチミツがカビているときの「臭い」
ハチミツがカビているのかどうか確認したい場合は、臭いもチェックしてみましょう。
ハチミツは基本的に甘い香りがしますが、カビている場合、生乾きのような臭いがしたり、鼻にツンとくるような酸味のある臭いがしたりします。
見た目には問題がない場合でも、仮に臭いに異常を感じた場合には、カビていると判断したほうが安全でしょう。
ただし、ハチミツの花の種類によっては、一般的な甘い香りより特徴的な香りがする場合もあります。
栗やそば、ケンポナシなどの花から集められたハチミツは特徴的な香りのものもあるため、参考として覚えておくとよいでしょう。
ハチミツがカビているときの「感触」
ハチミツのカビと結晶化を見分けるためには、スプーン等で白い部分に触れてみるのも効果的です。
結晶化しているハチミツはジャリジャリとした感触があり、白い粒を砕くことができますが、カビの場合は特に感触はありません。
白いカビにスプーンで触れても、白い部分が広がるだけなので、その場合はカビと判断するとよいでしょう。
ハチミツとカビに関するよくある誤解
ここまでハチミツのカビと結晶化について解説してきましたが「ハチミツはカビない」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
ここでは、ハチミツとカビに関するよくある誤解について、その真偽となぜそのように言われているのか、詳しく解説していきます。
「ハチミツはカビない」
結論から言うと、ハチミツ自体は基本的にカビることはないため、この情報は正しいといえます。
カビが発生するためには水分が必要ですが、ハチミツの成分の約80%は糖類となっており、水分は約20%しか含まれていません。
そのため、糖度が高く水分の少ないハチミツは、カビにとって非常に生育条件が悪い環境といえるのです。
ただし、これは天然ハチミツ100%で作られている「純粋ハチミツ」の場合のみで、水あめや砂糖などが添加されているハチミツはカビてしまう可能性があります。
また、ハチミツそのものがカビることはありませんが、ハチミツを使用した際に何かしらの雑菌や水分、食品のカスなどが混入した場合、ハチミツがカビる可能性があります。
そのため「ハチミツはカビない」という情報は、未開封の純粋ハチミツに限った話であるということを覚えておきましょう。
「ハチミツのカビは食べれる」
ハチミツのカビは食べられると聞いたことがある人もいるかもしれませんが、本物のカビである場合、食べることはできません。
このように言われる所以としては、ハチミツの結晶が「白いカビ」のように見えるためだと考えられます。
前の章で解説したように、白い結晶であれば問題なく食べることができるため、その点からハチミツのカビは食べられると誤解されるようになったのでしょう。
ハチミツの結晶ではなく本物のカビを摂取した場合には、腹痛や下痢などの症状を引き起こす恐れがあるため、「カビ」と「結晶化」の違いは前章を参考に見分けるようにしてくださいね。
つまり、「ハチミツのカビは食べれる」は間違いですが、ハチミツの結晶をカビと見間違えているのであれば、そのハチミツは食べることができますよ。
「ハチミツに賞味期限はない」
ハチミツはカビない、腐らないといった点から「ハチミツに賞味期限はない」と耳にすることもありますね。
先述したように、純粋ハチミツそのものがカビることは基本的にはないので、賞味期限はないといっても間違いではありません。
しかし、長期間保管したハチミツは徐々に色が黒っぽく褐色化するほか、風味も落ちていってしまいます。
そのため、基本的にカビることのないハチミツでも「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」として賞味期限を表示することになっているのです。
多くのハチミツは、製造日から2年程度を目安に賞味期限が設定されているため、気になるときは裏面の表示を確認してみてください。
カビ以外にも注意!ハチミツが腐るとどうなる?
ここまでハチミツのカビについて詳しく解説しましたが、ハチミツが腐った場合にはどのような変化があるのでしょうか。
まず「カビ」と「腐る(腐敗)」の違いについて見てみましょう。
- カビとは、菌が「温度・湿度・酸素・栄養」の条件が整うことで増殖したもの
- 腐敗とは、微生物がタンパク質やアミノ酸を分解して、異臭や有毒物質を生じさせること
ハチミツがカビたときには白い胞子状の物体や黒い物体が見られますが、ハチミツが腐ったときには、異臭や変色などの異変が見られます。
アンモニアのような鼻を刺す異臭や、ハチミツが緑色に変色しているような場合はハチミツが腐っている可能性が高いため、十分注意しましょう。
ハチミツにカビを発生させないためにできること
ここでは、ハチミツにカビを発生させないためのポイントについて、3つ解説します。
ハチミツを購入した際は、下記ポイントを参考にハチミツを保管してくださいね。
高温多湿を避けて保存する
ハチミツはもともと水分量の少ない食品ですが、湿度の高い場所ではカビが発生しやすくなる可能性があります。
また、ガス台の近くや電化製品のすぐそば、直射日光の当たる場所などでは、高温からハチミツの変質が促進されることがあるため、これらの場所も避けましょう。
できるだけ風通しのよい場所、かつ直射日光の当たらない常温での保存が理想的ですよ。
常に清潔なスプーンを使用する
ハチミツにカビが発生する原因の多くは、雑菌や水分が混入した場合となるため、ハチミツを使用する際は常に清潔なスプーンを使用しましょう。
一度口に付けたスプーンやほかの食品に触れたスプーンをハチミツの容器に入れてしまうと、そこからカビが発生したり、腐ったりしてしまいます。
密閉できる容器で保存する
未開封のハチミツがカビることはありませんが、開封済みのハチミツを保管するときには、しっかり密閉できる容器にすることが大切です。
密閉することによって、湿気による水分や雑菌などの混入を防ぎます。
さらにハチミツを使用する際も、フタを長時間開けたままにしていると雑菌や水分が入る恐れがあるため、使用後はすぐにフタを閉めるほか、フタを清潔に保つことも忘れないようにしましょう。
衛生管理がきちんとされているハチミツを選ぼう!
ハチミツをカビさせないためには日ごろの保管方法が大切ですが、製品としての衛生管理がきちんとされているハチミツを選択することも重要です。
みつばちのーとのハチミツは、水あめや砂糖などの混ぜものは一切入っていない純度の高い天然国産ハチミツです。
また、天然国産ハチミツにこだわり抜く養蜂家の手によって、しっかりとした衛生管理がなされているため、安心して食べることができますよ。
基本的にハチミツがカビることはありませんが、その後の保管の仕方やハチミツそのものの衛生管理状態によってはカビが生えてしまう可能性もあるため、ハチミツを取り入れる際は商品選びから気を付けるようにしましょう。
もし、ハチミツに白い結晶や黒い斑点が見られた場合には、今回の記事を参考に、カビなのか、結晶化なのかを見分けて、おいしく安全にハチミツを取り入れるようにしてくださいね。
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