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2023/11/27

ハチミツで虫歯になるのか、それとも虫歯予防になるのか徹底解説

みつばちのーと編集部

この記事を監修した専門家
管理栄養士、製菓衛生師、パティシエ 南谷 智佳子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科卒業。大学では栄養学全般を学び、栄養士および管理栄養士免許を取得。卒業後は管理栄養士として保育園で働いた後に、パティシエの道へ。修行後、個人店やホテルにて勤務。現在は管理栄養士兼パティシエとして、蜂蜜を使ったレシピなどを発信している。

「ハチミツは虫歯予防に効果的」といわれることがありますが、それは本当なのでしょうか。

この記事では、ハチミツと虫歯の関係性について、よくある疑問とともに詳しく解説します。

ハチミツが虫歯予防に効果的な理由や、マヌカハニーと虫歯の関係性についても解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ハチミツと虫歯の嘘・本当

まず、ハチミツと虫歯の関係性について、根拠をもとに解説します。

ハチミツを食べると虫歯になるのか、それとも虫歯予防になるのかどうかについて確認しましょう。

ハチミツを食べると虫歯になる?

一般的に「甘いものを食べると虫歯になる」というイメージがありますが、甘いハチミツも食べると虫歯になるのでしょうか。

結論からいうと、ハチミツは虫歯の原因にはなりにくい食品です。

そもそも歯周病とは、歯ぐきに炎症を起こす歯肉炎や歯を支える骨を溶かしてしまう歯周炎のことを指します。そして、その虫歯菌のエサとなるのが、砂糖などに含まれる糖類です。

糖類にはさまざまな種類がありますが、虫歯菌はそのなかでも特に砂糖の主成分であるショ糖を好み増殖することがわかっています。

ハチミツの主成分であるブドウ糖と果糖も虫歯菌のエサとして利用されますが、虫歯へのリスクはショ糖よりも低いといわれています。

また、ハチミツには歯垢(プラーク)の石灰化を予防する効果が明らかになっており、適切な取り入れ方ができれば、虫歯予防に効果的であると考えられています。

(出典:歯周病とは|e-ヘルスネット
   :「むし歯」について|公益財団法人日本学校保健会

ハチミツの摂り方によっては、虫歯になることもある?

ハチミツは虫歯の原因になりにくいですが、摂り方によっては虫歯に繋がる可能性もあるため、その点には注意が必要です。

先述したように、虫歯菌はショ糖を好むものの、ハチミツの主成分であるブドウ糖や果糖も虫歯の原因になりえます。

また、歯を溶かす原因となる酸はブドウ糖や果糖からも産生されるため、ハチミツを多く摂り過ぎると虫歯になる可能性があります。

一般的にハチミツの1日あたりの適量は大さじ1~2杯程度といわれるため、虫歯予防のためにもハチミツの過剰摂取には注意しましょう。

ハチミツが虫歯予防に効果的な理由

ここでは、ハチミツが虫歯予防に効果的といわれる理由について詳しく解説します。

歯石を予防する

ハチミツには、歯石を予防する効果があることが明らかになっています。

歯石とは、歯に長期間付着した歯垢(プラーク)が石のように硬くなる現象のこと。

歯石そのものが虫歯を引き起こすことはありませんが、歯石は表面がざらざらしているため、虫歯菌の増殖から虫歯に繋がりやすくなります。

ハチミツには歯垢が歯石になるのを予防する効果があるため、結果的に虫歯予防に繋がるといえるでしょう。

この効果に関する詳しいメカニズムはまだ明らかになっていないものの、ハチミツに含まれるポリフェノールの一種であるフラボノイドが関与しているのではないかといわれていますよ。

(出典:歯石 | e-ヘルスネット)

抗菌作用によって虫歯菌の増殖を防ぐ

ハチミツが持つ抗菌作用は、虫歯菌であるミュータンス菌の増殖を防ぐのにも有効であることが報告されています。

ハチミツに含まれるグルコースオキシダーゼという酵素は、空気中の酸素と結びつくことで天然由来の過酸化水素を作り出し、強い抗菌作用を示します。

この抗菌作用はミュータンス菌にも有効で、ハチミツの摂取によって虫歯菌の増殖を防ぎ、虫歯予防に良い効果をもたらすといわれています。

ハチミツは歯周病にも効果がある?

そもそも歯周病とは、歯ぐきに炎症を起こす歯肉炎や歯を支える骨を溶かしてしまう歯周炎のことを指します。

歯そのものが溶けてしまう虫歯と歯周病はまったく別の病気ですが、どちらも原因となる細菌が増殖することで発症するといった点は共通しています。

また、歯肉炎の原因菌とハチミツの直接的な関係性は明らかにされていないものの、歯肉炎も歯垢や歯石が長期間付着することが大きな原因のひとつとなります。

そのため、ハチミツの摂取によって歯石を予防したり、口腔内の細菌の増殖を防いだりすることができると、結果的に歯周病の予防にも効果が期待できると考えられるでしょう。

(出典:歯周病とは | e-ヘルスネット)

ハチミツと虫歯に関するよくある質問

ここでは、ハチミツと虫歯に関するよくある質問を紹介します。

それぞれの質問について、根拠をもとに解説するのでぜひ参考にしてくださいね。

ハチミツは歯磨き後に舐めても問題ない?

ハチミツには歯石を予防する効果や虫歯菌の増殖を防ぐ効果があるため、歯磨き後にハチミツを舐めても問題ありません。

実際に、ハチミツを洗口液の代わりに取り入れた研究も報告があり、歯垢の形成や細菌の量を有意に減少させたという結果が示されています。

ただし、この効果は天然成分100%の純粋ハチミツに限ったもので、混ぜものが入っている加糖ハチミツなどでは逆に虫歯を引き起こしてしまうおそれがあります。

そのため虫歯予防としてハチミツを取り入れる場合は、ハチミツの種類にも注意が必要です。

(出典:Antibacterial and Antibiofilm Effect of Honey in the Prevention of Dental Caries: A Recent Perspective|Juraj Deglovic,Nora Majtanova,Juraj Majtan)

ハチミツの飴を舐めても虫歯になりにくい?

現在市販されている飴のなかには「ハチミツ」という文言が入ったものが数多くありますが、ハチミツ100%の飴であれば、虫歯になりにくいといえるでしょう。

原材料がハチミツのみの飴であれば、液状のハチミツを舐めるのと同様の効果が期待できます。

ただし、ハチミツ味の飴にもさまざまな種類があり、砂糖や甘味料をベースに、少量のハチミツが加えられているようなものも数多くあります。

ハチミツ100%以外の飴については、逆に虫歯の原因となる可能性があるため、虫歯予防として取り入れるのは避けましょう。

寝る前にハチミツを舐めると口臭に影響あり?

先述したように、ハチミツには口腔内の細菌の増殖を防ぐ効果があるため、口臭を抑える効果も期待できるといわれています。

また口臭の原因としては、舌の表面に付着する白い苔状の「舌苔(ぜったい)」や口腔内の乾燥も挙げられますが、ハチミツはこの両方にも良い効果をもたらすことがわかっているのです。

これはハチミツに含まれる酵素が舌苔のたんぱく質を溶かすほか、ハチミツの保湿作用によって口腔内の乾燥を防ぐことができるためと考えられています。

ハチミツによる口臭対策は手軽に実践しやすいため、口臭が気になる人は一度試してみてもよいでしょう。

(出典:はちみつを使用した口腔ケアによる舌苔の除去|須藤千佳子、小原 美佳、安達喜美江、桜井ゆかり)

ハチミツで歯が溶けることはある?

結論からいうと、ハチミツで歯が溶ける可能性はゼロではありません。

ハチミツは基本的に虫歯の原因にはなりにくいですが、歯を溶かす作用のある酸はハチミツの主成分であるブトウ糖や果糖からも産生されることがわかっています。

そのため、理論上ではハチミツの摂取は歯を溶かしてしまう可能性があるのです。

しかし実際の研究調査では、ハチミツを摂取しても歯が溶け出す現象(エナメル質の脱炭)は起こらなかったという報告もあり、酸が産生されても、ハチミツの性質によって歯が溶けることはないのではないかと示唆されています。

【参考】マヌカハニーと虫歯の関係性は?

マヌカハニーは、ハチミツのなかでも特に強い抗菌作用を示すとして、近年特に注目を集めていますね。

マヌカハニーもほかのハチミツ同様に、虫歯予防に一定の効果が期待できるとされており、マヌカハニーと虫歯に関する研究報告も複数発表されています。

ただし、マヌカハニーはほかのハチミツよりも口腔内のpHを下げやすいといわれており、摂取状況によっては歯が溶け出しやすくなる可能性も否定できないと考えられています。

ここでは、これまで解説した内容とともにマヌカハニーと虫歯の関係性について紹介するので、参考にしてください。

マヌカハニーは虫歯の原因になる?

マヌカハニーの主成分は一般的なハチミツと同じブトウ糖と果糖です。

そのため、一般的な摂取量であれば、マヌカハニーが虫歯の直接的な原因になる可能性は低いといえるでしょう。

実際に、一般的なハチミツ同様マヌカハニーにも歯石を予防したり、口腔内の細菌の増殖を抑制したりする効果が確認されています。

ただし、先述したようにマヌカハニーの種類や濃度によっては口腔内のpHを下げてしまうことがあるため、その点については今後の新たな研究情報を確認する必要があるといえそうです。

(出典:Periodontal Application of Manuka Honey: Antimicrobial and Demineralising Effects In Vitro|Syarida H. Safii,Geoffrey R. Tompkins,Warwick J. Duncan
   :Manuka Honey: A Potent Cariostatic Agent- An in vitro Study|Javaregowda P Beena,Punyatoya Sahoo,Sapna Konde,N Sunil Ra,Narayana C Kuma,Manisha Agarwal)

マヌカハニーで虫歯が治ることもある?

一部研究では、天然ハチミツによって歯の再石灰化が促進されたという報告があります。

そのため、歯の表面のエナメル質が溶け始めた段階の初期の虫歯であれば、歯の表面を修復できる可能性が期待できます。

ただし、すでに歯に穴が開いてしまっているような進行した虫歯を治すことはできないため、マヌカハニーに虫歯治療の効果は期待できないと考えておくのがよいでしょう。

マヌカハニーは歯周病の改善にも効果的?

歯周病は口腔内のあらゆる細菌によって引き起こされるため、高い抗菌作用を持つマヌカハニーは歯周病の予防や改善に効果が期待できるといえます。

マヌカハニーの摂取によって歯ぐきからの出血が改善したり、口腔内の細菌数が減少したりしたという効果も確認されています。

これらの効果は一般的なハチミツよりもマヌカハニーのほうが高かったという報告もあることから、マヌカハニーは一般的なハチミツよりも歯周病や細菌の増殖を抑制する効果が高いと考えられています。

(出典:Do Ginger Extract, Natural Honey and Bitter Chocolate Remineralize Enamel Surface as Fluoride Toothpastes? An In-Vitro Study|Z C Celik,G O Yavlal,F Yanıkoglu,B Kargul,D Tagtekin ,G K Stookey,S Peker,O Hayran)

「みつばちのーと」の国産天然生ハチミツは虫歯予防にも効果的◎

この記事ではハチミツと虫歯の関係性について詳しく解説しました。

ハチミツは虫歯の原因になりにくく、むしろ虫歯や歯周病を予防する効果が期待できることが確認できましたね。

そしてこれらの効果を発揮するためには、ハチミツの選び方も大切であることがわかりました。

混ぜものが入ったハチミツでは虫歯予防の効果は期待できず、逆に虫歯の原因になることもあります。そのため、ハチミツによる虫歯予防効果を期待したい人は天然の純粋生ハチミツを選ぶようにしましょう。

国産の天然生ハチミツを取り揃える「みつばちのーと」のハチミツは、余計な混ぜものが一切入っていないため、今回紹介したハチミツの虫歯予防効果も十分に期待できます。

また「みつばちのーと」のハチミツは高熱処理をしていないため、ハチミツ本来のより高い効果ができるほか、ハチミツならではの味わいも存分に楽しむことができますよ。

美味しいハチミツを楽しみながら虫歯予防への効果も期待したい人は、ぜひ「みつばちのーと」のハチミツをチェックしてみてくださいね。

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