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2023/5/30

ハチミツの食べ過ぎはよくない?健康への影響や適切な摂取量を解説

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
管理栄養士、製菓衛生師、パティシエ 南谷 智佳子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科卒業。大学では栄養学全般を学び、栄養士および管理栄養士免許を取得。卒業後は管理栄養士として保育園で働いた後に、パティシエの道へ。修行後、個人店やホテルにて勤務。現在は管理栄養士兼パティシエとして、蜂蜜を使ったレシピなどを発信している。

ハチミツはさまざまな健康効果が期待できる食品ですが、食べ過ぎになると健康に悪い影響を及ぼす可能性があることを知っていますか?

この記事では、ハチミツの適切な摂り方や食べ過ぎたときの健康への影響について詳しく解説していきます。

 

本来、ハチミツ食べることで得られる効果

多くの方のイメージの通り、ハチミツは適切な摂取量を守れば、さまざまな健康効果が期待できる栄養価の高い食品です。

ハチミツに期待できる効果としては、下記のようなものが挙げられます。

  • 疲労回復効果
  • 咳や喉の痛みを和らげる
  • 血糖値やコレステロール値の改善
  • 腸内環境の改善
  • 美肌効果
  • 免疫力アップ

ハチミツの主成分であるブドウ糖や果糖は、体内で速やかにエネルギーに変換される単糖類であるため、素早い疲労回復効果が期待できます。

「ハチミツレモン」は運動後に食べるイメージを持っている人も多いかと思いますが、これはハチミツによる疲労回復効果を期待したものです。

また、ハチミツには強い抗菌作用があるため、咳や喉の痛みの緩和、免疫力アップなどにも有効となります。

さらに、とある研究では毎日大さじ2杯のハチミツを食べることで、血糖値やコレステロール値などの改善が見られたという報告もあり、ハチミツの摂取は生活習慣病予防にも良い働きが期待できると言えるでしょう。

甘いハチミツは血糖値を上げてしまうイメージがあるかもしれませんが、ハチミツはブドウ糖そのものよりも血糖値の上がるスピードが緩やかで、GI値も低いということがわかっています。

GI値とは
※GI値とは「グリセミック・インデックス」の略で、血糖値の上がりやすさを示した値。GI値が低いほど血糖値が上がりにくいことを示す。

また、ハチミツによって上がった血糖値は元の状態に戻るのも早いという研究結果があり、砂糖などよりも血糖値を安定させやすいとも言われています。

そのほかにも腸内環境の改善美肌効果も期待できるハチミツは、適量さえ守れば健康への嬉しい効果が多いに期待できる食材なのです。

ハチミツを食べ過ぎると起こりうること

では、ハチミツを食べ過ぎると健康にはどのような影響が起こるのでしょうか。

ここでは、ハチミツの食べ過ぎによって起こりうる影響について解説します。

太る

ハチミツを食べ過ぎると、体重増加に繋がるリスクが高くなります。ハチミツは甘い食品であるため、この影響はイメージとして考えやすいかもしれませんね。

ハチミツは血糖値を上げにくい食品ですが、大さじ1杯あたり約70kcalとなるため、毎日大量にハチミツを摂取した場合はエネルギーの摂り過ぎとなり、体重増加に繋がりやすくなります。

ハチミツは砂糖より少ない量で甘味が感じられる食品のため、砂糖の代用として取り入れる人もいますが、1日の摂取量には注意が必要です。

気持ち悪くなる

ハチミツの約80%は糖類のため、ハチミツを大量に食べ過ぎると、胸やけや胃の不快感、気持ち悪さなどに繋がる恐れがあります。

特に一度にまとめて大量のハチミツを食べてしまうと、この症状が起こりやすくなるため、食べるときは少量を複数回に分けるほうが安心でしょう。

肝臓に負担がかかる

ハチミツの主成分である果糖は主に肝臓で代謝されるため、ハチミツの食べ過ぎは肝臓に負担をかけてしまう可能性があります。

また、果糖の一部は肝臓でブドウ糖に変換されますが、このブドウ糖が過剰になると肝臓では中性脂肪が作り出されます。

中性脂肪は体を動かすエネルギーとしても利用されますが、量が多くなりすぎると肝臓に中性脂肪が溜まり、脂肪肝になってしまうリスクがあります。

つまり、ハチミツの過剰摂取は肝臓に負担をかけ、悪化すると脂肪肝に繋がるリスクもあるのです。

腹痛・下痢になる

ハチミツにはオリゴ糖が豊富に含まれているため、本来は腸内環境を整える効果が期待できますが、ハチミツの食べ過ぎによってオリゴ糖の過剰摂取になると、反対に腹痛や下痢の症状を引き起こす可能性があります。

また、ハチミツに含まれているグルコン酸という成分も、過剰摂取ではお腹が緩くなったり、下痢や腹痛など不快な症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

糖尿病リスクが高まる

糖尿病は、主に高血糖状態が続くことによって発症する生活習慣病のひとつです。

前章では、ハチミツは血糖値を上げにくい食品であると解説しましたが、それは「適量摂取」に限った健康効果です。

そのため、ハチミツを食べ過ぎた場合には血糖値が上がり、糖尿病に繋がるリスクも高まります。

特にもともと血糖値が高めの人は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが弱くなっている可能性もあるため、ハチミツの大量摂取は控えるのが望ましいでしょう。

食べ過ぎでボツリヌス症になることはない?

「ボツリヌス症」とは、ハチミツに混在する細菌であるボツリヌス菌によって発症する病気です。

1歳未満の赤ちゃんは腸管や腸内環境の発達が未熟なため、ハチミツを摂取すると乳児ボツリヌス症になってしまう可能性があるのです。

しかし、このボツリヌス菌は基本的に大人の腸内環境では死滅するため、ハチミツの食べ過ぎによってボツリヌス症を発症することは考えにくいと言えるでしょう。

ただし、ハチミツの成分によって腹痛や下痢などの症状を引き起こす可能性は十分考えられるため、いずれにしてもハチミツの摂取量には注意が必要です。

※1歳未満の赤ちゃんにハチミツを与えることは厳禁です。

乳児ボツリヌス症は最悪の場合死に至る可能性もあるため、1歳未満の赤ちゃんにはハチミツを与えないようにしましょう。

ハチミツを食べ過ぎた……そんなときはどうする?

「ハチミツが美味しくてつい食べ過ぎてしまった……。」

「すでにハチミツの食べ過ぎになっているかもしれない……。」

もしかすると、そんな心当たりがある人もいるかもしれません。

ここまでハチミツの食べ過ぎによる影響について解説してきましたが、一時的な食べ過ぎによって大きく健康を害する可能性は低いものと考えられるため、その点は安心してくださいね。

ただし、長期間ハチミツの食べ過ぎを続けた場合には、健康に悪影響を及ぼすリスクが高まるため、「食べ過ぎかな」と感じられる人は、まずはハチミツの摂取を一度ストップすることをおすすめします。

また、ハチミツ以外の食事面でも、できるだけ砂糖を含むような甘いものは控えるよう調整できるとより安心と言えるでしょう。

そうすることで、糖類の過剰摂取による体重増加や血糖値の上昇を防いだり、肝臓への負担を軽減することに繋がります。

ハチミツから摂取した分のエネルギーを消費するため、積極的に体を動かすよう意識してみてもよいですね。

大切なのは「バランス」ですので、ハチミツを食べ過ぎたと感じたときには、その翌日のハチミツの摂取を控える、ハチミツ以外の糖類の摂取量を控える、といった点に気を付けてみてくださいね。

ハチミツはどれくらいからが“食べ過ぎ”?

では、ハチミツはどれくらいからが「食べ過ぎ」にあたるのでしょうか。

ハチミツを一度に大量に摂取した場合、腹痛や下痢、胃の不快感、気持ち悪さなどが生じる可能性が高いです。

もしハチミツを食べた後にこれらの症状が見られた場合には、その摂取量では「食べ過ぎ」にあたると考えてよいでしょう。

しかし、体重や血糖値、肝臓などへの影響は、食後すぐに表れるものではないため、食べ過ぎの判断が難しいですよね。

具体的にハチミツの摂取量の目安を知って、適切なハチミツの取り入れ方を考えてみましょう。

そもそもハチミツに副作用はある?

適量のハチミツの摂取であれば、基本的に副作用と見られる症状はないものと考えられます。

ただし、これは適量摂取に限った場合になるため、ハチミツの過剰摂取では先述したような体重増加や腹痛、下痢、血糖値の上昇等による健康への悪影響に繋がる恐れがあります。

健康に良いと言われる食品も、食べ過ぎは健康を害する原因となってしまうため、摂取量には十分注意が必要です。

ハチミツの1日の摂取量の目安は?

ハチミツは適量の摂取であれば副作用もなく健康に良いということがわかりましたが、具体的な摂取量はどのくらいなのでしょうか。

ここでは、ハチミツの1日の摂取量の目安と、摂取時のポイントについて解説します。

大さじ1~2杯程度が適量

大人の場合、ハチミツの1日の適量は大さじ1〜2杯程度と言われています。

この量であればハチミツを毎日食べても過剰摂取になることなく、健康への良い効果が期待できるでしょう。

ハチミツの健康効果に関する研究報告でも、大さじ1~2杯程度の摂取による効果を示しているものが多く、この量であればハチミツの「食べ過ぎ」にはならず、適切な摂取量であると考えられます。

一度にまとめて摂取しない

ハチミツは一度にまとめて摂取するのではなく、1日のなかで複数回に分けて摂取するのが理想的です。

複数回にわけることによって、ハチミツ摂取による腹痛や下痢の症状を引き起こしにくくなるほか、血糖値が高くなりすぎることも防ぎやすくなります。

1日2~3回に分けて、それぞれティースプーン1~2杯程度を目安に摂取するとよいでしょう。

純粋ハチミツを選択する

ハチミツは下記の3つに大きく分類できることを知っていますか。

ハチミツの種類
  • 純粋ハチミツ:天然成分100%で、水あめや人工甘味料などが添加されていないもの。
  • 加糖ハチミツ :純粋ハチミツに水あめや果糖、砂糖などを添加したもの。 純粋ハチミツよりも安価。
  • 精製ハチミツ:ハチミツに含まれるタンパク質やビタミンミネラル糖の栄養素を除いたもの。主に加工用の甘味料として利用されることが多い。

ハチミツを取り入れる際は、天然成分100%の純粋ハチミツを選択しましょう

そうすることでハチミツ本来の栄養素からさまざまな健康効果が期待できます。

水あめや砂糖などが添加された加糖ハチミツでは、これまで解説したようなハチミツの健康効果があまり期待できないほか、血糖値を上げやすかったり、太りやすかったりと、デメリットも大きくなってしまいます。

さらにハチミツの効果を最大限生かしたい場合には、国産の天然純粋ハチミツがおすすめ

国産の天然ハチミツは、外国産のハチミツより体内で吸収されやすいほか、高熱処理がされていないため、ハチミツ本来の香りや風味を楽しむことができますよ。

ハチミツを購入する際は、原材料表示や原産国も確認し、より健康への良い効果が期待できるものを選択できるとよいですね。

ハチミツは、食べ過ぎなければ健康によいもの!

本来ハチミツは栄養効果の高い健康に良い食材です。

食べ過ぎてしまうと体に悪い影響を及ぼす可能性がありますが、適量摂取であれば、さまざまな健康効果が期待できます。

今回解説したハチミツの1日の摂取量や摂取時のポイントも参考にしながら、健康に良い美味しいハチミツを取り入れてみてくださいね。

 

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