2023/7/31
アカシアハチミツとは?特徴や効果、ほかのハチミツとの違いは?

数多くの種類があるハチミツのなかでも、比較的目にすることが多いアカシアハチミツ。身近なハチミツでありながら、その特徴やほかのハチミツとの違いは、あまり知られていないのではないでしょうか。
この記事では、アカシアハチミツの特徴や健康効果について詳しく解説していきます。ぜひアカシアハチミツへの理解を深めて、ハチミツ選びの参考にしてくださいね。
アカシアハチミツとは?
アカシアハチミツは、スーパーマーケットや食料品店に並んでいることが多々あります。そのため手に入りやすく、身近なハチミツであるといえるでしょう。
まずは、アカシアハチミツの味や香りについて解説します。
アカシアとは
一般的に「アカシアハチミツ」と呼ばれるハチミツは、ニセアカシアという樹木に咲く花から採れるハチミツを指しています。ニセアカシアは北米原産のマメ科の植物であり、樹勢が強く、日本でも公園や河原などに生えている姿を見かけることがあります。
ニセアカシアと似た植物で、アカシアという名前を聞いたことがある人もいるでしょう。アカシアの別名は「ミモザ」。春先に咲く、黄色く丸い花がかわいらしい植物です。ニセアカシアとアカシアはまったく異なる植物であり、アカシアハチミツを採取できるのはニセアカシアだけです。
アカシアハチミツはたくさん流通しているように思われますが、ニセアカシアの花は4〜5月の1週間ほどしか咲きません。開花時期を迎えると、ニセアカシアは白い花を房のように垂れ下げてつぼみを開きます。そのわずかな開花時期にミツバチたちが採取した蜜が、アカシアハチミツとして販売されているのです。
(出典:ニセアカシア|樹木図鑑|公益財団法人船橋市公園協会)
アカシアハチミツの味
アカシアハチミツの特徴は、さっぱりとした上品な味わいです。クセがなく、甘みがすっきりとしているため、どのような料理や飲み物に合わせても風味を損ねません。誰からも好かれるその味わいから、アカシアハチミツは別名「ハチミツの女王」とも呼ばれています。
アカシアハチミツに並び、「百花蜜」もよく目にするハチミツです。このふたつのハチミツは、味に違いがあります。百花蜜はその名のとおり、複数の花の蜜が混ざり合っているハチミツです。そのため味わいが複雑で、ハチミツを採取した場所や季節によって風味が変わってしまいます。
しかしアカシアハチミツは、ニセアカシアの蜜のみを集めているため味が安定しており、アカシアハチミツ特有の気品のある味わいが楽しめます。
アカシアハチミツの香り
アカシアハチミツの味わい同様、香りもやさしく繊細です。独特の強い匂いを持つハチミツもありますが、アカシアハチミツは香りにもクセがありません。バニラやアーモンドのような甘みのある香り、と表現されることもあります。
(出典:ハチミツの科学|越後多嘉志)
アカシアハチミツに期待できる効果は?
アカシアハチミツはおいしいだけではなく、健康効果も期待できる食品です。ここでは、アカシアハチミツの代表的な効果を紹介します。
疲労回復効果
アカシアハチミツには糖質がたっぷりと含まれており、その割合は80%以上を占めています。その糖質のほとんどが、「単糖」に分類されるブドウ糖と果糖です。
糖質は単糖がつながって構成されており、食事から摂取した糖質は単糖にまで分解されてから体に吸収されます。糖質がすでに単糖の状態で含まれているハチミツは、糖質が体に素早く吸収されるため、エネルギー補給に最適な食品です。
疲れがたまっているときやエネルギーが不足しているときに、効率よく体力を回復させるには、ハチミツの摂取が有効であるといえます。
肥満の原因のひとつを防ぐ効果
血液中に含まれるブドウ糖の量を「血糖値」といいます。食後に血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。インスリンは糖を脂肪に変えて体に蓄えることで血糖値を下げるため、食後の血糖値の急上昇は肥満の原因とされているのです。
アカシアハチミツにはブドウ糖が含まれていますが、それと同程度に果糖も含まれています。果糖が体内でブドウ糖に作り替えられるには時間がかかるので、血糖値の上昇は緩やかになります。
そのため、アカシアハチミツは糖質を多く含んでいても血糖値を上げにくい、つまり太りにくい食品であるといえるのです。
腸内環境改善効果
腸の中では、善玉菌と悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌といった腸内細菌がバランスをとって生息しています。不規則な生活やストレスなどが原因で悪玉菌が増えると、腸内細菌のバランスが崩れ、腸内環境が乱れて便秘や下痢になりやすくなります。
腸内環境の改善には、ハチミツに含まれるオリゴ糖とグルコン酸に注目しましょう。オリゴ糖とは、単糖が複数個つながった糖質であり、腸で善玉菌のエサとなって、善玉菌を増やす作用があります。グルコン酸は、花の蜜に含まれるブドウ糖が、みつばちが持つ酵素によって変化した物質です。グルコン酸も善玉菌のエサとなり、善玉菌を増殖させる作用があります。
このようにオリゴ糖とグルコン酸を含むハチミツは、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果が期待できるのです。
(出典:オリゴ糖|e-ヘルスネット、腸内細菌と健康|e-ヘルスネット|厚生労働省)
抗菌効果
高い抗菌作用があることも、ハチミツの特徴です。ハチミツは糖分が多く含まれているため、糖度がかなり高い食品です。糖度が高い環境では、細菌は繁殖することができません。
加えて、ハチミツの中で酵素反応により微量の過酸化水素が作られることも、抗菌性に関係します。過酸化水素は、消毒液などに含まれる殺菌成分です。糖度が高く、過酸化水素を含むハチミツは、細菌の繁殖を抑える効果が期待できます。
保湿効果
ハチミツに含まれる果糖には吸湿性があります。ハチミツがべとつきやすいのは、果糖が空気中の水分を引き寄せるためです。水分を取り込んで逃さないことから、ハチミツには保湿効果が期待できます。
喉が痛いときにハチミツをなめたり、ハチミツ入りの飲み物を飲んだりしたことがある人もいるでしょう。ハチミツには保湿効果や前述の抗菌効果があるため、理にかなった行動といえますね。
(出典:蜂蜜の特性とその利用|越後多嘉志、ハチミツの成分特性|榎本俊樹)
アカシアハチミツとほかのハチミツの違いは?
アカシアハチミツ以外にもハチミツには多くの種類があり、その味わいや価格は千差万別です。アカシアハチミツとそのほかの有名なハチミツとの違いは、以下のとおりです。
味 | 香り | 価格(100gあたり) | |
---|---|---|---|
アカシア ハチミツ | クセがなく上品な味わい すっきりした甘み | 繊細でやさしい | 500〜2,000円 |
レンゲ ハチミツ | コクがあり濃厚でまろやか | ほのかな花の香り | 1,000〜3,000円 |
ソバ ハチミツ | コクと少しの苦味がある | 独特の強い香り | 500〜1,000円 |
ミカン ハチミツ | 甘みが強く、柑橘の風味を感じる | 柑橘類の香り | 500〜2,000円 |
百花蜜 | ものにより異なる | ものにより異なる | 500〜2,000円 |
マヌカ ハニー | コクや苦味があり濃厚 | 薬のようなクセのある香り | 2,000〜4,000円 |
アカシアハチミツの主な産地と買える場所
アカシアハチミツのパッケージを見ると、産地が表示されていますね。いくつかのアカシアハチミツを見比べると、共通する産地があることがわかります。
ここでは、アカシアハチミツの主な産地を紹介します。アカシアハチミツを買える場所もお伝えするので、購入する際の参考にしてください。
アカシアハチミツの主な産地は?
アカシアハチミツの産地で有名なのは、ヨーロッパの中央に位置するハンガリーです。ほかにはルーマニアやブルガリア、中国産のアカシアハチミツも多く流通しています。
ニセアカシアは日本でも生育可能であり、街路樹として植えられていることもある、意外に身近な樹木です。国内では、北海道や秋田県、長野県がアカシアハチミツの産地として知られています。
アカシアハチミツはどこで買える?
アカシアハチミツは一般的なスーパーマーケットや食料品店、健康食品店、オーガニック専門店などさまざまな場所で購入できます。地方の農産物直売所では、その地域のアカシアハチミツを購入できる場合があります。
また、大手通販サイトや専門店のオンラインショップでも購入できます。
アカシアハチミツは国産がおすすめ?
アカシアハチミツはハンガリー産が有名ですが、国産のものも出回っています。海外産のハチミツと国産のハチミツには、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、海外産と国産のハチミツの違いを解説します。
国産ハチミツのメリット
国産ハチミツは海外産のものよりもやさしく、日本人に親しみやすい味わいという特徴があります。国産ハチミツは、海外産ハチミツよりも水分量が若干多めです。
海外の基準では、ハチミツの水分量は20%以下と定められていますが、日本の規格では22%以下とされています。わずかに水分量が多い分、国産ハチミツは甘みがすっきりと感じられ、とろみが少なく料理にも使いやすいのです。
また国産ハチミツには、非加熱のものが多くあります。ハチミツは品質を安定させるために、加熱されることがあります。特に安価な海外産ハチミツでは、加熱処理されている商品も多いです。ハチミツを加熱すると、一部の栄養素が失われるほか、風味を損なうおそれがあります。
非加熱のハチミツであれば、ハチミツの豊富な栄養を余すことなく摂取できます。健康効果を期待する方は「非加熱」や「生ハチミツ」と表示されている国産ハチミツを探してみてくださいね。
国産アカシアハチミツの特徴
アカシアハチミツは、クセがなく上品な味わいが特徴です。さらに国産アカシアハチミツは海外産に比べて水分量が多いため、さらっとしていて口に残る甘みが少ないのが特徴です。トーストやヨーグルトにかける、飲み物に溶かす、料理に加えるなど、さまざまな用途にハチミツを使うのであれば、あっさりとした味わいの国産アカシアハチミツがおすすめです。
(出典:ハチミツの品質規格|ミツバチ産品|一般社団法人 日本養蜂協会)
「みつばちのーと」の国産天然ハチミツもおすすめ◎
アカシアハチミツはおいしいだけではなく、疲労回復効果や肥満を防ぐ効果、抗菌効果なども期待できます。ハンガリーなどの海外産が主流ですが、国産アカシアハチミツはさらっとしていて食べやすく、どんな用途にも使いやすいことが魅力です。
国産のハチミツに関して言えば、アカシアハチミツ以外にも魅力的なハチミツがたくさんあります。
「みつばちのーと」では、伊豆半島で生産されたハチミツを取り扱っています。添加物や熱処理をしていない、国産天然ハチミツです。
日常的に口にする食品は、安心安全なものを選びたいものです。国産ハチミツを家庭に置いて、おいしくて体にやさしい生活を送ってはいかがでしょうか。
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