mitsubachi note

MENU

2020/11/20

ミツバチが集めてくる”小さじ一杯のハチミツ”

田中 章雄

あなたは”小さじ一杯のハチミツ”という話を聞いたことはありますか?

ミツバチが一生涯で集めてくる蜜量は小さじ一杯分というお話です。

働き蜂は本当に働き者です。

私は初めてこの事実を知った時は、気が遠くなる思いと、ミツバチに対しての感謝の気持ちが湧きました。

きっとあなたも初めて聞くのであれば驚くのではないでしょうか。

※今回のブログにおけるデータは「ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く」(丸善株式会社)を参考にしてます。

 

1.ミツバチの体重は90mg(=0.09g)

ミツバチ

ミツバチの体重は90mg(=0.09g)です。

ミツバチ1匹1匹は想像通りとても小さく可愛らしいです。

ミツバチが11匹集まるとようやく1円玉ぐらいの重さになります。

適切な表現の方法かわかりませんが、イメージしやすくするために45kg(計算しやすいように)の人間と比較してみます。

45kg(45000g)➗0.09g=50万倍

人間の体重はミツバチの体重の50万倍ということになります。

 

2.1回の飛行で集めてくる蜜量は0.04g

ミツバチは効率的な働きをします。

巣箱から飛び出すと、花から花へ飛び回り、口吻と呼ばれるストローのような口で花の蜜を吸います。

そして、吸った蜜は腹部の「蜜胃」(一時的に蜜をためる場所)に貯めて巣に持ち帰ります。

蜜胃に貯めることのできる量は約0.04gを集めて巣箱に戻ってきます。

0.04gというのは体重の45%もの重さとなります。

45kgの人間に置き換えると約20kgに相当します。

20キロというと・・・
お米とか灯油タンクなんかをイメージしてもらえるとわかりやすいでしょうか?

あるいは、2ℓミネラルウォーターを10本。

45kgの方が20キロの荷物運ぶのはとても大変ですよね。。。

 

3.1日の飛行回数:10飛行、3000個の訪花

ミツバチは巣箱から飛び立ち、花を飛び回って花蜜を集め戻ってくるという行動を平均で1日10回行なっているようです。

0.04g×10飛行=0.4g(1日に集めてくる花蜜)

1回の飛行で平均300の花を訪花しているようなので、1日3000もの花から花へ飛び回っているようです。

最初は蜜胃もほぼ空の状態なので飛びやすいでしょうが、後半になると重くなってくるわけでとても重労働です。

人間に置き換えると、

20kg×10飛行=200kg

20kgのお米を担いで3000箇所に行ったり来たりするだなんて・・・
想像もしたくない。。。

 

4.10日間蜜を集め、4gの花蜜を集める

働き蜂は10日間蜜を集めると一般的には言われています。

10日×0.4g=4g

花蜜を集めてくる計算になります。

ちなみに働き蜂の採蜜時期の寿命は約40日ぐらいです。

外に蜜を集めに行くというのは、外敵に襲われるリスクがあったり、自分の巣箱を覚えたりしてから遠くまで飛ぶようになるので、ベテラン蜂の仕事なんですよ。

またまた、人間の体重比で置き換えると、

10日×200kg=2000kg=2t

10日間で2tの荷物を運ぶと考えるだけで嫌になりますよね・・・

 

5.花蜜=ハチミツではない。

花蜜(nectar)というのは花の蜜ということです。

ミツバチが集めてきた花蜜は45%〜70%程度が水分と言われております。

水分が多いという事は、微生物が活動できる環境なので、そのままにしておくと糖を分解してアルコールなどになってしまいます。

そもそもミツバチは自分たちの長期保存の効くエネルギー源を確保するために蜜を集めてくるんです。

長期保存するためには腐らないようにしなければなりません。

そのためにどうするのか・・・

水分量を減らして微生物が活動できない環境にするんです。

すなわち、糖度を高めて長期保存の効く状態へ花蜜をハチミツにするという過程が必要になります。

◆そのためにミツバチがやっている事は?

外勤蜂が集めてきた花蜜は、巣箱の中にいる内勤蜂に口移しで受け渡します。

内勤蜂はまず、胃の中で糖をブドウ糖と果糖に分解して、巣に詰めます。(分解するのは食べたらすぐに体内に吸収されるようにするためです。すぐに飛べたり、すぐに筋肉を震わせて巣箱内部の温度を保ったりするためです。)

そして先ほど説明した通り、蜜はまだ水分がたっぷりでシャバシャバの状態でこのままではアルコール化が進んでしまい長期保存できません。

ミツバチは巣に蜜を詰めると、羽で気流を生み出し、徐々に蜜の水分を飛ばしていきます。

ようやく水分量が約20%以下になった時点でハチミツとなります。(水分飛ばすのにも結構時間と労力がかかるんですよ)

ですので、計算上は4gあった花蜜は水分量を20%以下まで飛ばすとさらに軽くなってしまいます

こうやって一生懸命にミツバチが飛び回って集めたハチミツは、一生涯で小さじ1杯分ぐらいにしかならないのです。

ミツバチさん達とっても頑張ってますよね!!

 

ちなみに・・・

ミツバチの蜜を集める際の行動範囲は2〜3kmと言われております。

仮に2kmを往復すると、一回の飛行で4km

10飛行したとすると、一日40km

それを10日間行うと、400km飛ぶことになる。

400kmというと、だいたい東京〜大阪ぐらい。

働き蜂の体長は12mm~14mmで、日本人女性の平均身長が154.2cmらしいので、体長を比較すると約110倍

やや強引ですが、イメージしやすいように人間の距離に置き換えると、

400km×110倍=4.4万km

人間に置き換えると地球1周分(約4万km)生涯で花を飛び回っていることになります。

ミツバチさんに本当に感謝です!!

 

PS

ミツバチが集めてきた花によって味わいが変わるのですが、小さじ1杯分ずつ小分けになったハチミツがあります。

どんな花の蜜がいいのかわからない方やいろいろな花の蜜を味わってみたい方にオススメのハチミツです。

小分けになっているので、持ち運びにも便利です。

NEW

メルマガ & LINE@
会員募集中

ハチミツの美味しい食べ方や採蜜エピソード、

スタッフコラム、期間限定商品、新蜜情報、

セール情報などをお届けします。

MAIL MAGAZINE

メールマガジン会員募集中

LINE@

LINE@友だち募集中
line

@mitsubachi-n

代表
田中 章雄 AKIO TANAKA
1986年3月生まれ、茨城県取手市出身、宇都宮大学農学部農業環境工学科卒業。大学卒業後、横浜の不動産仲介会社に入社して営業・人事を経験。大学時代に経験したグリーンツーリズムで感じた自然資源の可能性・豊かさを忘れられず農業ベンチャー企業へ転職。そこで養蜂と運命的に出会い、どんどん魅力にとりつかれる。師匠にお願いし、広島に移り住み、養蜂の修行を積む。2015年3月に養蜂家として独立するために静岡県伊東市に移住。日々養蜂家として勉強の日々を過ごしている。プライベートでは3児(息子2人と娘1人)のパパ。

COMMENT

  1. なんという真実…!
    小さじ一杯をもっと大事にしたいと思いました。笑

    1. 杉山様
      ありがとうございます。
      そうなんです。びっくりしますよね!
      私も同じ気持ちで採蜜しております。

  2. 夜中に不思議な夢を見てここに辿り着きました。
    フンコロガシの一種で地中に蜜を集める昆虫がいると。
    は?そんな虫いるの?と思いながら本当に実在するのか
    気になりネット検索してたら、最近マヌカハニー喉飴を買った影響でしょうか?
    ここに辿り着いて目から鱗でした。
    蜂の寿命がこんなにも短く、生涯かけて運べる
    蜂蜜の量がこんなにも少ないなんて…
    そんな普段当たり前に購入できている食品に対して
    感謝の気持ちが生まれました。
    ありがとうございます。

  3. めちゃくちゃわかりやすかったです。
    はちってすごいんですね。
    熱海の方に旅行に行った時は必ずお伺いさせていただきます。

コメントは管理者の承認制となっております。コメントが承認されるまでお待ちください。