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2023/3/4

【コラム】みつばちの贈り物ミツロウって?簡単♪ハンドクリームの作り方をご紹介

kosekikanako
こんにちは。
新人養蜂家の小関加奈子です。

ミツバチが大好きで
養蜂家として
「みつばちのーと」の一員になりました。

養蜂家になって知ったことを、

ハチミツを召し上がる
あなたと
ここでお話できたら嬉しいな。

そんな想いで書いています。

少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

今回のテーマは『ミツロウ』です。

化粧品など身近で使われるミツロウも、ミツバチのすばらしい贈り物

名前は聞いたことがあるけれど、

「ミツロウって何からできているの?」
「何に使われているの?」

そんな方も多いのではないでしょうか。

1.ミツロウって?

2.ミツロウの歴史

3.ミツロウができるまで

4.簡単!作ってみよう
 『ミツロウハンドクリーム』

地球にも人にもやさしい天然素材『ミツロウ』を、詳しくご紹介していきます。

『ミツロウ(蜜蝋)』とは
ミツバチの巣の材料である「ロウ(蝋)」を、人の手によって精製したものです。

ロウは、ミツバチが体から出す成分。

働きバチのお腹にある蝋腺から、ロウを分泌します。

それを大アゴから分泌する酵素と混ぜ合わせ、巣を作っていきます。

お腹の節に白っぽく見えるのがロウ

初めは透明なロウですが、次第に花粉やプロポリスなどが混ざり合うことで、黄色や茶色に変化していきます。

↓この画像をみると、周りは作りたてなので白っぽく見えますね!

巣箱の空間に作られた巣

働きバチがロウを分泌するには、たくさんのハチミツを食べなければなりません。

では、ロウ1gを分泌するのに、どれくらいのハチミツが必要だと思いますか?

答えはなんと…10g!

10倍の量が必要になってくるのです。

1匹のミツバチが作るハチミツは小さじ1杯(5g)ほどですから、
ロウの量に換算すると、たったの0.5g

身近にある『ミツロウ』が、とっても尊く、愛おしく感じますね。

ロウソクや化粧品など、私たちの暮らしで活躍する『ミツロウ』。

その歴史の始まりは、最も古い記録で紀元前4200年頃

エジプトで、ミイラの保存に使われていました。

紀元前100年頃からロウソクの原料として使われ始め、キリスト教会では“神の光”として人々に敬愛されてきました。

現在でも、教会でミツロウのロウソクを灯す伝統が守られています。


ミツロウを使って描かれた絵画
(参照:Wikipedia エンカウスティーク

ミツロウは、絵画にも使われていました。

美術史上最古の絵画技法として、少なくとも2000年以上前にはミツロウを使って描く蝋画が存在しています。

耐光性、耐水性、耐酸性などをもつミツロウを描画材料にしていたので、
今でもほとんど描かれたままの状態だというから、驚きです。

食用として、
かつて欧州ではバターが普及する以前、調理用油脂として使われていました。

今でも、表面にミツロウをコーティングしたカヌレやガム、口に入れても安心なクレヨンの材料として使われています。

 

このように、世界各地の文化に深く関わってきた『ミツロウ』。

はるか昔から安心・安全な天然素材として親しまれ、人々を魅了してきたのです。

ミツバチが出したロウで作った巣をどのように精製し、ミツロウができるのでしょうか?

みつばちのーとでは、
採蜜の時に出た蜜蓋(ハチミツを貯めるためのフタ)や搾りカスを、精製しています。

六角形の部屋をフタしているのが蜜蓋

ハチミツを取り出すには、蜜蓋を切り取る必要があります。

専用の刀を温めて蜜蓋を切り取ると、中からハチミツがとろ〜り。

蜜蓋だけでなく、ハチミツを濾す時に出る搾りカスも、余すことなくいただきます。

これらを加熱し、溶かしていきます。

完全に溶けたら、濾して容器に入れ、冷まします。

ロウは軽いので上へ、不純物は下へ。
こうして、分離していきます。


容器から取り出し、底を見てみると…

完全に冷めたものを取り出すと、不純物が底に溜まっています。

この不純物を取り除き、さらに同じ工程を何度か繰り返していきます。

そしてようやく、優しいハチミツ色をしたミツロウの完成です。

こうして時間をかけて完成したミツロウが、
化粧品や医療品、食品など、幅広い分野で使われているのです。

改めて、ありがとうミツバチさん!

「ハチミツはすぐに食べられるけど、ミツロウで何かを作るのは大変そう…。」

いえいえ。実は、少ない材料で簡単に作れちゃうんです。

今回は
材料
3つだけ!『ハンドクリーム』の作り方をご紹介します。

<材料>
・ミツロウ  4g
・植物オイル 20g
・精油    1-3滴 (なくてもok)

今回はホホバオイルを使用しましたが、ココナッツオイル、オリーブオイル、ごま油など、お好きなものをお選びくださいね。

<用具>
・クリームを入れる容器
・耐熱容器(ビーカーやアルミ製のもの)
・竹串や箸
・湯せん器具

※ミツロウはつくと落ちにくいので、使った耐熱容器はミツロウ専用にすることをおすすめします。

■作り方

①耐熱容器にミツロウと植物オイルを入れ、湯せんする。

弱火にかけながら湯せんすると、簡単に溶けます。

②ミツロウが完全に溶けたら湯せんから取り出し、容器に入れる。

③粗熱がとれたらお好みで精油を加え、よく混ぜる。

精油は熱に弱いものがあります。

↑写真のように粗熱がとれ、周りがうっすら固まってきたら加えましょう。

精油を垂らしたら、竹串や箸でよく混ぜます。

すでに固まってきましたよー♪

④15分ほどで固まったら完成!

溶かして、混ぜて、固めるだけ。
とっても簡単ですよね♪

保存期間は1ヶ月ほど。

私はこのクリームを髪にも使っています。

ミツロウならではの
ほのかに甘い香りと、しっとりした使い心地。

天然素材のものは、自然と心も豊かにしてくれますね。

「今回は、このオイルと香りにしようかな♪」

気分に合わせて様々な組み合わせを楽しむのも、手作りの醍醐味。

少しの材料で簡単にできるので
ぜひ、あなた好みのクリームを作ってみてくださいね。

 

【注意事項】

  • 医薬品ではないため、ご使用に関しましては自己責任でお楽しみください。
  • お肌に合わない場合はご使用をおやめください。
  • お肌に異常が現れた場合は速やかに使用を中止し、医師にご相談ください。
  • お使いいただく方の体質・お肌の状態によって異常が現れることもございますので、必ず事前にパッチテスト等で安全性を確認した上でご使用ください。
  • 高温多湿、火気の近くで保管するのは避け、涼しいところで保管してください。
  • 排水管の中で固まって詰まりの原因となるので、ミツロウをそのまま洗い流さないでください。

 

いかがでしたか?

ハチミツ以外にも、ミツロウや受粉など、ミツバチの恩恵は計り知れません。

最近では、「サスティナブル(持続可能)」で「エシカル(環境保全・社会貢献)」な考えが当たり前になりつつあります。

繰り返し使用できるミツロウラップや、
ススが出にくいミツロウキャンドルなど。

ミツロウを使った、地球や人にやさしい製品も増えてきました。

ぜひ、あなたのペースで、ミツロウを取り入れた暮らしを始めてみてくださいね。
 

P.S.
現在、ミツロウ販売に向けて準備を進めております。

楽しみにお待ちくださいね♪

いよいよ、春の訪れを感じる3月になりました。

梅や菜の花、そして桜が咲き始め、いよいよミツバチの季節がやってきます。

きっとミツバチもウズウズしているはず。

今日は、
そんなミツバチに想いを馳せながら
ひとさじのハチミツをいただきましょう♪

それでは明日も
Bee happy !

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