ハチミツと金属のスプーンは相性が悪いという情報が広まっていますが、本当なのでしょうか。

この記事では、金属のスプーンでハチミツを食べてはいけない、という噂の真偽を解説します。おすすめのハチミツスプーンの材質や、ハチミツスプーンを購入できる場所も紹介するので、おいしく安全にハチミツを食べる参考にしてくださいね。

「金属のスプーンでハチミツを食べてはだめ」と言われる理由と真相

「ハチミツを金属製のスプーンで食べてはいけない」という噂が生じた理由と、それが本当かどうか、解説していきます。

ハチミツが金属を溶かす？

「ハチミツを金属製のスプーンで食べてはいけない」という噂が生じたのは、ハチミツに酸が含まれることが理由です。その酸が金属を溶かし、溶け出た成分によってハチミツの風味や効能が劣化する、といわれているようです。

ハチミツにはグルコン酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸が含まれており、そのpHは4前後を示します。pHは7を中性として、数値が低いほど酸性に、高いほどアルカリ性に傾くことを示します。つまりpH4程度とされるハチミツは弱酸性の食品であることがわかります。

酸に金属を溶かす性質があることは事実です。しかしその影響の大小は、金属の種類によって異なります。アルミニウムや鉄、銀といった金属は酸に弱く、酸に長期間さらされているとさびて変質してしまいます。

一方、酸に強いとされているのがステンレスやチタンなどの金属です。

ハチミツ以外にも、酸を含む食品はたくさんあります。オレンジやレモンなどの柑橘類、酢を使った料理、ドレッシングなども酸を多く含む食品です。このような食品に毎日触れても劣化しないよう、現代のカトラリーやキッチンツールの金属にはステンレスが多く使用されています。

一般的なスプーンには酸に強いステンレスが使われているので、ハチミツなどの酸を含む食品に触れる程度であれば、金属が劣化して食品に影響を及ぼすことはありません。

家庭でハチミツを食べる程度なら問題なし

家庭でスプーンがハチミツに触れるのは、ハチミツをすくうほんの一瞬です。たとえ銀スプーンを使っていたとしても、ハチミツの酸で、そのわずかな時間に金属が変質してしまうことはまず考えられません。

ハチミツが金属に触れても、基本的に問題はないのです。

また、製造過程において、ハチミツが金属に触れる場面は多々あります。ハチミツの採取では、みつばちの巣を遠心分離機にかけて分離しますが、その際にハチミツは金属に触れます。ハチミツの保存に一斗缶が使用されることもあり、その一斗缶も金属（鉄をスズで加工した「ブリキ」）で作られています。

このように、ハチミツのプロである養蜂家が金属を使用していることからも、金属に触れることがNGではないことがわかるでしょう。

マヌカハニーは金属のスプーンで食べないほうがよい？

マヌカハニーの強い抗菌性は、特有のメチルグリオキサールに由来しています。このメチルグリオキサールが金属と反応して変質する可能性について書いている記事を見かけますが、具体的な研究報告は見当たりません。

栄養が損なわれるかもしれないことが気にならない方は、金属のスプーンで食べても問題ないでしょう。

気になる人は、金属以外のハチミツスプーンも

ここまで解説してきたとおり、基本的に、ハチミツを食べるときに金属製のスプーンを使っても問題はありません。しかし、それでもハチミツと金属スプーンの相性が気になる人は、金属以外の材質のスプーンを使うことをおすすめします。

スプーンには、木製やプラスチックなどさまざまな材質があります。ここでは、ハチミツに使えるスプーンの材質を確認しましょう。

木製のハチミツスプーン

木製のスプーンはハチミツを劣化させる心配がないだけではなく、口当たりがやさしく、やわらかい点においてもハチミツと好相性です。しかし木は天然素材なので、しっかり乾燥させないとカビが生えるおそれがあります。長い期間、衛生的に使えるように、木製スプーンはきちんと手入れをしましょう。

はちみつ専用の木製スプーンといえば、「ハニーディッパー」という道具もおすすめです。ハニーディッパーとは、長い棒の先に小さな球体がついている道具です。球体にはいくつかの溝があり、ハチミツを絡め取りやすい構造をしています。ハニーディッパーでハチミツをすくい、ヨーグルトやトーストなどの上に運び、たれてきたハチミツをかけて食べるのです。

ハニーディッパーはその独特の形状で、棒をくるくる回すことでハチミツの液だれがすぐに止まるので、とろみのあるハチミツでも楽に扱えます。またスプーンと異なり、直接口を付けるわけではないことも、衛生的に使用できるポイントですね。

ただし、マヌカハニーなど固めのハチミツでは、ハニーディッパーを使うとじょうずにすくうことができないこともあります。ハチミツの粘度を見て、スプーンとハニーディッパーのどちらを使用するかを検討してくださいね。

樹脂製のハチミツスプーン

プラスチックやシリコンといった樹脂製のスプーンは、ハチミツの品質に影響を与えないので安心して使えます。さらに安価で丈夫という点もメリットといえるでしょう。シリコンなどのやわらかい素材であれば、瓶底にたまったハチミツまできれいに取れるので、ハチミツが無駄になりません。

しかし、樹脂製のスプーンを長期間使用していると、スプーン自体が劣化していきます。表面がぼろぼろになってはがれることもあるので、傷んできたら早めに新しいものに取り替えましょう。

ガラス製のハチミツスプーン

ガラス瓶入りのハチミツが販売されているように、ガラスもハチミツの品質に影響しない素材です。落下させるなどの強い衝撃を与えない限り、ガラスは耐久性があり、手入れも簡単。なにより透明感のある見た目が美しく、ガラス製のスプーンはハチミツを食べる時間を特別なものにしてくれるでしょう。

高級感のあるガラス製のハニーディッパーも市販されているので、インテリアのひとつとして活用するのもおすすめですよ。

陶器製のハチミツスプーン

あまり種類は多くありませんが、陶器製のハチミツスプーンも販売されています。陶器は、ハチミツを劣化させる心配がありません。ガラス同様、衝撃には強くありませんが、使い勝手がよく手入れしやすいことがメリットです。

ただし陶器は、ハチミツスプーンのなかではマイナーな素材であり、あまりたくさん生産されていないため価格が高めです。見た目にも高級感があるので、贈り物におすすめですね。

どこで買える？ハチミツスプーンのおすすめ商品

ハチミツスプーンには木製やガラス製など、さまざまな種類があることがわかりましたが、これらのスプーンはどこで購入できるのか気になりますね。ここでは、ハチミツスプーンを購入できる店舗を紹介します。

100均のハチミツスプーン

キャンドゥやセリアなど、昨今の100円均一ショップは品揃えが豊富で、ハチミツ専用のスプーンもたくさん取り扱われています。現在人気なのは、ダイソーで販売されている樹脂製のハチミツ専用スプーンです。

このスプーンは先がV字になっており、液だれしにくいのが特徴です。くるりと回すとハチミツの液だれが簡単に切れるので、使いやすく手入れもしやすいと評判になっています。

100均で購入できるハチミツ専用のスプーンは、樹脂製がほとんどです。普通のスプーンであれば木製や金属製のものが多数販売されているので、小さめのスプーンを購入してハチミツに使用するのもよいでしょう。

https://twitter.com/halcomemo/status/1465839945063759872

ニトリや無印のハチミツスプーン

手頃な価格で便利な生活雑貨が購入できるニトリと無印良品ですが、2023年8月現在は、両店ともにハチミツ専用スプーンの取り扱いがありません。

しかし専用ではなくても、ハチミツにも使える木製スプーンや、スリムな形状の金属製スプーンは販売されています。特に無印良品で取り扱っているジャムスプーンは、ハチミツにもおすすめです。細長い柄がハチミツの瓶底までしっかり届き、シリコン製のスプーンで残っているハチミツをきれいにかき取れるので、便利ですよ。

無印のシリコンのやつはジャムスプーンが地味に便利　ジャムだけじゃなくて瓶詰めのものとか最後までこそげ取れる　生クリームとかも

— ふかみ🍰 (@flourishblue) March 17, 2023

ハチミツの質にもこだわりたいなら「みつばちのーと」のハチミツがおすすめ

ハチミツに含まれている酸が金属を溶かすため、ハチミツを食べるのに金属製のスプーンを使ってはいけない、という意見があります。しかし、市販の金属スプーンの多くは酸に強いステンレス製ですし、はちみつをすくって食べる程度の時間、触れているだけであれば金属が溶ける心配はありません。

それでも金属製のスプーンでハチミツを食べることに抵抗がある方は、木製や樹脂製、ガラス製のスプーンを使うことをおすすめします。身近な場所では100均などで購入できるため、あなたの好みに合うハチミツスプーンを探してみましょう。

お気に入りのハチミツスプーンが見つかったら、ハチミツの質にもこだわってみませんか？

みつばちのーとの商品は、すべて静岡県伊豆半島で採取された国産ハチミツです。加熱処理をしていないため、ハチミツの風味をそのまま味わえます。

いろいろな種類やサイズのハチミツをご用意しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。