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2023/8/30

ジャラハニーとマヌカハニーの違いは?効果や副作用について解説

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
管理栄養士、製菓衛生師、パティシエ 南谷 智佳子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科卒業。大学では栄養学全般を学び、栄養士および管理栄養士免許を取得。卒業後は管理栄養士として保育園で働いた後に、パティシエの道へ。修行後、個人店やホテルにて勤務。現在は管理栄養士兼パティシエとして、蜂蜜を使ったレシピなどを発信している。

健康効果が高いことで注目される、マヌカハニーとジャラハニー。どちらもハチミツですが、どのような違いがあるのかご存じでしょうか。

この記事では、ジャラハニーとマヌカハニーの特徴を徹底比較しています。健康効果はもちろん、気になる副作用や食べ方についても解説しているので、好みに合うハチミツを見つける手掛かりにしてくださいね。

【基本】ジャラハニーとマヌカハニーの違い

まずは、ジャラハニーとマヌカハニーの産地や味わいなどの基本的な特徴を比較して、違いを理解しましょう。

産地と味わい

ジャラハニーとは、ジャラの樹の花から採取されるハチミツです。ジャラの樹はユーカリの一種であり、世界でも西オーストラリア州にしか生えていません。さらに2年に1度しか花を咲かせないため、ジャラハニーはとても貴重なハチミツといえます。

ジャラハニーの味わいは濃厚でコクがあり、「黒糖やキャラメルのよう」と表現されることがあります。芳醇な香りと上品な甘み、なめらかな口当たりを併せ持った、リッチな風味を感じられるハチミツです。

一方、マヌカハニーはニュージーランドの一部地域に自生している、マヌカの樹の花から採取されます。1年の中で数週間しか花が咲かないため、マヌカハニーも希少なハチミツです。

マヌカハニーの味わいも濃厚ですが、少し苦味があるのが特徴です。薬を思わせる香りを持ち、一般的なハチミツのような透明感はなく、舌触りはざらっとしています。

抗菌力の強さを示す指標の違い

ジャラハニーとマヌカハニーには健康効果に影響する成分が含まれており、中でも抗菌力については数値で表されます。

ジャラハニーでよく使われるのは「TA(トータルアクティビティー)」という指標です。TAは抗菌効果を示す数値で、消毒液として使用されるフェノール液と比較したときに、どのくらいの効果があるかを表すものです。

マヌカハニーについては「UMF」という指標があります。ジャラハニーにおける「TA」と同様、消毒液として使用されるフェノール液との比較によって、抗菌力を示します。UMFの値が高いほど、抗菌力は強くなります。またUMFと同じように、抗菌力の程度を表す「NPA」という指標が使われることもあります。

ジャラハニーの抗菌力はTA、マヌカハニーの抗菌力はUMFまたはNPAで表し、数値が高いほど抗菌力が強いことを示しています。商品によって差があるので、確認してみるとよいでしょう。

ちなみに、マヌカハニーには「MGO」という指標があり、マヌカハニー1kg当たりのメチルグリオキサール(マヌカハニー特有の抗菌成分)の含有量を表します。しかし、この数値はあくまで単純に抗菌成分の含有量を示すもので、抗菌力を示すものではありません。

購入場所

ジャラハニーとマヌカハニーはどちらも貴重なハチミツなので、どこで売っているのか気になりますね。実は、身近な輸入食品店や一部のスーパーマーケット、百貨店等でも販売されています。

オンラインショップであれば、さらに選択肢は多いでしょう。最近は日本でも取り扱いが増えたので、豊富な品ぞろえのなかから自分の好みに合った商品を選べますよ。

【参考】ジャラハニーとマリーハニーの違い

「マリーハニー」は、西オーストラリアだけに育つマリーの樹の花から採取される、希少なハチミツです。味はクセがなく上品でやさしく、その味わいから「ハチミツの女王」と呼ばれることがあります。

マリーハニーにも高い抗菌作用があり、ジャラハニーと同じくTAという指標で表されます。
どちらのハチミツも、高いものではTA35程度の商品が流通しており、抗菌力はほぼ変わりません。

この二つのハチミツの違いは、味と価格です。ジャラハニーに比べると、マリーハニーは味わいがよりあっさりしています。どちらも生産量が限られていますが、マリーハニーのほうが価格は手頃です。

ジャラハニーとマヌカハニーの「健康効果」の違い

マヌカハニーは、高い健康効果を持つことが話題になり、よく知られるようになりました。ジャラハニーも同様に、健康効果に高い関心が集まっています。

ここでは健康効果に焦点を当てて、ジャラハニーとマヌカハニーの違いを見ていきましょう。

虫歯・歯周病の予防効果

純度や品質にもよりますが、ハチミツには抗菌作用があり、虫歯菌や歯周病菌の増殖を抑えるといわれています。

ジャラハニーに含まれる抗菌成分は一般的なハチミツと同じで、ほとんどが過酸化水素に由来しています。TA10以上のハチミツは強力な抗菌性があるとされていますが、ジャラハニーにはTA20やTA30といったものが多く流通しています。ジャラハニーにも高い抗菌性があり、虫歯や歯周病の予防効果が見込めるといえるでしょう。

ただし、過酸化水素が口腔内の唾液等によって薄められることにより、効果が落ちることも考えられます。そのことは頭に置いておくといいでしょう。

一方、マヌカハニーには、マヌカハニー特有の成分「メチルグリオキサール」が高濃度で含まれていることがわかっています。このメチルグリオキサールが強い抗菌作用を発揮することで、マヌカハニーは口腔内の健康を守る高い効果が期待できるようです。

(出典:マヌカハニーの特徴とその機能性|加藤 陽二)

ピロリ菌抑制効果

胃に生息するピロリ菌の働きを抑えて、胃や腸の健康を保つことにもジャラハニーとマヌカハニーなどのハチミツが効果的だという報告もあるようです。

ピロリ菌は、高齢になるほど感染率が高くなる細菌で、感染すると胃粘膜に棲みつきます。胃は食べ物を消化する胃液により強酸性になりますが、そのような環境下でも生きられるのがピロリ菌の特徴です。ピロリ菌は胃炎や胃潰瘍の原因となり、胃がんのリスクを高めるおそれもあると報告されています。

(出典:健康な胃をとりもどそう|大塚製薬)

免疫力を高める効果

「免疫」とは、病原菌やウイルスなどの異物から体を守る仕組みのことです。ジャラハニーとマヌカハニーはどちらも、免疫力を高めて、風邪・インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症などの感染症や花粉症から体を守る効果があると考えられています。

食べ物が通る腸は、外から取り込まれる異物の危険に常にさらされているため、免疫に作用する細胞が多く分布しています。この免疫細胞に影響を与えているのが、腸内細菌です。腸内細菌のバランスを正常に保つことは、腸だけではなく、体全体の免疫機能の向上につながります。

ハチミツには、腸内環境の改善に関わるオリゴ糖やグルコン酸が含まれています。ジャラハニーとマヌカハニーにもオリゴ糖やグルコン酸が含まれているため、これらのハチミツを摂取すると腸内環境が整い、免疫力が高まることが期待できます。

さらにマヌカハニーにおいては、特有成分メチルグリオキサールに腸内細菌のバランスを整える整腸作用があるとされており、研究が進んでいます。

ジャラハニーとマヌカハニーそれぞれのデメリット

ジャラハニーとマヌカハニーには多くのメリットがあることがわかりましたが、デメリットも気になりますね。ジャラハニーとマヌカハニーの摂取により懸念される影響についても知っておきましょう。

ジャラハニーやマヌカハニーの発がん性は?

過去に、マヌカハニーから発がん性が疑われる除草剤の成分「グリホサート」が検出された、という報道がありました。調査の結果、検査したサンプルのうち2割弱からグリホサートが検出されました。一説によると、除草剤がかかった花がみつばちの巣箱の近くにあったことで、みつばちがその花の蜜も集めてしまったことが原因であるといわれています。

もともとマヌカハニーには発がん性のある成分は含まれていませんが、この事件がもとになり、マヌカハニーには発がん性があるという誤った認識が広がったようです。

(出典:新型コロナで人気沸騰の高級蜂蜜から発がん性疑惑農薬|Yahoo!ニュース)

ジャラハニーやマヌカハニーを妊娠中に食べるリスクは?

一般的に、1歳未満の子どもにハチミツを与えてはいけないとされています。赤ちゃんは腸の機能が未発達であり、ハチミツに含まれるボツリヌス菌への耐性が弱いことが理由です。

しかし、大人は腸が発達しているため、妊娠中であってもジャラハニーやマヌカハニーを食べることによる胎児への影響はありません。むしろハチミツは、妊娠中の栄養補給に適した食品といえます。

ジャラハニーとマヌカハニーには糖質やアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれており、胎児の成長に必要な栄養を補えます。妊娠中は便秘になりがちですが、ハチミツには整腸作用があるため、便秘の改善効果も期待できるでしょう。

ただしカロリーも低くはないので、食べ過ぎによる体重増加に気をつけてください。

ジャラハニーやマヌカハニーが歯に与える影響は?

前述のとおり、ジャラハニーとマヌカハニーには強い抗菌作用があるため、虫歯の予防効果が期待できます。しかし、まったく悪影響がないとは言いきれません。

虫歯菌は糖質から酸を作り出します。虫歯になるのは、その酸が歯を溶かすことが原因です。虫歯菌は糖質のなかでも、砂糖に多く含まれるショ糖を利用して酸を作ります。ハチミツは果糖とブドウ糖という糖質でほぼ構成されており、ショ糖をほとんど含んでいません。この糖質の構成からも、ハチミツは虫歯になりにくい食品であるといえます。

ところが、ショ糖よりもリスクが低いものの、果糖とブドウ糖も虫歯の原因になる可能性があることがわかっています。虫歯の予防効果を期待して、就寝前、歯磨きをしたあとにジャラハニーやマヌカハニーを口に含む人もいるようです。これは歯を長時間危険な状態にさらすことになるため、あまりおすすめできません。

(出典:
むし歯の原因と進行|歯の健康基礎知識|ライオン – クリニカ
日本食品標準成分表2020年版(八訂)|文部科学省)

ジャラハニーとマヌカハニーの「食べ方」の違い

ジャラハニーとマヌカハニーを食べるなら、健康効果がしっかり発揮されるように摂取したいですね。ここでは、ジャラハニーとマヌカハニーの効果的な食べ方について紹介します。

食べる「タイミング」

ジャラハニーとマヌカハニーの食べ方は、基本的に同じです。ジャラハニーとマヌカハニーを食べるのは、空腹時をおすすめします。空腹時であれば、ほかの食べ物の影響を受けることなく、ハチミツが胃や腸の粘膜へ届きます。そのため、抗菌作用や整腸作用などの効果が効率よく発揮されるでしょう。そのまま胃に長くとどまれるためには、就寝前がベストと考えられます。

食べる「量」

食べる量に関しても、ジャラハニーとマヌカハニーは同じと考えてかまいません。

ジャラハニーとマヌカハニーは、大さじ1ほどの量が1日の適量とされています。しかし一度に食べるには多すぎるので、ティースプーン1杯ほどの量を1日3〜4回にわけて食べるとよいでしょう。

ジャラハニーとマヌカハニーの違いまとめ!結局どっちがよいの?

成分に違いはありますが、ジャラハニーとマヌカハニーはどちらも高い抗菌作用を持っており、健康効果に関してどちらかが優れているということはありません。しかし味わいに違いがあるため、自分の好みに合うものを選ぶとよいでしょう。

みつばちのーとで扱うハチミツは、ジャラハニーやマヌカハニーではありませんが、すべて伊豆半島で生産された国産生ハチミツです。加熱処理をしておらず、甘味料や添加物などの混ぜものも一切使用していないので、香り高く栄養たっぷりのハチミツをお楽しみいただけます。

ラインナップを豊富に揃えているので、きっと好みに合うハチミツが見つかるはずです。ぜひ国産の生ハチミツを生活に取り入れて、日々の健康作りに活かしてくださいね。

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