ローヤルゼリーは健康に良い効果があるイメージを持っている人が多いですが、一部ではその危険性や副作用を心配する声もあります。

この記事では、ローヤルゼリーに期待できる効果をはじめ、ローヤルゼリーが危険といわれる理由について詳しく解説します。

ローヤルゼリーを摂取するときの注意点についても説明するので、ぜひ参考にしてくださいね。

ローヤルゼリーは意味ない？期待できる効果とは

ローヤルゼリーは健康に良い効果をもたらすといわれる反面、「意味がない」といわれることもあるようです。

ここでは、ローヤルゼリーに期待できる効果についてまとめます。

そもそもローヤルゼリーとは、ミツバチが作り出す乳白色のクリーム状の物質で、女王蜂だけが食べられる貴重な物質です。

ハチミツの成分の一部と勘違いされることも多いですが、ハチミツとローヤルゼリーはまったくの別物です。

若い働き蜂の咽頭腺から分泌されるローヤルゼリーには、アミノ酸をはじめ、ビタミンやミネラルなどが豊富に含まれています。

また、ローヤルゼリー特有の成分であるデセン酸なども含まれており、その栄養素は合計で40種類以上ともいわれています。

ローヤルゼリーに期待できる効果としては、以下が挙げられます。

• 免疫力の向上
• 老化の予防
• 高血圧の予防
• コレステロール値の減少
• 肝機能の向上

ローヤルゼリーに期待できる健康効果にはさまざまな研究報告があり、幅広い分野で健康に良い効果をもたらす可能性があるといわれています。

まだ研究段階の健康効果もありますが、ローヤルゼリーはその栄養価の高さから、今後も新しい健康効果の発見が期待されています。

出典：
ローヤルゼリー 明らかになる健康機能～最新研究ダイジェスト｜山田養蜂場 健康科学研究所）
Fatty acids isolated from royal jelly modulate dendritic cell-mediated immune response in vitro｜National Library of Medicine
Royal jelly ameliorates insulin resistance in fructose-drinking rats｜National Library of Medicine）

女性と男性とで効果に違いはある？

ローヤルゼリーの健康効果は、上記に挙げたもののほか、男女で違った効果が期待できるともいわれています。

女性に対しては、ほてりやめまい、イライラなどの更年期障害の症状を緩和するのに有効です。

これは、ローヤルゼリーに含まれる神経伝達物質であるアセチルコリンという成分によって、自律神経のバランスを整えることによる効果といわれています。

また、女性に多い悩みのひとつである冷え性の改善やシミ予防などへの効果も確認されており、ローヤルゼリーの摂取は女性特有の悩みの解決をサポートしてくれるでしょう。

一方で男性に対しては、男性ホルモンであるテストステロンの分泌をサポートして、男性機能の向上に効果があるとされています。

また、精子の質を高めるといった研究報告もあり、男性の不妊治療にも良い効果をもたらすのではないかと期待されています。

出典：
ローヤルゼリー 明らかになる健康機能～最新研究ダイジェスト｜山田養蜂場 健康科学研究所
Effectiveness of a herbal formula in women with menopausal syndrome｜National Library of Medicine
Protective effect of royal jelly on the sperm parameters and testosterone level and lipid peroxidation in adult mice treated with oxymetholone｜National Library of Medicine

ローヤルゼリーにはどのような副作用がある？

ローヤルゼリーにはあらゆる健康効果が期待できることがわかりましたが、副作用はあるのでしょうか。

ここでは、ローヤルゼリーの摂取によって起こりうる副作用について、具体的に解説します。

アレルギー反応

ローヤルゼリーには多くのアミノ酸（たんぱく質）が含まれていることから、人によってはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。

皮膚症状や喘息など発現するアレルギー反応には個人差がありますが、過去の事例には重篤なアナフィラキシーショックを起こした例もあります。

そのため、もともと喘息や食物アレルギーを持つ人は、ローヤルゼリーの摂取について注意が必要です。

出典：初回摂取時に症状が発現したローヤルゼリーアレルギーの2例｜J-STAGE

胃痛・下痢

ローヤルゼリーの摂取による副作用としては、まれに胃痛や下痢の症状を引き起こすおそれもあります。

胃痛や下痢の症状は、もともとローヤルゼリーが体質に合わない人のほか、摂取時の体調が優れない（胃腸が弱っているときなど）ことなどによって引き起こされることがあるようです。

先述したようにローヤルゼリーは非常に栄養価の高い食品であるため、場合によってはそれが刺激となり、胃痛や下痢の症状に繋がる可能性があります。

もともと胃腸が弱い人は、ローヤルゼリーの摂取量や摂取方法に注意しましょう。

出典：健康食品「ローヤルゼリー」が原因と思われる好酸球性胃腸炎の1例｜J-STAGE

ワーファリンと併用すると出血が止まらなくなる

血液凝固阻止剤であるワーファリンを服薬している人の場合、ローヤルゼリーを摂取すると、出血時に出血が止まらなくなる危険性があります。

ワーファリンとローヤルゼリーの詳しい相互作用については解明されていないものの、ローヤルゼリーにはワーファリンの働きを強める作用があると考えられています。

そのため、ワーファリンとローヤルゼリーを併用すると、出血しても血液凝固がされず、血が止まらなくなることがあるのです。

出典：
質疑応答｜公益社団法人福岡県薬剤師会
ビタミンK拮抗薬(Warfarin)とローヤルゼリーの相互作用が疑われた1例｜J-GLOBAL

ローヤルゼリーを摂るときの注意点

ここでは、前章で紹介した副作用をふまえたうえで、ローヤルゼリーを摂取するときの注意点について解説します。

出典：健康食品の正しい利用法｜厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部

喘息や食物アレルギーを持つ人は摂取を控える

ローヤルゼリーは、体質によってアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、喘息や食物アレルギーを持つ人は摂取を控える、もしくはその摂取量に注意が必要です。

実際に、過去にはローヤルゼリーの摂取により発疹や喘息などのアレルギー反応が確認されたケースが複数件報告されています。

喘息や食物アレルギーを持つ人で、ローヤルゼリーを試してみたいと考える人は、一度医師に相談することをおすすめします。

また、ローヤルゼリーを摂るときには、1日あたりの摂取量を守ることも大切です。

過剰摂取によってアレルギー反応が出るおそれもあるため、商品に記載されている目安量を守るようにするほか、同様の商品を複数種類摂取することも控えましょう。

空腹時の摂取は避ける

ローヤルゼリーは非常に栄養価が高い食品であるため、体質や摂取時の体調によっては胃痛や下痢の症状に繋がるおそれがあります。

空腹時の摂取では特にその影響が出やすいため、ローヤルゼリーは食後の摂取がおすすめです。

食後であれば胃の中に食べ物がある状態であるため、ローヤルゼリーによる胃への刺激を和らげることができるでしょう。

薬との併用に注意する

ローヤルゼリーは医薬品ではありませんが、服用している薬の種類によっては組み合わせに注意が必要です。

先述したように、ローヤルゼリーは血液凝固阻止剤であるワーファリンの働きを強める力があるため、血液の流れをよくするような薬を服用している人は、ローヤルゼリーの摂取について医師に相談するのが望ましいでしょう。

また、ローヤルゼリーには血圧を下げる効果が確認されているため、血圧を低下させる薬を服用している人や低血圧症の人も注意が必要です。

出典：
ローヤルゼリーペプチドの血圧改善作用｜山田養蜂場 健康科学研究所
Royal jelly ameliorates insulin resistance in fructose-drinking rats｜National Library of Medicine

ローヤルゼリーの危険性にまつわる噂

ローヤルゼリーはさまざまな健康効果が期待できる食品であるものの、その危険性にまつわる噂も複数存在しています。

ここでは、ローヤルゼリーにまつわる噂の真偽について、根拠をもとに解説します。

ローヤルゼリーを摂取すると癌になる？

「ローヤルゼリーを摂取すると癌になる」といわれることがありますが、この噂に関する事実は現在確認されていません。

むしろ一部研究では、ローヤルゼリーの摂取によって癌の進行に関わる血管新生を抑制する効果が確認されたという報告があり、ローヤルゼリーの摂取は癌に良い影響をもたらすのではないかと期待されています。

出典：
ローヤルゼリーの抗腫瘍効果｜一般社団法人全国ローヤルゼリー公正取引協議会
癌やリウマチ等の進行に関わる血管新生をローヤルゼリーが抑制｜株式会社山田養蜂場

ローヤルゼリーは腎臓に負担をかける？

ローヤルゼリーの危険性に関する噂のなかには、腎臓に負担をかけるというものもありますが、これについても具体的な事実は認められていません。

ローヤルゼリーはあくまでも食品であるため、一般的な摂取方法であれば、腎臓に大きな負担をかける可能性は極めて低いと考えられます。

ただし、ローヤルゼリーをはじめとする健康食品やサプリメント類は、特定の成分が濃縮されているため、摂取量によっては容易に過剰摂取となるデメリットもあります。

サプリメントの種類によっては、過剰摂取により腎臓の働きが悪くなったという事例もあるため、ローヤルゼリーもその摂取量には十分注意が必要といえるでしょう。

出典：健康食品をお使いの方へ ～過剰摂取の危険性～｜「健康食品」の安全性・有効性情報

ローヤルゼリーを摂るとめまいや頭痛を引き起こす？

ローヤルゼリーの摂取とめまい・頭痛の関連性についても、根拠のある事実は確認されていません。

過去の事例として、ローヤルゼリーの摂取により頭痛の症状がみられたという報告はあるものの、その因果関係については明らかになっていません。

一方で、ローヤルゼリーの摂取によって、めまいや頭痛の症状が改善したという体験談が数多くあるのも事実です。

その効果には個人差があると考えられるものの、ローヤルゼリーの成分がめまいや頭痛の症状を和らげるのに有効である可能性も高いと考えられています。

出典：「健康食品」の賢い選び方｜田中　平三

ローヤルゼリーは自律神経に影響を及ぼす？

「ローヤルゼリーは自律神経に影響を及ぼす」という噂については、複数の研究によってその事実が確認されています。

これは自律神経を乱すような悪い影響ではなく、自律神経を整える良い効果です。

自律神経は交感神経と副交感神経からなり、この2つのバランスが乱れると、だるさや不眠など全身的症状、動悸や息切れなどの器官的症状、イライラや不安感などの精神的症状などに繋がります。

ローヤルゼリーには、神経伝達物質であるアセチルコリンが含まれており、この働きによって自律神経の乱れを調整する効果が期待できるほか、ローヤルゼリー特有の成分であるデセン酸にも自律神経を整える働きがあると考えられております。

以上のことから、ローヤルゼリーは自律神経のバランスを調整する働きがあるため、あらゆる体の不調に良い効果をもたらすといわれています。

出典：
ローヤルゼリーの精神疾患改善作用｜山田養蜂場 健康科学研究所
ローヤルゼリー｜わかさの秘密
アテローム性動脈硬化における自律神経機能の役割とローヤルゼリーの関与【JST・京大機械翻訳】｜J-GLOBAL
自律神経失調症｜e-ヘルスネット

結局、ローヤルゼリーは体に良い？悪い？

ここまで、ローヤルゼリーに期待できる効果や危険性について解説しましたが、結局のところローヤルゼリーは体に良いのでしょうか。

結論としては、ローヤルゼリーはあらゆる健康効果が期待できるものの、体質によっては副作用のような症状が出る可能性があるため、「健康への効果には個人差がある」といえるでしょう。

ローヤルゼリーの摂取によって一定の健康効果を実感できる人もいますが、体質的に合わない人がいるのも事実です。

そのためローヤルゼリーの摂取については、自身の体質や体調、期待する効果などに合わせて考える必要があります。

ローヤルゼリーの安全性が気になる方は、ハチミツがおすすめ◎

ローヤルゼリーにはさまざまな健康効果が期待できるものの、人によっては副作用のような症状を引き起こすおそれがあることがわかりました。

健康効果は期待したいが、ローヤルゼリーの安全性には不安を感じるという人は、ハチミツの摂取がおすすめです。

ローヤルゼリーとハチミツはまったくの別物ではあるものの、ハチミツにも天然由来の成分によるさまざまな健康効果が期待できます。

また、ハチミツの原料は花の蜜であることから、ローヤルゼリーのような危険性も非常に少ないといえるでしょう。

ハチミツはローヤルゼリーよりも日常的に取り入れやすいといったメリットもあるため、より安心安全に健康への効果を期待したい人は、ハチミツの摂取も検討してみてくださいね。