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2024/3/28

結晶化したハチミツはおいしい?原因や戻す方法も解説

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
管理栄養士、製菓衛生師、パティシエ 南谷 智佳子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科卒業。大学では栄養学全般を学び、栄養士および管理栄養士免許を取得。卒業後は管理栄養士として保育園で働いた後に、パティシエの道へ。修行後、個人店やホテルにて勤務。現在は管理栄養士兼パティシエとして、蜂蜜を使ったレシピなどを発信している。

容器の中に白い粒々が生じたり、白く固まったりしたハチミツを見たことはありますか?この現象は「結晶化」と呼ばれるものですが、固まってしまったハチミツは食べられるのか心配になりますよね。

この記事では、結晶化したハチミツはおいしく食べられるのか解説します。あわせてハチミツが結晶化する原因や、結晶化したハチミツを使ったおすすめのレシピも紹介します。結晶化したハチミツが手元にある方は、この記事を参考にして一度食べてはいかがでしょうか。

結晶化したハチミツはおいしい?

ハチミツは、容器の中に白い粒々が見られたり、容器の底から白く変色し食感にざらつきが出たりすることがあります。この現象はハチミツの「結晶化」と呼ばれています。

結晶化と一言でいっても、状態はハチミツによりさまざまです。じゃりじゃりした大きな結晶の粒ができるものがあれば、細かな粒がたくさん生じて、白いクリーム状になるものもあります。

また同じ場所で採取された同じ花のハチミツでも、年により結晶の状態に違いが見られることがあります。

結晶化したハチミツは、独特のおいしさがあります。しゃりっとした食感が楽しくて、むしろ結晶化したハチミツのほうが好き、という方もいます。結晶化したハチミツを食べたことがない方は、一度試してもよいかもしれません。

なお、保存状態によっては結晶ではなく、容器にカビが発生するケースもあります。詳しくは、以下の記事で解説しています。

結晶化したハチミツはそのまま食べられる?

結晶化したハチミツは、そのまま食べても問題はありません。

ハチミツが結晶化するのは、ハチミツ本来の性質によるものです。品質が劣化したり、カビが生えたりしているわけではないので、結晶化しても味や栄養価に変化はありません。結晶化したハチミツは加熱するなど手を加える必要もなく、そのまま食べられます

結晶化したハチミツが「クリームハニー」などの名称で販売されていることもあります。市販のクリームハニーは人工的に結晶化させており、結晶の粒を感じないなめらかな口当たりが特徴です。

クリームハニーはペースト状であるため、通常のハチミツのようにたれることがありません。そのままトーストに塗ったり、ヨーグルトに掛けたりして味わいましょう。

ハチミツが結晶化する原因・原理

ハチミツが結晶化する要因は以下のとおりです。

  • 低温
  • 糖の性質
  • 振動

ハチミツが結晶化する原因について、ここから詳しく解説します。

低温

ハチミツは温度の影響により結晶化することがあります。

常温保存していたハチミツがいつの間にか白くなっていた、という経験はありませんか?ハチミツは温度が低下すると結晶化しやすくなり、13〜14℃の温度帯でもっとも結晶化が進むとされています。

そのため気温が下がる冬場は、ハチミツを室内に置いていても結晶化することがあります。また気温差が大きい環境も、ハチミツの結晶化が進む原因になるでしょう。

参考:ハチミツの科学|越後多嘉志

糖の性質

ハチミツに含まれるブドウ糖には、結晶化しやすい性質があります。

ハチミツは約80%を糖質が占めており、水分はわずか17%ほどしか含まれていません。いわば、17gの水に80gの砂糖を無理矢理溶かしているような状態です。したがってハチミツには、液体に溶けている物質が固体に戻りやすい性質があります。

ハチミツに含まれる糖質のほとんどを占めるのが、ブドウ糖と果糖です。ブドウ糖と果糖は、水への溶けやすさが異なります。20℃の水100gに加えると、果糖では400g近くが溶ける一方、ブドウ糖は90gほどしか溶けません。つまり、ブドウ糖は水に溶けにくい糖なのです。

そのためブドウ糖には固体に戻りやすい、つまり結晶化しやすい性質があります。ハチミツが結晶化するのは、ブドウ糖の性質によるものといえます。

参考:
日本食品標準成分表2020年版(八訂)|文部科学省
単糖物性データ|香川大学農学部

振動

ハチミツに振動が伝わると、結晶化しやすくなるでしょう。

ハチミツの中には、ミツバチが花から蜜を採取するときに紛れ込んだ花粉や、充填の際に空気が混入して生じた細かな気泡があります。ハチミツに振動が加わると結晶化が促進されて、花粉や気泡を中心に結晶が形成されると考えられています。

チューブタイプのハチミツの容器を振ったり、瓶入りのハチミツをスプーンでかき混ぜたりしていませんか?振動や気泡が生じて、ハチミツが結晶化しやすくなるかもしれません。ものの出入れがよくある場所にハチミツを保管していても、振動により結晶化する可能性が高くなるでしょう。

あえて、ハチミツを結晶化させたい場合は?

ハチミツを結晶化させたいときは、冷やすのがもっとも簡単です。

ハチミツを結晶化させたいと思ったら、気温が低い場所、すなわち冷蔵庫に入れておきましょう。結晶化にかかる期間は、ハチミツの種類や量によって変わりますが、1週間程度置けば白く固まってくるはずです。

ちなみに、温度が低い場所なら冷蔵庫より冷凍庫のほうが適しているように思えますね。しかしハチミツには5℃を下回ると結晶化しにくくなる性質があります。したがってハチミツを結晶化させるなら、冷蔵庫が最適です。

結晶化したハチミツの使い方・レシピ

結晶化したハチミツは、そのまま食べても独特のおいしさがあります。しかし少し手を加えると、さらに楽しみの幅が広がるでしょう。

ここからは、結晶化したハチミツを使ったおいしいレシピを紹介します。

ハニーバター

まず、バターを常温に戻してやわらかくしましょう。そこに結晶化したハチミツを加えて、よく混ぜ合わせればできあがりです。

ハチミツとバターは間違いのない組み合わせですよね。さらに結晶化したハチミツを使うと、まるでシュガートーストのようなしゃりっとした食感を楽しめるようになります。トーストに塗るのはもちろん、ホットケーキや焼き芋にのせてもおいしく食べられますよ。

さらに結晶化したハチミツを混ぜ込んだバターは、冷蔵庫に保存しても完全に固まることがありません。冷蔵庫から取り出して、すぐに使えるメリットもあります。

材料の量は、ハチミツ:バター=1:1を目安に好みで調整してください。バターを常温に戻す時間がないときは、電子レンジで20秒ほど加熱してやわらかくしてもかまいません。

ハニーヨーグルト

結晶化したハチミツは、ヨーグルトにかけてもおいしく食べられます。作り方は、無糖のプレーンヨーグルトに結晶化したハチミツを適量かけるだけ。結晶化したハチミツはヨーグルトに混ぜても溶けにくく、なめらかなヨーグルトの中に感じるざくざくした食感がクセになります。

好みで旬のフルーツやグラノーラなどを盛り付ければ、より一層おいしく食べられるでしょう。

ハチミツを結晶化させない方法

ハチミツを結晶化させたくないときは、温度変化が少なく、暖かい場所に保管しましょう。

ハチミツが結晶化する要因のうち、環境に関係するのは気温と振動です。そのため外気温の影響を受けやすい、窓の近くに置くのはやめましょう。家電製品からは微細な振動が発生しているので、電子レンジや冷蔵庫の近くも避けるべきです。

火のまわりは暖かいうえに、すぐに料理に使えるため、コンロ周辺にハチミツを置いている方がいるかもしれません。しかし、気温差が大きい環境もハチミツが固まる要因になります。コンロの近くにハチミツを置くのもやめておきましょう。

ハチミツの保管に理想的な場所は、直射日光が当たらない、天井に近い棚の中です。暖かい空気は上へ向いやすいことから、天井に近いほど気温は下がりにくくなります。家電から離れた場所であれば、振動の影響も心配ないでしょう。

またハチミツに振動を与えないために、容器を移し変えたり、スプーンでハチミツをかき混ぜたりすることもできるだけ避けてくださいね。

結晶化しにくいハチミツの種類はある?

ブドウ糖が少ないハチミツ、水あめや糖類が加えられたハチミツは結晶化しにくい傾向があります。

結晶化の要因の1つは、ハチミツに含まれるブドウ糖です。そのためブドウ糖が少なく、果糖の割合が多いアカシアハチミツは結晶化しにくいとされています。

また、市販のハチミツには水あめや糖類が加えられているものがあります。混ぜものが入っているハチミツは、ブドウ糖の割合が少なくなることから結晶化しにくくなるでしょう。しかし同時にハチミツ本来の風味が薄まり、栄養価が低くなるデメリットもあります。

参考:よくある質問|全国はちみつ公正取引協議会

結晶化したハチミツを戻す方法

ハチミツは自然が育んだ天然の食品です。そのため、どんなに注意しても結晶化することがあります。しかし結晶化したハチミツを、もとの状態に戻す方法もありますよ。

ここからは、結晶化したハチミツをもとの状態に復活させる方法を紹介します。

湯煎する

  1. 鍋の底に小皿や布巾を敷いて、ふたを外したハチミツの容器をのせる。
  2. ハチミツの容器が浸る程度の水を入れて、弱火で加熱する。
  3. 湯の温度が60℃以上にならないように注意しながら、ハチミツを温める。

気温が低くなると結晶化するため、反対に温めると結晶が溶けてもとの状態に戻ります。ただし、湯の温度が60℃以上になると、ハチミツの風味が失われて栄養素が壊れるおそれがあります。コンロの火を消したり、弱火で温めたりして調整しましょう。

容器の中のハチミツをときどき菜箸で混ぜたり、容器を揺すったりすれば、結晶が溶けやすくなります。結晶の粒が残っていると再び結晶化しやすいため、よく溶かすようにしてくださいね。

結晶化している量にもよりますが、30分〜1時間程度で溶け切るはずですよ。

電子レンジで加熱する

  1. ハチミツを耐熱容器に移す。
  2. 600wの電子レンジで5〜10秒加熱したら、菜箸やスプーンで混ぜる。結晶が溶けるまで繰り返す。

結晶を湯煎で溶かす方法は、コンロの前に長時間付きっきりになり、温度を調整する必要があります。時間がないとき、使う分だけ結晶を溶かしたいときは電子レンジを利用しましょう。

しかし電子レンジは温度調整がむずかしく、加熱し過ぎるおそれがあります。加熱時間に注意して、様子をよく見ながら試してくださいね。

ヨーグルトメーカーで温める

  1. ハチミツの容器のふたを緩めて、ヨーグルトメーカーにセットする。
  2. 温度を45℃に設定し、一晩温める。

温度を長時間一定に保てるヨーグルトメーカーでも、ハチミツの結晶化は解消できます。温度と時間を設定すれば、放置してかまいません。ただし、ハチミツの容器が耐熱性のものであることを確認してから試してくださいね。

参考:結晶化したハチミツが元に戻らないこともある?

基本的に、結晶化したハチミツは温めるともとに戻ります。

とはいえ、容器全体ががちがちに固まってしまった場合は、結晶を溶かすのにかなりの時間が必要です。あまり結晶化させたくない場合は、結晶化しにくい場所に保管する、結晶化する前に食べ切れるようにハチミツを少量ずつ購入するなど工夫しましょう。

結晶化しやすい本物の生ハチミツは「みつばちのーと」◎

白く固まり結晶化したハチミツは特有の食感があり、おいしく食べられます。ハチミツが結晶化するのは、気温や振動といった環境要因や、ブドウ糖の性質によるものです。ブドウ糖が少ないハチミツ、水あめや糖類が添加されているハチミツは結晶化しにくい傾向があります。

反対に、混ぜものが加えられていない純粋生ハチミツは結晶化しやすいといえるでしょう。混ぜもののない純粋生ハチミツには、天然の風味と成分がそのまま含まれています。結晶化しやすいことが自然の恵みの証といえるでしょう。

みつばちのーとでは、静岡県伊豆半島で採集された純粋生ハチミツを取り扱っています。みつばちのーとのハチミツには、自然のおいしさが詰まっています。ハチミツ本来の豊かな味わいを楽しみたい方は、みつばちのーとのハチミツを試してくださいね。

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