2024/4/17
9周年を迎えて改めて感じたこと
こんばんは。
みつばちのーと代表の田中章雄です。
先日、息子が絵を描いてくれました。
やっぱり我が家の女王蜂、ままミツバチが一番大きかったです。
3月で私どもは9周年を迎えました。
たくさんの方から「おめでとう!」とお声がけ頂き、そして9周年感謝祭ではたくさんの方にご購入頂きまして本当にありがとうございます。
つい最近独立して始めたような感覚ですが、気がつくと独立して丸9年経ちました。
9年間は大変なことだらけでしたが、あっという間です。
私の感覚というか気持ちとしては、
「9周年迎えられて嬉し〜!!やったー!!」
という気持ちよりは、
「なんとか9周年も迎えることができたな・・・良かった・・・」
というような、安堵というか、なんとか生き延びたなといった感覚のほうが強いです。
■奇跡だよね。
というのも、みつばちのーとがこれまで続けて来れたのは
”運が良かった”と思うような、奇跡的な事の連続だったからです。
先日ブログにも書かせて頂いたのですが、妻と仕事について話す機会がありまして、
「もう9年経つんだね。今まで続いてきたのって本当に奇跡だよね。」
と妻から言われて、『本当に奇跡だよな〜』としみじみ思いました。
以前私は、横浜でサラリーマンをしてまして、将来独立しようとも考えておらず、少ない貯金で中古のマンションを購入し、妻と小さい子供二人4人で普通に過ごしていました。
仕事内容も今と全く異なる不動産の営業マン。
ハチミツの事も、養蜂の事も、経営の事も全く知らない一般男性です。
まさか、まさか、私自身が養蜂家、ましては農業生産者になるだなんて、全くも考えたこともありませんでした。
そんな人生を送っていた中でたまたま偶然に師匠と出会い、
師匠の採った”天然ハチミツ”を初めて食べた時にものすごい衝撃を受け、それがきっかけで今養蜂家をしています。
人生何が起こるかわからないものです。
■今まで食べてきたハチミツって・・・
師匠のハチミツを初めて食べた時の私は、
「今まで食べてきたハチミツってなんだったんだろう。
えぐみもなく、花の香りが口の中に広がる。
そして花によってこんなにも味わいが違うのか!!」
と、ものすごい衝撃を受けました。
そんなキッカケが私をどんどんハチミツとミツバチの魅力に取り憑かれていき、
しばらくして、師匠のいる広島に家族4人で移住して養蜂家として修行をさせて頂きました。
初めて採蜜を見学させてもらった時の写真。とても心ときめいた事を覚えてます。
横浜から引越ししたことがなかった妻は、まだ2歳と1歳の小さい子供を抱えて新しい土地で知り合いもいない中過ごすのは本当に大変だったと思います。
ハチミツについてそんなに知識がなかった私は養蜂の修行をしていくうちに、ハチミツの知識も勉強し、どんどんミツバチの世界に魅了されていきました。
そして2015年3月にみかんのハチミツが採れる場所で養蜂がしたく、伊豆半島の伊東に移住して『みつばちのーと』として独立しました。
妻と二人で、私はミツバチの管理や販売を担当し、妻がハチミツの充填などを担当して、本当に小さい小さい養蜂場として始まりました。
■自転車操業の日々・・・
販売に行ってらっしゃいとお見送りしてくれた子供達。この姿をみて『今日も頑張らなくちゃ!』と心を奮い立たせていました。この当時はアパートの一室が事務所でした。
今まで経営に携わったことのない素人が始めた事業。
中古マンションを購入するのに貯金を使い果たしてしまった私は、独立するのに全く事業資金がなく、本当に、本当に苦労しました。
その頃には9年後のことどころか、
『今日明日どうやって生活しよう』という状態の、本当にギリギリの生活の日々。
ハチミツを瓶詰めしたくても瓶を買うお金がない。
700円の販売備品一つ買うのに、本当に買っていいのか、買わないべきなのかすごく悩む。
300円の有料道路に乗るのにも躊躇する。
そんなレベルだから、東京のマルシェに販売に行って、その日の売り上げで瓶を最小単位で発注して、
後何日後に届くからその瓶にハチミツを詰めて、次のイベントでうるハチミツがなんとか確保できるな・・・
みたいな資金繰りを頭の中でグルグル、夜家に帰ったらエクセルと睨めっこする毎日。
本当に毎日が瀬戸際で、自分の能力の無さに嫌気がさす毎日でした。
今も資金的にゆとりがあるわけではありませんが、独立した当初というのは本当にお金がなくって、今その当時を思い出すだけで体調が悪くなりそうです。
でも間違えなくその苦労があったからこそ、
今活動させてもらえていることが当たり前ではない、お客様が支えてくださって私たちは養蜂活動やハチミツのご提供ができるんだと、心の底から思えるのだと思ってます。
独立当初からいまだにお付き合い頂いているお客様がいらっしゃいますが、本当に神様にしか見えません。
■売るためのハチミツがない!?
1年目のイベントに出た時の様子。売り方もわからなかったし、ハチミツも全然なかった。
独立した頃は今もよりもさらにハチミツの収穫量が少なく、今みたいに日本各地のハチミツをお取り扱いさせて頂くご縁もまだなかったので、売れるハチミツが”花々の雫”と”清夏の薫り”しかなくなってしまいました。
当時はイベント出店でなんとか売上を作っていたので、数種類のハチミツを試食してもらってハチミツを選んで頂いていたのですが、
2種類しかないとなかなかお客様も物足りなそうというか、判断しずらいのか、なかなか購入してもらえなくなりました。
どうしようかな・・・
と頭を悩ませていたところ、よく一緒にイベント出店していたスパイス屋さんから、
「これハチミツと一緒に食べてみなよ!!きっと合うから♪」
と言われたのがドライイチジクでした。
早速ちょっとだけ購入させてもらって家で試したら美味しい!!
保健所などに急いで調べて商品化しても問題ないとわかり、急いでシールを作って、母と妹にイチジクのカットを頼み、ハチミツに漬け込みました。
またそのお店ではローナッツも取り扱っていたので、ナッツ漬けも急いでハチミツに漬け込み2商品追加。
こんなピンチから生まれたのが”いちじく漬け”と”ナッツ漬け”です。
そしてそのご縁からさらに”カカオニブハニー”が生まれて、”ローズハニー”が生まれて。
今となっては私どもの中核を担う商品となりました。
気がつけばハチミツの種類もたくさん増えました。
『ピンチはチャンス!』と言いますが、
独立してから本当にこの言葉はすごいなと思う日々。
人間は追い込まれると、アイディアが生まれて行動に移せるんだなと実体験を持って理解することができました。
しかもそのアイディアって日頃からものすごく身近にあるのに気づいていない。
気づいた時にはなんでこんなことに今まで気づかなかったんだろう?と不思議になることばかり。
今でもきっと何かを見逃してしまっているんだろうなとなるべくアンテナ感度を高めようと意識しているつもりなんですがなかなか難しいですね。
お客様だけでなく、お取引先様にも恵まれている、運のいい私たちです。
■”みつばちのーと”に込めた想い
洗濯された防護服に入り込む小さい頃の娘。家族の存在が活力の源です。
独立した後の苦労は語っても語り尽くせないぐらいあるのですが、
独立する前に一番悩んだことは”名前”です。
「ネーミングセンスなんてそんなのないよ〜」
と思いながら、なかなか屋号が決まらない私。
でもどうせなら〇〇養蜂場といった感じではなく、何かメッセージ性のある名前にしたかった。(結果としてメッセージ性があるかは置いといて下さい。)
名前を決めるときにまず考えたのが、養蜂家として、ハチミツ屋さんとしてどんな価値を提供したいのかな?という事でした。
私の中でインパクトの大きかった、初めて食べた師匠のハチミツ。
今まで食べたハチミツとは全く違う美味しさ。自然の中からミツバチが集めてきた天然の蜜の味わいや香り。えぐみがなくって、ただ甘いだけじゃない。
(ここだけの話、自分たちで採ったハチミツが一番美味しいと思ってます。完全に感情論で客観性は欠けると思いますが)
修行してわかったハチミツを採ることの大変さ。
天候次第でハチミツは全く採れなかったりするし、(雨が続くと全く採蜜できない。本当に悲しい。)
採蜜時期だけ頑張ればハチミツが採れるわけでなく、むしろ1年間頑張って蜂の管理をしてきたことによってようやく採蜜できる(かもしれない)。
そんな魅力的で貴重なハチミツを、ただ甘い液体として提供するのではなく、
お客様にとって何らかの価値を感じてもらえるようなハチミツになれたら嬉しいなと思いました。
完全に自己満足の考え方かもしれないですが。
その時おぼろげに思ったのが、
『食べてくれた方が思い出とか心のどこかに引っかかるようはハチミツになれたらいいな。』
という漠然な思い。
伊豆に旅行に来た時に、私たちのハチミツをお土産に買って帰ってくれて、数日後家族でハチミツを食べた時に
「伊豆旅行楽しかったよね〜」
なんてハチミツをきっかけに家族で笑顔で思い出話が盛り上がったら嬉しいなとか、
今日なんか元気出ないな。
やる気スイッチ入れるためにどうしようかな。
ミルクティーにハチミツ入れて飲んでやる気だそう!!
みたいに日々のちっちゃな、ちっちゃなことかもしれないですが、役に立てるようなハチミツが提供できたらいいなって思いました。
Noteという単語の意味には
記録、メモ、原稿、手紙、通達、注釈、響き、話し方、態度、気づく、注目する
という意味があるそうです。
また香水でも〇〇ノートとか言うよなと思って、香りにも使えるのかな〜なんて思いました。
私は英語が苦手で全く知識がないのでNoteの使い方が合っているかどうかは今だにわかりませんが、当て字みたいな感じで、
- ハチミツってミツバチが自然の中から集めてきた記録みたいなものだよな。あるいは花によって違うってことは、ハチミツって花からのお手紙みたいなもんじゃないの?(かなり都合の良い解釈)
- ハチミツを通じて、自分や家族への手紙的な感じで、旅行の思い出とかあの時どうだったとかメモ=日記的な感じで生活の一部になれたら嬉しいよね
- ハチミツって花によっても香り違うし、香水みたいに〇〇ノートって言っても良さそうだよね。
- ミツバチからの手紙、自分へのメッセージ、家族との思い出。なんか感覚的だけどお客様に提供したい価値観となんか合いそうだよね。
と言った感じで『みつばちのーと』と言う名前で活動をすることに決めました。
今ではスタッフに
『ハチミツや自然を通じて”豊かさ”を提供していきましょう!』
と伝えているのですが、まだまだ言語化ができてないなと思っているところです。
すごい大それたことを言っているな〜とも思いますし、
ハチミツを通じて”豊かさ”を提供するってどうやるんだろう??
と今でも悩みに悩みまくっていますが、
少しでも私たちのハチミツがあなた様の生活の中でお役に立てれば嬉しいです。
■9周年迎えて改めて感じた”感謝”の気持ち
このブログを書きながら改めて思いました。
こんな凡人の私が始めた”みつばちのーと”が9周年を迎えることができたというのは本当に奇跡的だ。
今までいろんな問題があった中で乗り越えて来れたのは、いつも
私どものハチミツをご利用いただいているお客様に支えていただけているおかげ。
本当にそこに尽きるなと改めて思います。
本当にありがとうございます。
私たちは運に恵まれているなと思います。
妻と2人で始めた”みつばちのーと”ですが、今でもまだまだ小さい養蜂場で、日々いろんな問題に直面し、試行錯誤する日々であることは変わりません。
気がつけば従業員は18名まで増え、ハチミツの生産量もちょっとずつ増え、オンラインショップをご利用頂けるお客様も増えてきました。
イベント出店でもお声がけ頂けるお客様が増えてきたのは、本当に喜ばしい限りです。
私が好きで始めた養蜂を9年間続けて来れたのは、本当に幸せなことだなと思います。
紛れも無く『みつばちのーと』を支えて頂いたお客様、
そしてスタッフのみんな、
お取引先様のお陰だと感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にいつも私どものハチミツなどをお選び頂き本当にありがとうございます。
この感謝の気持ちを少しでも還元させて頂きたいと思い、9周年感謝祭を準備させて頂きました。
その9周年感謝祭も間も無く終了となります。
私が師匠のハチミツを初めて食べた時の「本物のハチミツの美味しさ」を感じて頂けたら嬉しいと思い、
ハチミツ3本セットを”送料無料”にてお届けさせて頂き、さらにサイズによって特別価格にてご提供させて頂いております。
個人的にはまずは天然ハチミツの味わいを楽しんで頂きたいので3本セットをお楽しみ頂けたら嬉しいのですが、そのほかにも様々な特典を準備させて頂きました。
いつも『みつばちのーと』を支えて頂きまして本当にありがとうございます。
4月22日(月)までの9周年感謝祭の特別価格を是非ご利用ください。
長文御覧いただきまして誠にありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
みつばちのーと 代表 田中章雄
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