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2023/4/28

ハチミツを食べてはいけない人まとめ。子どもや糖尿病の人が食べる危険性

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
管理栄養士、製菓衛生師、パティシエ 南谷 智佳子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科卒業。大学では栄養学全般を学び、栄養士および管理栄養士免許を取得。卒業後は管理栄養士として保育園で働いた後に、パティシエの道へ。修行後、個人店やホテルにて勤務。現在は管理栄養士兼パティシエとして、蜂蜜を使ったレシピなどを発信している。

ハチミツは健康に良い食材として有名ですが、なかにはハチミツを食べてはいけない人もいます。この記事では、ハチミツを食べてはいけない人とその理由について詳しく解説します。

ハチミツを食べてはいけない人一覧

まず、どのような人がハチミツを食べてはいけないのか、確認していきましょう。

一般的にハチミツを食べてはいけない、もしくは控えたほうがよいといわれる人は、下記の通りです。

  • 1歳未満の子ども
  • 糖尿病の人
  • 肝臓疾患がある人
  • ハチのアレルギーがある人
  • 花粉症の人

ここからは、なぜハチミツを食べてはいけないのか、それぞれの理由について具体的に解説していきます。食べてしまったらどうなるのか、食べられる方法はあるのかどうかについても解説するので、参考にしてください。

1歳未満の子どもはハチミツを食べてはいけない

1歳未満の子どもはハチミツを食べてはいけない、という話は聞いたことがある人も多いでしょう。結論から言うと、1歳未満の子どもには絶対にハチミツを与えてはいけません。

なぜ1歳未満の子どもはNG?

ハチミツには「ボツリヌス菌」という細菌が混在していることがあり、1歳未満の子どもでは、このボツリヌス菌による食中毒から「乳児ボツリヌス症」にかかる可能性があるためです。

ボツリヌス菌は土壌中に広く存在する細菌で、通常の加熱では死滅しないのが特徴です。一般的にハチミツは加熱処理を行わないため、製品中にボツリヌス菌が入っている可能性があります。

大人の腸内では、ほかの腸内細菌のはたらきによってボツリヌス菌を死滅させることができるため、ハチミツを食べても問題ありませんが、1歳未満の子どもは腸内環境が未熟なため、ボツリヌス菌による食中毒を引き起こす恐れがあるのです。

もしハチミツを食べてしまったらどうなる?

1歳未満の子どもがハチミツを食べてしまった場合、便秘やほ乳力の低下、首のすわりが悪くなるなどの症状を引き起こすことがあると報告されています。また、元気がなくなる、泣き声が変わるなどの症状が見られる場合もあるようです。

これらの症状が表れた場合も、ほとんどは適切な治療によって治癒することが多いですが、場合によっては死にいたる可能性もあるため、1歳未満のハチミツの摂取には十分注意が必要です。

実際に2017年には、生後6カ月の赤ちゃんがハチミツの摂取による乳児ボツリヌス症で亡くなっています。日本での乳児ボツリヌス症の発症例はそれほど多くないものの、アメリカでは毎年100例以上の報告があるともいわれているため、1歳未満の子どものハチミツ摂取によるリスクは十分に理解しておきましょう。

1歳未満でもハチミツを食べられる方法はある?

結論から言うと、1歳未満がハチミツを食べられる方法はありません

ハチミツそのものだけでなく、ハチミツが入った食品、飲料も避ける必要があります。

特にカステラなどのお菓子には原材料としてハチミツが含まれていることも多いため、十分注意が必要です。

ハチミツやハチミツを含む食品には「1歳未満の乳児には与えないで下さい。」という注意書きをすることが推奨されているため、1歳未満の赤ちゃんに食品や飲料を与える際には、注意書きもしっかり確認するようにしましょう。

ハチミツは健康的なイメージが強いですが、1歳未満の子どもにあえて与える必要はありません。

なお、1歳以上であれば、ハチミツのボツリヌス菌による食中毒のリスクは低くなるので、ハチミツは1歳を過ぎてから与えるようにしましょう。

(参考:ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。|厚生労働省)

糖尿病の人はハチミツを食べてはいけない

次に、糖尿病の人のハチミツ摂取についてです。

糖尿病とは、主に高血糖状態が続くことによって発症する病気です。そのため、血糖値を上げやすい食品や血糖値の急上昇につながるような食事の摂り方には注意が必要となります。

なぜ糖尿病の人はNG?

ハチミツの主成分である「果糖」は血糖値を上げやすい単糖類であるため、ハチミツの摂取量によっては血糖値を急激に上昇させてしまう恐れがあります。

厳密に言うと、果糖そのものが直接血糖値を上げることはありませんが、果糖は体内で吸収されたあとブドウ糖に変換されるため、結果として血糖値を上げてしまうのです。

糖尿病の人は糖質の量を調整しながら血糖コントロールをする必要があるため、基本的にハチミツの摂取は控えることが望ましいでしょう。

糖尿病の人がハチミツを食べるとどうなる?

糖尿病の人がハチミツを食べた場合、血糖値の上昇から糖尿病の症状を悪化させてしまう可能性があります。

ハチミツを一口食べただけで急激に症状が悪化するということは考えにくいですが、定期的な摂取や適量以上の摂取を続けると、血糖値が上昇し、病状の悪化や糖尿病合併症につながる恐れがあるのです。

糖尿病でもハチミツを食べられる方法はある?

糖尿病治療で大切なのは血糖値をコントロールすることであるため、基本的に食べてはいけないものはありません。

そのため、糖尿病の人でも量や頻度に気を付けることで、ハチミツを食べることは可能です。

健康な人のハチミツの適量は1日あたり大さじ1〜2杯程度となりますが、糖尿病や糖尿病予備軍といわれる人は、1日あたり小さじ1杯程度に抑えるようにするとよいでしょう。

ハチミツ小さじ1杯あたりの糖質量は約4gとなるため、この量のハチミツの摂取で血糖値に大きな影響を与えるリスクは少ないと考えられます。

さらに、ハチミツを摂取する際はそのまま食べるのではなく、砂糖の代わりとして料理に使用すると、より血糖値の上昇にはつながりにくくなるでしょう。

ただし、すでに合併症を発症しているなど糖尿病が重症化している人は、ハチミツの摂取について個人で判断せず、主治医の指示を仰ぐようにしてください。

ハチミツを食べてはいけない病気は?

糖尿病以外でハチミツの摂取を控えたほうがよい病気としては、肝臓疾患が挙げられます。

糖尿病同様、絶対に食べてはいけないわけではありませんが、ハチミツの過剰摂取は肝臓に負担をかける可能性が高いです。

また、ハチミツの摂りすぎは中性脂肪を増やす原因にもなるため、脂肪肝になるリスクも高まります。

そのため、肝臓疾患がある人はハチミツの摂取量や頻度について注意する必要があると言えるでしょう。

(出典:
e-ヘルスネット「果物」|厚生労働省
はちみつは血糖値に影響するの?〜糖尿病に良いのか検証しました〜|H2株式会社)

その他のハチミツを食べてはいけない人とその理由

1歳未満の赤ちゃんや糖尿病の人はハチミツを食べてはいけないと解説しましたが、それ以外にもハチミツの摂取に気を付けたほうがよい人がいます。

いずれも絶対に食べてはいけないというわけではありませんが、アレルギー症状を引き起こす可能性があるため、そのリスクについては理解しておくとよいでしょう。

ハチのアレルギーがある人

「ハチ毒アレルギー」というものを知っているでしょうか。

ハチ毒アレルギーとは、ハチに刺されることによって発症するアレルギー反応のことで、場合によってはアナフィラキシーショックを起こし、死に至る危険性もあるアレルギーです。

ハチミツそのものの栄養成分によってハチ毒アレルギーが発症することはありませんが、万が一ハチミツ内に微量のハチ毒が含まれていた場合、ハチミツの摂取によってこのハチ毒アレルギーを発症する可能性があります

そのため、ハチ毒アレルギーを持っている人は、ハチミツの摂取について十分注意したほうがよいでしょう。

花粉症の人

ハチミツは、ミツバチが集めた花の蜜が原材料です。そのため、ハチミツには微量の花粉が混入することも。

花粉症の症状がひどい人のなかには、ハチミツに微量に混入した花粉によって、アレルギー症状を引き起こすことがあるようです。

発症例としては稀なようですが、ハチミツを食べると花粉症のような症状が出る人は、ハチミツの摂取を控えたほうがよいと言えそうです。

※一般的な食物アレルギーは、食物中に含まれるたんぱく質が主な原因となりますが、ハチミツにはたんぱく質がほとんど含まれていません。そのため、ハチミツそのものの栄養成分によって発症する「ハチミツアレルギー」というものは理論上存在しないと考えられています。

(出典:
蜂毒アレルギー|アナフィラキシーってなあに.jp
はちみつアレルギー?|おやなぎアレルギークリニック)

健康な大人でも注意!ハチミツの危険な食べ方

ここまでハチミツを食べてはいけない人について解説しましたが、健康な大人の人でもハチミツの取り入れ方には注意が必要です。

ここまで述べてきた通り、ハチミツは糖質を多く含む食材です。

そのため、毎日のハチミツの食べ過ぎは体重増加による肥満をはじめ、血糖値や中性脂肪、悪玉コレステロール値などを上げて、生活習慣病につながるリスクがあるのです。

また、ハチミツの過剰摂取は腹痛や下痢を引き起こす恐れもあるため、健康な大人でもハチミツは適量摂取を心がけることが大切です。

一般的に、ハチミツの1日あたりの適量は大さじ1〜2杯程度となるため、この量を守ってハチミツを取り入れるようにしましょう。

本来、ハチミツは栄養効果の高い食材!

この記事ではハチミツを食べてはいけない人について解説しましたが、本来ハチミツは栄養効果の高い食材です。

そのため、1歳以上の健康な人であれば、ハチミツの適量摂取により下記のような健康効果が期待できます。

  • 疲労回復効果
  • 咳や喉の痛みを和らげる
  • 腸内環境の改善
  • 美肌効果
  • 免疫力アップ
  • 生活習慣病の予防

ハチミツの食べ過ぎは、血糖値や中性脂肪、コレステロール値などを上げるリスクがあると先述しましたが、毎日適量を摂取した場合、反対にこれらの数値改善につながったという研究報告もあります。

つまり、食べ過ぎにならなければ、ハチミツは健康への効果が大いに期待できる食材なのです。

ハチミツにはさまざまな種類がありますが、ハチミツ本来の健康効果を期待するのであれば、天然成分100%の純粋ハチミツを選択しましょう。

市販のハチミツには、水あめや砂糖などが添加された「加糖ハチミツ」も多く並んでいるため、購入時は原材料表示の確認が大切です。

水あめや砂糖などが添加されていない天然の純粋ハチミツには、ハチミツ本来の健康効果・効能が、より期待できますよ。

さらにハチミツの効果を最大限生かしたい場合には、国産天然ハチミツがおすすめ

国産の天然ハチミツは、外国産のハチミツより体内で吸収されやすく、よりハチミツの効果・効能を期待することができます。

また、国産天然ハチミツは高熱処理をしていないため、ハチミツ本来の栄養素の損失も少なく、ハチミツの香りや豊かな風味も存分に楽しめます。

ハチミツは適切な摂取方法であれば、健康に良い効果が期待できる食材です。

今回の記事を参考にしながら、健康な人はぜひ美味しいハチミツを生活に取り入れてみてくださいね。

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