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2023/5/30

ハチミツは賞味期限切れでも食べられる?保存期間の目安や保存方法を紹介

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
養蜂家 田中 章雄
宇都宮大学農学部農業環境工学科卒業。農業ベンチャー企業で勤務する中で養蜂と出会い、広島に移住して養蜂の修行を積む。2015年3月に静岡県伊東市で養蜂家として独立。日々養蜂家として勉強の日々を過ごしている。

長期保存できるイメージを持たれることの多いハチミツ。

今回は、賞味期限切れのハチミツは食べてもよいのか、食べる時はどのように使用すべきか詳しく解説します。

ハチミツの適切な保存方法についても紹介するので、参考にしてみてくださいね。

そもそもハチミツに賞味期限はある?

ハチミツには賞味期限の表示が義務付けられているため、どの商品にも賞味期限が記載されています。

そもそも、食品に表示されている期限には「賞味期限」と「消費期限」の2種類がありますが、その違いは何か知っていますか。

<賞味期限とは>

  • 未開封かつ適切な保存方法で保管した場合に「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。
  • 製造されてからおよそ6日以上の期限がある傷みにくい食品に記載されており、この期限を過ぎたからといってすぐに食べられなくなるわけではない。

<消費期限とは>

  • 未開封かつ適切な保存方法で保管していた場合に「安全に食べることのできる期限」のこと。
  • お弁当やサンドイッチ、ケーキなどおよそ5日以内に傷んでしまうような食品に記載されている。
  • 賞味期限とは異なり、この期限を過ぎた場合は食べないほうがよいとされている。

ハチミツは長期保存が可能な食品のため、前者の「賞味期限」が記載されています。

ハチミツはその保存性の高さから「食品のなかで唯一腐らない」とも言われていますが、日本では賞味期限(または消費期限)の表示が義務付けられているため「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」として、賞味期限が設定されています。

ハチミツの種類によっても異なりますが、純粋ハチミツの多くは製造日から2〜3年後の賞味期限が設定されていることが多いようです。

賞味期限切れのハチミツは食べても大丈夫?

では、賞味期限が切れたハチミツは食べても大丈夫なのでしょうか。

前章で解説したように、ハチミツに設定されているのは「賞味期限」のため、その期限を1日過ぎたからといって、そのハチミツがすぐに食べられなくなるわけではありません。

ハチミツはもともと水分量が少なく糖度の高い食品であるほか、抗菌作用もあるため、長期保存ができる食品です。

しかし、賞味期限を過ぎたハチミツは徐々に色が黒っぽく褐色化するほか、風味も落ちやすくなります

そのため、ハチミツ本来の色・風味・味わいを楽しむためにも、ハチミツは表示されている賞味期限内に食べることが望ましいでしょう。

ハチミツの保存期間の目安は?

ここでは、ハチミツのおおまかな保存期間について解説します。

基本的には賞味期限内にすべて食べきるのが理想ですが、どうしても賞味期限が過ぎてしまったときに、ハチミツはどのくらいまで食べることができるのか参考にしてください。

保存期間判断の目安
賞味期限から1カ月未開封で適切に保存されていたものであれば、基本的に賞味期限を1カ月過ぎても問題なく食べられると考えられる
賞味期限から半年未開封で適切に保存されていたものであれば、多少の風味の劣化はあるものの、問題なく食べられると考えられる
賞味期限から1年風味の劣化や色調の変化が見られるものの、未開封であれば食べられる可能性は高いものと考えられる
賞味期限から5年未開封であれば健康を害する可能性は低いと考えられるものの、色調の変化や風味の劣化が大きく、ハチミツ本来の美味しさは損なわれている可能性が高いと考えられる

繰り返しになりますが、ハチミツは基本的には腐らない食材であるため、賞味期限を過ぎても食べられる可能性が高いです。

ただし、これは未開封かつ適切な保存方法で保管されていた場合のみで、開封済みのものや高温になるような場所で保管されていたものは例外です。

また、上記の期間はあくまでも目安の一部となるため、賞味期限切れのハチミツを食べる際には、必ずハチミツの状態を確認しましょう

カビが生えていたり、鼻を刺すような酸っぱい臭いがするような場合は腐っている可能性が非常に高いため、食べずに処分してください。

ハチミツの種類で違う?賞味期限の違い

ハチミツの保管状況や種類、原産国などの違いによっても、食べられる期間は異なります。

ここではハチミツの種類別の賞味期限について解説します。

未開封・開封後

ハチミツは未開封であれば長期間の保存が可能であると説明しましたが、開封後はその通りではありません。

一度開封したハチミツは、水分やほこり、雑菌などが混入している可能性も高いため、基本的には賞味期限に関わらず、できるだけ速やかに食べきるのがベストです。

自己責任において、賞味期限切れの開封済みハチミツを食べる場合には、カビが生えていないか、酸味のある臭いがしないか、十分に確認しましょう。

未開封のものであれば、半年程度賞味期限が過ぎても問題なく食べられると考えられます。

天然ハチミツ・加糖ハチミツ

市販されているハチミツは、おもに2つの種類に分類できます。

純粋ハチミツ

天然成分100%で、水あめや人工甘味料などが添加されていないもの。

加糖ハチミツ

純粋ハチミツに水あめや果糖、砂糖などを添加したもの。純粋ハチミツよりも安価。

余計なものが入っていない天然の純粋ハチミツであれば、基本的に腐ることはないため、賞味期限を過ぎても半年程度はそのまま美味しく食べられる可能性が高いでしょう

一方で、水あめや砂糖などが添加された加糖ハチミツは、純粋ハチミツと違って賞味期限を過ぎての保存は腐る可能性が高くなります。

実際に、加糖ハチミツの賞味期限はもともと半年~1年程度で設定されていることが多く、そのことからも加糖ハチミツは純粋ハチミツより腐りやすいということがわかるでしょう。

国産ハチミツ・海外ハチミツ

ハチミツの種類としては、原産国による違いもあります。

日本で販売されているハチミツには、国産のハチミツだけでなく、中国産やニュージーランド産、カナダ産など、さまざまな原産国のものがあります。

賞味期限はいずれも製造日から2~3年程度で設定されているものが多く、本物の純粋ハチミツであれば、原産国に関わらず賞味期限を多少過ぎても食べられる可能性が高いと考えられます。

ただし、極端に安い価格で販売されているような海外ハチミツは「純粋ハチミツ」と称されていても、実は水あめや甘味料などの混ぜ物が含まれている可能性もあるため、その点には十分注意が必要です。

国産ハチミツも同様ですが、賞味期限を過ぎた海外ハチミツを食べる場合には、色や臭いなどを十分確認してから食べるようにしましょう。

開封後のハチミツの保存方法は?

開封後のハチミツをできるだけ長く保存するためには、下記ポイントに注意しましょう。

  • 高温多湿を避ける
  • 使用する際は清潔なスプーンを使用する
  • 密閉できる容器で保存する

ハチミツはもともと水分量の少ない食品ですが、湿度の高い場所ではカビが発生しやすくなる可能性があります

また、ガス台の近くや電化製品のすぐそば、直射日光の当たる場所などでは、高温からハチミツの変質が促進されやすくなるため、これらの場所も避けることが大切です。

できるだけ風通しの良い場所、かつ直射日光の当たらない常温での保存が理想的ですよ。

一般的に開封済みの調味料などは冷蔵庫で保管するものも多いですが、ハチミツの冷蔵庫保存はNGです。

これは、ハチミツの温度変化によって白い結晶が発生しやすくなるためです。

さらに、ハチミツが腐ったり、カビが生えたりするのは、ハチミツ容器に雑菌や水分が混入することが原因であることがほとんど。

そのため、ハチミツを使用する際は常に清潔なスプーンを使用することが大切です。

一度口に付けたスプーンや他の食品に触れたスプーンをハチミツの容器に入れてしまうと、そこからカビが生えたり、腐ったりする可能性が非常に高くなるため要注意です。

ハチミツを使用する際はフタを長時間開けたままにしない、容器を清潔に保つようにする、といった点に注意するほか、しっかり密閉できる容器で保管することも大切となりますよ。

未開封の場合は?

未開封のハチミツも、開封後のハチミツ同様、常温の高温多湿を避けた冷暗所での保管が基本となります。

未開封であっても、直射日光が当たるような場所ではハチミツの変質が進みやすくなるため、その点特に注意が必要です。

保存して固まるのは問題ない?

ハチミツは、温度変化によって白く結晶化することがありますが、結晶化して固まったハチミツは基本的に品質に問題なく食べることができます。

保存していたハチミツが固まってしまっていた場合は、60℃程度のぬるま湯で湯煎しながらゆっくり溶かせば、元通りのハチミツとして食べられますよ。

ただし、一度結晶化したハチミツは再度結晶化しやすいと言われるため、賞味期限に関わらずできるだけ早く食べきるようにするとよいでしょう。

賞味期限が切れたハチミツの使い道は?

ここまでハチミツの保存期間や適切な保存方法について説明しましたが、保管していたハチミツの賞味期限が切れてしまっていた場合、どのような使い道があるのでしょうか。

ここでは賞味期限切れのハチミツの使い道について3つの方法を紹介するので、家に賞味期限切れのハチミツがあるような人は、ぜひ参考にしてみてください。

砂糖代わりの調味料として使う

まだ食べられる気がするけど、そのまま食べるのは少し不安……。

そういったときには、非加熱の生のままではなく、砂糖代わりの調味料として加熱してから食べるようにするのがおすすめです。

ハチミツは砂糖よりも深みのある甘味が特徴となるほか、つややかな照りも出るため、照り焼きや煮物などに使用するとよいでしょう。

また、ハチミツはその保水性によってお肉を柔らかくする効果があるため、ステーキやポークソテーなどお肉の下味として使用するのもおすすめの方法です。

スキンケアやボディケアに使う

捨てるのはもったいないけど食べるのは少し心配……。

そういったときには、スキンケアやボディケアにハチミツを使用するのも選択肢のひとつです。

ハチミツは高い保湿性があるため、肌の乾燥を防ぐ効果が期待できます。

ハチミツを顔や体に直接塗るハチミツパックや、お風呂にハチミツを入れるハチミツ風呂などの使用方法があるので、気になる人はぜひ調べてみてくださいね。

ただし、人によってはハチミツの刺激によって肌荒れを起こす可能性もあるため、スキンケアとして使用する際にはパッチテストするようにしてください。

すり傷ややけどの手当てに使う

ハチミツには強い殺菌作用・抗菌作用があるため、すり傷や切り傷、やけどの治療薬として古くから使われてきた歴史があります。

そのため、賞味期限切れのハチミツを食べることに抵抗がある人は、こうした傷口の手当てにハチミツを活用するのも選択肢のひとつです。

ただし、腐敗が進んでいたり、カビが生えていたりするハチミツは、逆に傷口を悪化させてしまう恐れがあるため、ハチミツを口にしない場合でもハチミツの状態は十分に確認しましょう。

天然の生ハチミツは腐りにくいのでおすすめ◎

天然の生ハチミツは水あめや甘味料など余計なものが一切入っていない純粋ハチミツのため、ハチミツのなかでも特に腐りにくく、長期保存がしやすいハチミツとなります。

また、天然成分100%の生ハチミツは、ハチミツの栄養素が体内に吸収されやすく、免疫力アップや腸内環境の改善など、ハチミツそのものによる健康効果もおおいに期待できます!

さらに、天然生ハチミツは高熱処理もしていないため、ハチミツ本来の香りや風味も存分に楽しむことができますよ。

今回の記事の内容を参考にしながら、適切な保存方法で腐りにくい美味しい天然生ハチミツを味わってくださいね。

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