2023/8/30
はちみつの「色」について徹底解説!違いや変色の理由もご紹介
ハチミツは採れる花によって違いがあり、アカシア、レンゲ、クリ、ソバなどいろいろな種類があります。これらのハチミツを見比べると、それぞれ色が異なることに気付きます。この色の違いは、何に由来するのでしょうか?
この記事では、ハチミツの「色」について取り上げます。ハチミツの種類によって色が違う理由から、ハチミツが変色する原因まで徹底的に解説します。色の秘密を知り、ハチミツを身近に感じてくださいね。
ハチミツの色の違いは、花の違い?
クリアで明るい黄色、美しい琥珀色、濃い褐色など、ハチミツは種類によって色が異なります。この色の違いは、みつばちが蜜を採取した花の違いによるものです。花の蜜には、ミネラルが含まれています。ミネラルが多いとハチミツの色は濃くなり、ミネラルが少ないと色は薄くなるのです。
ミネラルの含有量の違いは、ハチミツの風味にも影響を与えます。ミネラルが豊富なハチミツは、クセのある個性的な味や香りを感じるでしょう。
ミネラルが少ないハチミツは風味は軽く、マイルドな味わいで、幅広い人々に好まれています。 つまり色が濃いハチミツは味と香りが強く、色が薄いハチミツは味と香りが穏やかになるといえるのです。
さらにハチミツは天然の花から採取されるものなので、花が咲く季節や気候、場所などによっても色に多少の違いが現れます。例えば同じアカシアのハチミツでも、違う場所で採取されたものでは色に違いが見られることがあります。
ハチミツの色によって期待できる効果が違う?
ミネラルにも多くの種類がありますが、色が濃いハチミツでは、特に鉄や銅の含有量が多いことがわかっています。 つまり、鉄と銅を多く含む色が濃いハチミツは、それが不足することで起きる症状を防ぐ効果が高いといえるでしょう。
例えば、貧血です。赤血球中のヘモグロビンは、鉄を主な成分としています。そして銅は、ヘモグロビンを生成するために鉄を必要な場所へ運搬する役割を担っています。赤血球の役割は体中に酸素を運ぶことなので、それが不足すると全身が酸素不足に陥り、貧血状態になります。
ハチミツには本来、このようなミネラルなどの栄養素が豊富に含まれていますが、中には加工されて栄養価が低下したハチミツも流通しています。一部のハチミツは価格を下げるために、糖や水飴を加えて量を増やして販売されているのです。このようなハチミツは余計なものを加えている分薄まり、栄養価が落ちてしまいます。
ハチミツに含まれる豊富なミネラルを健康維持に活かしたい場合は、添加物のないハチミツがおすすめですよ。
(出典:蜂蜜の成分と薬効|渡辺 武)
ハチミツの種類と、それぞれの色の特徴
花の種類ごとに蜜のミネラル含有量が異なるため、ハチミツは種類によって色に違いが見られます。
アカシアハチミツはどんな色?
「ハチミツの女王」とも呼ばれるアカシアハチミツは、ニセアカシアというマメ科の樹に咲く花から採取できる、日本で人気が高いハチミツのひとつです。
アカシアハチミツの色は透明感のある明るい黄色です。
そのイメージの通り、花のようなやさしい香りがあり、クセがなくすっきりとして上品な味わいを感じられます。
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アカシアハチミツとは?特徴や効果、ほかのハチミツとの違いは?
レンゲハチミツはどんな色?
レンゲハチミツは、アカシアハチミツと並ぶ日本で人気のハチミツとされています。
レンゲハチミツの色は、クリアで淡い黄色です。
花を思わせるほのかな香りがあり、まろやかでクセのない味わいが多くの人々に愛されています。
ミカンハチミツはどんな色?
ミカンの樹に咲く花から採取されるミカンハチミツは、ミカンの産地である和歌山県や静岡県で多く生産されています。
ミカンハチミツの色は、オレンジがかった黄色です。
商品によっては、まるでミカンの果肉のような色合いになります。柑橘のさわやかな香りや、ミカンを思わせる甘酸っぱい味わいが特徴です。
クリハチミツはどんな色?
栗の樹は日本各地に植えられており、クリハチミツも栗の生産が盛んな各地域で作られています。海外では、イタリアで広く親しまれているハチミツです。
クリハチミツの色は、濃い茶褐色です。
濃い色から想像できるように、甘みは控えめで、独特な強い香りとカラメルのようなコクがあり、クセのある味わいは食べにくいと感じる人もいるかもしれません。
ソバハチミツはどんな色?
ソバの産地として有名な長野県などで採取されるソバハチミツ。 ソバハチミツの色は、黒色に近い褐色をしています。
この濃い色は、豊富なミネラルに由来しています。 独特の強い香りを持ち、少しの苦味と、黒砂糖のようなコクのある濃厚な味わいを感じます。
色・香り・味すべてが個性的で、そのまま食べるのは難しいかもしれません。
マヌカハニーはどんな色?
マヌカハニーは、ニュージーランドにのみ自生しているマヌカの樹の花から採取される希少なハチミツです。
マヌカハニーの色は、濁りのある濃いめの茶色です。
口にすると、強い粘りや薬のような個性的な香り、苦味、コクを感じられます。
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ハチミツの色が変わる理由や注意点
ハチミツを購入してしばらく置いていると、ハチミツの色が変わる場合があります。なぜ変色してしまったのか、変色したハチミツは食べても大丈夫なのか気になりますね。ここでは、ハチミツが変色する原因と注意点について解説します。
ハチミツの色が濃くなる(茶色くなる)場合
ハチミツの色が濃くなるのは、メイラード反応が起きたためです。
メイラード反応は、加熱等により糖とアミノ酸が化学反応を起こし、メラノイジンという物質が生成される反応です。このメラノイジンが茶褐色をしているため、メイラード反応を起こしたハチミツは色が濃くなるのです。
メイラード反応は、ハチミツ以外の食品でも見られます。肉やパンを焼くとこんがり色付くのも、メイラード反応が起こっているためです。味噌を長期間熟成させると色が濃くなるのも、メイラード反応が原因です。
このように食品によく見られる変化であり、メイラード反応が起きたことで色が茶色くなったハチミツは、食べても問題ありません。
(出典:はちみつに賞味期限がある理由は?賞味期限の設定方法は?|全国はちみつ公正取引協議会)
ハチミツの色が黒くなる場合
ハチミツの色が黒く変色するのは、ハチミツに含まれるポリフェノールと鉄が原因です。
ポリフェノールとは、植物などに含まれる色素や苦味成分の総称で、ポリフェノールは、ハチミツにも豊富に含まれています。このポリフェノールがハチミツのミネラルに含まれる鉄と結びつくと、黒く変色してしまうのです。
この反応はハチミツだけではなく、ほかの食品でも見られます。例えばポリフェノールを含むれんこんを鉄鍋で煮ると、黒っぽく変色します。
ポリフェノールと鉄が原因で黒くなったハチミツを食べても、健康に害はありません。
(出典:れんこんを煮たら黒っぽく変色した|野菜|商品Q&A|コープこうべ 商品検査センター
果実およびそ菜類のタンニン成分 (第5報)鉄イオンによる発色|中林 敏郎)
ハチミツの色が白くなる場合
ハチミツが白く変色している場合、同時に白くなった部分が固まってはいないでしょうか。これはハチミツが「結晶化」した状態です。
ハチミツには主に、ブドウ糖と果糖の2種類の糖が含まれています。これらの糖の量はハチミツの種類によって異なり、果糖が多いハチミツは結晶化しにくく、ブドウ糖が多いハチミツは結晶化しやすいといわれています。結晶化はハチミツの特性であり、栄養価や成分が変化することはありません。また結晶を溶かせば、いつもと変わりなく食べられます。
ハチミツは保存温度が15℃以下になると、結晶化しやすくなります。逆に、温めることで結晶を溶かすには温めることができます。結晶化したハチミツが入った容器のふたをゆるめて、容器ごと60℃程度のお湯に浸けてください。高温の熱湯に浸すとハチミツの成分が壊れたり、風味が損なわれたりする可能性があります。低めの温度でゆっくり結晶を溶かすことがポイントです。
(出典:はちみつが白く固形状になるものとならないものがあるのはなぜですか。また、白くなったものを元に戻すことはできますか。|農林水産省)
【参考】ハチミツの変色を防ぐ方法
ハチミツの色が濃くなるメイラード反応は、温度が高いと反応が早く進みます。料理に使うために、ハチミツをコンロの近くに置いている人もいるでしょう。しかし温度が高くなりやすいので、保管場所としてはおすすめしません。
ハチミツは、直射日光が当たらず、コンロ等火力の影響も受けない場所で、常温で保存しましょう。
ハチミツの結晶化は、気温が15度以下にならない場所に保存することである程度防げます。冬は、室温でも15度以下になることがあるので注意しましょう。またハチミツは振動によっても結晶化することがあるので、振動の影響があまりない静かな場所での保管がおすすめです。
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ハチミツの色に違いが見られるのは、蜜を採取した花の種類が異なるためです。
ハチミツを保存している間に色が変わった場合は、ハチミツに含まれる成分が原因です。これらの変色が見られても、カビなどでない限り、ハチミツの品質には問題ありません。
ハチミツは色だけではなく、香り、味わいも千差万別です。たくさんのハチミツの中から、お気に入りのハチミツを探すことも楽しみのひとつかもしれませんね。
みつばちのーとで取り扱っているハチミツは、すべて国産の安心安全なものばかりです。種類が豊富なので、色の違いも実感していただけますよ。
また、加熱処理や混ぜものがされていないので、ハチミツ本来の風味を楽しめます。おいしいハチミツを食べたいと思ったときは、みつばちのーとのハチミツも選択肢に入れてくださいね。
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