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2023/8/30

ハチミツの匂いについて徹底解説。臭いと感じる場合、原因や消す方法はある?

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
養蜂家 田中 章雄
宇都宮大学農学部農業環境工学科卒業。農業ベンチャー企業で勤務する中で養蜂と出会い、広島に移住して養蜂の修行を積む。2015年3月に静岡県伊東市で養蜂家として独立。日々養蜂家として勉強の日々を過ごしている。

ハチミツは種類によって、色や味だけでなく、匂いにも幅広いバリエーションがあります。花や柑橘のさわやかな香りを感じるものがあれば、クセがある臭いを放つものまでさまざまです。

この記事では、ハチミツの匂い(臭い)について徹底解説します。クセが強い臭いを消す方法や、いい匂いのハチミツの選び方などを紹介しているので、ぜひ好みのハチミツを探す参考にしてくださいね。

なお、ここでは印象がよくない香りは「臭い」、それ以外の香りを「匂い」と表記します。

ハチミツの種類とその匂い

ハチミツの匂いはバラエティ豊かです。アカシア・レンゲ・ソバなど、ハチミツの種類や加工方法によって異なります。

まずは、ハチミツに感じる匂いの特徴を種類ごとに見ていきましょう。

百花蜜はどんな匂い?

百花蜜は、いくつかの異なる種類の花の蜜を集めたはちみつです。花の種類が限定されていないため、百花蜜の匂いはものによって異なります

同じ場所で採取されたハチミツでも、採取時期が違うと咲いている花の種類が異なるため、違う匂いを感じます。

アカシアハチミツはどんな匂い?

すっきりした味わいで人気が高いアカシアハチミツは、匂いも上品です。アカシアハチミツの匂いは、やさしくて控えめ。その匂いは「フローラル」と表現されることが多くあります。

アカシアハチミツはパンやホットケーキにかけたり、紅茶に入れたりするのがおすすめです。匂いが穏やかなので、パンや紅茶の風味を邪魔しません。

ソバハチミツはどんな匂い?

黒色に近い濃褐色の見た目が特徴的なソバハチミツは、匂いも個性的です。黒糖のようなコクのある匂いはクセが強く、受け入れ難く感じる人も少なくありません。

主張が強いため、味が濃い料理の味付けに向いています。

クリハチミツはどんな匂い?

クリハチミツの色合いは、カラメルのような濃いめの褐色です。匂いは独特で、好き嫌いがはっきり分かれます。クリハチミツが好きな人は、個性的な匂いや、栗の渋皮のような苦味がやみつきになってしまうようです。

イタリアやフランスでは、お菓子の材料に使われます。

トチハチミツはどんな匂い?

トチは5〜6月に房状の白い花を咲かせる樹木であり、野山に自生していることも多々あります。トチハチミツの匂いは「華やかでフローラル」といわれますが、酸っぱい匂いを感じることもあります。

ハチミツを加熱すると匂いが変わる?

ハチミツを料理に使用した際に、はじめはハチミツのよい匂いがしていたにもかかわらず、加熱すると匂いが薄くなったり、匂いが変わったりした経験はないでしょうか?

実は、ほぼ全てのハチミツは加熱によって匂いが変わります

まず、ハチミツの匂い成分は揮発性なので、加熱すると気体になります。そのため、料理の味付けに使用するなどして熱を加えると匂い成分が揮発して、匂いが消えてしまうのです。

また加熱によって生じた「メイラード反応」も、ハチミツの匂いが変化する原因といえます。メイラード反応とは、糖とアミノ酸が起こす化学変化のことです。この反応が起こると、茶褐色の物質や香ばしい香気成分が生じます。パンを焼くとこんがり色づき、香ばしい香りがするのは、メイラード反応が起きているためです。

ハチミツでも、メイラード反応が起こると茶褐色の物質や香気成分が生成されます。加熱によりハチミツ本来の匂い成分が揮発し、メイラード反応により香気成分が作られるため、ハチミツは加熱すると匂いが薄くなったり、匂いが変化したりするのです。

なぜ、ハチミツを臭いと感じることがある?

花やフルーツを思わせるよい匂いがするハチミツがある一方、クセが強くて抵抗を感じる臭いのハチミツも存在します。ここからは、ハチミツの匂いの差は何が理由なのか、クセのある臭いはどこに原因があるのかを解説します。

ハチミツの臭いの原因

ハチミツの種類によって匂いが異なることからわかるように、ハチミツの匂いは蜜源となる植物に由来します。

オレンジの花から採取されるハチミツはさわやかな柑橘の匂いを感じ、ラベンダーの花から採取されるハチミツからはハーブのような香りを感じます。このような植物が蜜源であればハチミツからは好ましい匂いがしますが、なかには個性が強い臭いを持つ植物もあるのです。

その植物に含まれるのが、ソバとクリです。実を挽いた粉から作った蕎麦、スイーツなどにも使われる栗の実はとてもおいしいですよね。しかしソバの花、クリの花はそれぞれ特有のクセがある臭いを持っています。そのためソバやクリの花から採取された蜜も、同じ臭いがするのです。

ハチの違いも臭いに影響する

花から蜜を集めるミツバチは、世界中で9種類しか存在しません。さらに国内に生息するのは、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種類のみ。このハチの違いも、ハチミツの匂いに影響しています。

ニホンミツバチとセイヨウミツバチの相違点のひとつといわれるのが、蜜の採取方法です。ニホンミツバチはさまざまな花から蜜を集める性質があるため、ニホンミツバチが採取したハチミツは「百花蜜」になります。

一方、セイヨウミツバチには1種類の花に通い続ける性質があります。そのためセイヨウミツバチが集めたハチミツは「単花蜜」、つまりアカシアハチミツやソバハチミツのように1種類の花の蜜で構成されたハチミツになるのです。

ニホンミツバチが集めた百花蜜であれば、さまざまな種類の花の蜜が混ざり合い、クセが少なくバランスが取れた匂いになります。しかしセイヨウミツバチが集めた蜜はひとつの花の個性が強く現れるため、ミツバチがソバやクリのようなクセのある臭いの花を選ぶと、ハチミツの匂いも個性的になります。

「酸っぱい臭い」「アンモニア臭」などの意見も

蜜が採取された場所や季節によって、その臭いの程度は異なります。ソバやクリのような臭いが特に強く出ている場合、その匂いを指して、獣や牛舎、アンモニア臭と表現する人もいるほど、多くの人が抵抗を感じるはずです。

また、トチハチミツのような酸っぱい匂いを嗅いだときに、汗の臭いと感じる人もいるのだとか。

個人差があるので、「臭い」と感じたときはそのハチミツ以外のものを選んでみたほうがよいかもしれません。

ちなみに、匂いの個性が強いハチミツは、その分ミネラルを多く含んでいるため、継続的に食べれば高い健康効果を期待できる可能性があります。健康作りにハチミツを活かしたい人は食べやすいものを探したり、後述するハチミツの臭いを消す方法を参考にしたりするのがおすすめです。

ハチミツの臭いを消す・クセをなくす方法

色が濃く、クセがある臭いを持つハチミツは栄養豊富です。「臭いは気になるけど、健康管理のために食べたい」と思う人もいるでしょう。人からもらったり、自分で購入したりして手元にハチミツがあるが、臭いが気になって食べられない人もいるかもしれません。

ハチミツのクセがある臭いを消すには、ハチミツを何かに混ぜたり、ハチミツよりも匂いが強いものと合わせたりする方法が効果的です。

例えば、ヨーグルトに混ぜると臭いはかなり抑えられます。また、バターを塗ったトーストにかけて食べると、臭いはあまり気になりません。

そのほか、ブルーチーズにかける食べ方もあります。ブルーチーズにもクセのある独特の匂いがありますが、その匂いがハチミツの臭いをマスキングしてくれるため、食べやすくなります。

ハチミツの匂いが苦手な人向け!ハチミツの選び方

個性的な匂いのハチミツが苦手な人のために、匂いが気にならないハチミツの選び方をご紹介します。ここで取り上げる選び方のポイントを参考にして、お気に入りのハチミツを探してみてください。

国産のハチミツを選ぶ

国産と外国産のハチミツを比較すると、国産のハチミツのほうが匂いが控えめであることが多くあります。その理由は、ハチミツの品質規格が日本と外国で異なり、日本の方が水分が若干多いためです。

国際的な食品規格では、ハチミツの水分量は20%以下と定められていますが、日本の規格では22%まで水分が含まれていても問題ありません。水分量が少ない外国産のハチミツは濃厚で、水分量が多い国産ハチミツはさらっとしていて、味もあっさりしている傾向があります。

匂いについても、外国産のハチミツは濃くしっかり感じられる一方、国産ハチミツはやさしくて控えめ。匂いが強いハチミツが苦手であれば、国産のハチミツを選ぶとよいかもしれません。

百花蜜を選ぶ

ソバハチミツやクリハチミツなど、1種類の花から採取された「単花蜜」は、花の特徴が強く現れがちです。匂いにクセがある花であれば、ハチミツからもその匂いがはっきりと感じ取れるでしょう。

「百花蜜」は複数の種類の花から蜜を集めているため、それぞれの花の個性が薄まります。蜜を集めた花のなかにクセのある匂いの花が混ざっていても、ほとんど気になりません。百花蜜はバランスの取れた匂いや味になることがほとんどなので、無難にハチミツを選びたい人におすすめです。

色が薄いハチミツを選ぶ

色が濃いソバハチミツやクリハチミツは、匂いが強く個性的です。これらのハチミツはミネラルの含有量が多いため、色が濃く、匂いのクセも強くなる傾向があります。

一方、色が薄めのアカシアハチミツやレンゲハチミツなどは、親しみやすい穏やかな匂いのものがほとんどです。

ハチミツの色の濃さは、匂いのクセの強さを判断できるポイントですよ。

ハチミツの匂いは種類によってさまざま!自分に合うハチミツを探そう

ハチミツの匂いは加熱したり、ヨーグルトやバタートースト、ブルーチーズにかけて食べたりすると気にならなくなります。どうしてもハチミツの強い匂いが気になる人は、購入時に国産ハチミツや百花蜜、色が薄いハチミツを選ぶことで、匂いが気にならないハチミツを選べるでしょう。

みつばちのーとで販売しているハチミツは、伊豆半島の自然が育んだ国産ハチミツです。ハチミツの匂いが失われる加熱処理や混ぜものは、一切おこなっていません。そのため、国産ハチミツ本来の心地よい匂いを楽しめます。

余計な手を加えていないので、ハチミツの味わいや栄養価もそのまま。国産ハチミツの心豊かになる匂いを楽しみたい方は、ぜひみつばちのーとのハチミツをお試しくださいね。

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