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2023/8/30

ハチミツと抗生物質にまつわる、さまざまな疑問について解説

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
養蜂家 田中 章雄
宇都宮大学農学部農業環境工学科卒業。農業ベンチャー企業で勤務する中で養蜂と出会い、広島に移住して養蜂の修行を積む。2015年3月に静岡県伊東市で養蜂家として独立。日々養蜂家として勉強の日々を過ごしている。

「ハチミツに抗生物質が含まれている」と聞いたことがある人がいるかもしれませんが、それは本当なのでしょうか?

この記事では、ハチミツに抗生物質が含まれているのかどうか、ハチミツには抗生物質と同様の効果があるのかどうか、などハチミツと抗生物質にまつわるさまざまな疑問について詳しく解説しています。

ハチミツの効果や安全性、またそのリスクについて詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

Q1)ハチミツに抗生物質が含まれているって本当?

そもそも抗生物質とは、簡単に言うと細菌を殺す薬(物質)のこと。細菌による感染症に対して効果を発揮するもので、病院ではそれぞれの細菌に合わせた抗生物質が処方されます。

しかし、抗生物質を繰り返し使用すると、逆に体を守るために存在している良い細菌(常在菌)も殺してしまい、かえって感染症にかかりやすくなる、もしくは治りにくくなるなどのリスクが心配されていいます。

この抗生物質に関する基本情報もふまえたうえで、ハチミツの抗生物質について説明していきます。

抗生物質の残留とは

ハチミツにおける抗生物質の残留とは、ミツバチの病気を予防するために使用した抗生物質が、ハチミツのなかに残ってしまうこと。

養蜂場によっては、抗生物質となる動物用医薬品を使用することがあります。もちろん、この動物用医薬品については用法や用量が決められているため、これが問題を引き起こす可能性はほとんどありません。

その上、抗生物質の残留についても、残留農薬等と同様に厚生労働省によって基準が設定されています。仮にハチミツに抗生物質が残留していた場合でも、その量は極めて少量で、人の健康に悪影響を与える可能性は低いといえるでしょう。

過去には中国産やインド産のハチミツから抗生物質が検出されるニュースが報じられたこともありますが、基本的に輸入ハチミツの場合も、検疫所において残留基準をクリアしているかどうかの検査が行われています。

さらに過去のこうした事例を受け、輸入ハチミツについてはより検査を強化しているという背景もあることから、ハチミツにおける抗生物質の残留については、安全性が確保されたものと考えてよいでしょう。

(参考:食品別の規格基準について|厚生労働省)

抗生物質の摂取によるリスク

ハチミツの残留抗生物質については、基本的に安心してよいということがわかりましたが、仮に抗生物質を多く摂取してしまった場合、人の体にはどのようなリスクがあるのでしょうか。

抗生物質を多量に摂取、または長期間にわたり摂取した場合のリスクとして特に問題視されているのが、耐性菌による問題です。

耐性菌とは、抗生物質に対する抵抗力を持った細菌のこと。

これは食品中の残留抗生物質による影響だけでなく、病院で処方される薬でも同様のことが言われていますが、この耐性菌が増えすぎてしまうと、これまで治療できていた病気への対処が難しくなり、病気の重症化や死亡率の増加などに繋がる恐れがあるのです。

(出典:抗生物質への耐性について|厚生労働省 検疫所 FORTH)

安全性の高いハチミツの選び方

それでも抗生物質のことが気になる……という方は、ハチミツの選び方を考えるとよいでしょう。

結論からいうと、国産のハチミツ、EU圏内産、ニュージーランド産のハチミツは、抗生物質によるリスクが少ないと言えるでしょう。

前章で解説したように、日本ではハチミツの抗生物質の残留についてしっかり基準値が設けられており、その基準値を超えた製品は販売できないよう食品衛生法で定められています。

また、日本よりさらに厳しい基準が設けられているともいわれるEUやニュージーランド産のハチミツは、そもそもミツバチへの抗生物質の使用が認められていません。

そのため、ハチミツ中の抗生物質の残留基準というのはそもそも設けられておらず、抗生物質は一切入っていないことが基本となっているのです。

そのほかの外国産のハチミツも、基本的には輸入時にしっかりと検査が行われていますが、より高い安全性を求めるのであれば、国産や上述の外国産を選ぶのがよいでしょう。

(出典:
14 Honey trading industry – antibiotics residues in honey.ppt
National Chemical Residues Programme | NZ Government)

Q2)ハチミツには抗生物質と同じ効果がある?

ハチミツはさまざまな健康効果が期待できる食品ですが、なかには抗生物質と同じような効果が期待できる場合もあります。

病院に行くほどではないけれど、症状が気になる……といったときの参考にしてみてくださいね。

ハチミツには炎症を抑える効果がある

まず、ハチミツに期待できる効果として、抗炎症作用があります。

これはハチミツに含まれるポリフェノールによる効果と言われています。ポリフェノールは抗酸化作用があることで知られていますが、抗炎症作用があることも、いくつかの論文で確認できます。

そもそも炎症とは、傷ややけど、細菌やウイルスなどによる刺激に対して起こる生体の防御反応のひとつ。そして、その反応を鎮める働きを抗炎症作用といいます。

炎症が起こると、その患部は熱を持ったり、腫れたり、痛みが生じたりするため、その炎症を抑えることで、あらゆる症状の緩和に繋がるのです。

(出典:フラボノイドの構造と抗炎症活性の強さとの関係|農研機構)

ハチミツには喉の痛みを和らげる効果がある

ハチミツには抗菌作用があるため、その働きによって喉の痛みを和らげたり、咳の症状を緩和する効果も期待できます。

細菌を原因とする喉の痛みには、病院で抗生物質の薬が処方されることもありますが、ハチミツの摂取によっても、それに似た効果が得られるかもしれません。

今のところ、これはハチミツに含まれる酵素によって生成される過酸化水素による効果と言われています。

この過酸化水素は一般的な消毒液にも含まれている成分であることからも、ハチミツの抗菌作用を連想しやすいですね。

ハチミツは古くから喉の痛みや咳の症状緩和に対する民間療法として利用されてきたという背景がありますが、この民間療法も理にかなっていたといえそうです。

(出典:蜂蜜の特性 とその利用

ハチミツには傷を早く治す効果がある

ハチミツには、切り傷など傷口の修復を促す作用があるという研究報告もあります。

これは試験管内試験による報告ですが、傷をつけた皮膚細胞にハチミツを添加したことにより、無添加の皮膚細胞よりも早く傷口の修復が見られるという結果が確認できたのです。

この詳しいメカニズムについては不明であるものの、これにはハチミツの抗炎症作用や抗菌作用などが影響していると考えられています。

また、マヌカハニーはその抗菌成分であるメチルグリオキサールの有効性が認められており、ニュージーランドでは実際に傷の治療用ガーゼにマヌカハニーの成分が使用されているという実績もあります。

※体質や肌質などによっては、ハチミツを皮膚に塗ることで肌荒れ等を引き起こす可能性もあります。塗布する前に、パッチテストを行うようにしましょう。

ハチミツはやけどの治療に役立つ効果がある

やけどの治療には、細菌の増殖を抑えるための抗生物質や殺菌成分のある薬を用いることが多いですが、ハチミツにも同様の効果が期待できるとされています。

実際にやけどの患部にハチミツを塗布したことで、やけどがきれいに治ったという報告も複数確認されているようです。

これはハチミツの抗菌作用による効果と考えられますが、それだけでなく、ハチミツの高い保水性も関係していそうです。ハチミツを患部に塗ることで乾燥を防ぎ、やけどの治りを早くすると考えられます。

(出典:抗生物質が効かない細菌に、蜂蜜で対抗 | WIRED.jp)

【参考】効能が高い分ハチミツには副作用もある?

ハチミツにはさまざまな健康効果・効能があることがわかりましたが、なかには副作用が気になる人もいるかもしれません。

ハチミツはその8割が糖質であることから、過剰摂取は体重増加や肥満、高血糖などを引き起こす可能性があります。

しかし、ハチミツ自体に副作用を引き起こすような成分は含まれていないため、適切な摂取量を守っていれば、ハチミツによって健康を害することはありません。

ハチミツのメリットやデメリットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。

(関連記事:ハチミツのメリット・デメリットは?効能・副作用をふまえて解説

Q3)ハチミツと抗生物質(薬)の飲み合わせは危険?

薬のなかには食べ物や飲み物との飲み合わせによって、その薬の効果が強くなったり、弱くなったりする影響が出ることがあります。なかには副作用が強く出てしまうこともありますが、ハチミツはどうなのでしょうか。

抗生物質とハチミツの飲み合わせ

ハチミツには抗生物質と同じような効果が期待できると説明しましたが、抗生物質を含む薬とハチミツの飲み合わせは特に問題ないものとされています。

ただし、ハチミツはあくまでも食品であるため、抗生物質が処方されるほどの症状が出ている場合には、薬を優先して服用するようにしたほうがよさそうです。

ちなみに、抗生物質と牛乳などの乳製品の飲み合わせは、カルシウムの影響によって薬の効果を弱くしてしまう可能性があると言われています。

風邪薬とハチミツの飲み合わせ

風邪薬とハチミツの飲み合わせも、特に薬の作用への影響はないものとされています。

ただし、風邪薬にはさまざまな種類があるため、市販薬などを服用する際は、薬に添付されている説明書を確認したほうがよいでしょう。

参考:注意したい薬の飲み合わせ、食べ合わせ 上手なセルフメディケーション|OTC医薬品協会

多彩な効果が期待できるハチミツだからこそ「国産天然」のものを選ぼう

この記事では、ハチミツと抗生物質に関するあらゆる疑問点について解説しました。

ハチミツには抗生物質に似た健康効果が期待できることもわかりましたが、より安心安全なハチミツを摂取するためには、ハチミツそのものの選び方も重要となります。

残留抗生物質による健康へのリスクがなく、より高い健康効果を期待するのであれば、ハチミツは国産の天然ハチミツの選択がおすすめです。

『みつばちのーと』のハチミツは、抗生物質未使用で、混ぜものは一切入っていない天然の純粋ハチミツです。

そのため、ハチミツ本来の栄養成分が摂取でき、抗生物質にも似たような高い健康効果が期待できますよ。

健康のため、より品質の高いハチミツを取り入れたいと考える方は、ぜひ『みつばちのーと』の国産天然ハチミツもチェックしてみてくださいね。

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