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2023/9/29

ハチミツは胃に悪い?不調がある人も食べて大丈夫?食べ方のポイントも解説

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
管理栄養士、製菓衛生師、パティシエ 南谷 智佳子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科卒業。大学では栄養学全般を学び、栄養士および管理栄養士免許を取得。卒業後は管理栄養士として保育園で働いた後に、パティシエの道へ。修行後、個人店やホテルにて勤務。現在は管理栄養士兼パティシエとして、蜂蜜を使ったレシピなどを発信している。

ハチミツは健康に良いイメージが強いですが、なかには「ハチミツは胃に悪い」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。

また、「ハチミツが胃の不調を緩和する」という話もあり、実際のハチミツの効果に疑問を感じている人も多いでしょう。

この記事では、ハチミツが胃にどのような影響を与えるのかについて、詳しく解説します。効果的な取り入れ方も紹介するので、参考にしてくださいね。

ハチミツが胃に悪いって本当?

まず、ハチミツは本当に胃に悪いのかどうかについて、詳しく見ていきましょう。

ハチミツは胃腸に優しい食べ物である

結論から言うと、ハチミツは胃腸への負担が少なく、消化に良い食べ物です。

ハチミツの栄養成分の8割は糖類で構成されており、さらにそのほとんどがブドウ糖や果糖といった単糖類で構成されています。「単糖類」とは、それ以上分解されない糖であるため、胃腸での消化運動に負担をかけることなく、スムーズに吸収・消化されるのです。

また、ハチミツには亜鉛などのミネラルやフラボノイドなどのポリフェノールも豊富に含まれています。
これらは胃の粘膜の回復を促したり、炎症を抑えたりする効果があるため、ハチミツの適量摂取は胃に良い効果をもたらすことが期待できると言えるでしょう。

食べ過ぎると胃痛や腹痛を引き起こす可能性がある

ただし、ハチミツの食べ過ぎには注意が必要です。

ハチミツにはグルコン酸という有機酸が含まれており、このグルコン酸は本来腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。

しかし、ハチミツの食べ過ぎによってグルコン酸を過剰摂取してしまうと、逆に胃腸の働きが活発になりすぎることから、胃の不快感や腹痛などを引き起こす恐れがあるのです。

これが「ハチミツは胃に悪い」と言われる所以のひとつと考えられます。

適量摂取であれば問題ない

健康な人の場合、ハチミツは大さじ1〜2杯程度が1日の適量となります。

基本的にこの適量を守って摂取していれば、胃痛や腹痛など体に悪い影響を与えるような心配はありません。

健康目的でハチミツを継続的に摂取しようと考えている人は、1日の摂取量に注意するようにしましょう。

ただし、ハチミツはその8割が糖類で構成されていることからもわかるように、糖質の多い食品です。そのため、糖尿病や血糖値が高い人、肥満の人などはハチミツの取り入れ方や摂取量について注意が必要となります。

むしろ、ハチミツが胃の不調を整えるって本当?

ハチミツは胃腸への負担が少なく、消化に優しい食べ物であることがわかりましたが、「ハチミツが胃の不調を整える」というのは本当なのでしょうか。

ここでは、胃腸に対して期待できるハチミツの効果について、詳しく説明します。

逆流性食道炎の予防

ハチミツは喉や食道の粘膜を保護する働きがあるため、胃液の逆流によって生じる逆流性食道炎を防ぐ効果が期待できると言われています。

逆流性食道炎は、その名の通り胃液の逆流によって食道に炎症が生じる病気。
胃液に含まれる胃酸によって食道の粘膜がダメージを受けて炎症を起こし、胸やけやみぞおちの痛みなどの症状を引き起こします。

ハチミツ自体が胃液の逆流を防ぐわけではありませんが、ハチミツの保湿効果によって喉や食道の粘膜が保護されるため、胃液の逆流による炎症を予防することに繋がるのです。

また、胃酸過多は逆流性食道炎に繋がる症状のひとつですが、ハチミツは消化に優しく胃腸への普段が少ない食べ物であるため、胃酸の過剰分泌になる心配もありません。

胃痛の緩和

ハチミツにはフラボノイドなどのポリフェノールが豊富に含まれており、胃の粘膜の炎症を抑え、胃痛を緩和する効果が期待できると言われています。

胃痛は生活習慣の乱れやストレス、ピロリ菌(※)などさまざまな要因によって引き起こされますが、その痛みのもととなるのは胃の粘膜がダメージを受けたことによって生じる炎症です。

ハチミツに含まれるポリフェノールには抗炎症作用があるため、こうした胃痛の症状を緩和してくれるのです。

※ピロリ菌
正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」で胃の粘膜に生息する細菌のこと。
ピロリ菌が胃の粘膜にすみつくことで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどを引き起こすことがわかっています。特に胃がんの約90%はピロリ菌感染が原因とも言われており、ピロリ菌に感染している人は除菌薬による治療が推奨されています。

また、ハチミツのなかでも特に強い抗菌作用があるとされるマヌカハニーは、ピロリ菌を抑制するという報告もなされています。

これはマヌカハニーに含まれるメチルグリオキサールという抗菌成分による効果で、シャーレのなかでは実際にピロリ菌を抑制する効果が確認されています。

生体レベルでの効果についてはまだ研究段階ではありますが、ピロリ菌を原因とした胃痛には、マヌカハニー摂取の有効性が期待されています。

胃潰瘍の予防

強い抗菌作用を持つマヌカハニーには、胃潰瘍の予防効果が期待されています。

胃潰瘍は胃の粘膜がひどく傷ついた状態を指し、症状が悪化すると胃に穴が開いてしまうこともある病気です。
原因としてはストレスや飲酒、喫煙、薬の副作用などがありますが、ピロリ菌による感染も大きな原因のひとつであることがわかっています。

先述したように、マヌカハニーにはピロリ菌を抑制する効果が期待できるため、胃潰瘍の予防にも一定の有効性があるのではないかと言われています。

しかし、ピロリ菌に対するマヌカハニーの有効性はまだ研究段階であるため、マヌカハニーの摂取によってピロリ菌を完全に除去できるとは言い切れないのが現状です。

ピロリ菌に感染していることがわかっている人は、除菌薬を用いた適切な治療が必要となります。

胃腸炎の予防

マヌカハニーは、その抗菌力の高さから胃腸炎の予防にも役立つ可能性があります。

胃腸炎とは胃や小腸、大腸などに炎症が生じた状態のことで、ウイルスや細菌などに感染することで発症する感染性胃腸炎は、腹痛や下痢、嘔吐などの症状を引き起こします。

マヌカハニーの成分が、胃腸炎の原因となるウイルスや細菌を直接的に不活化するというわけではありませんが、マヌカハニーには免疫力を高める働きがあるため、結果的に胃腸炎の予防にも繋がる効果が期待できるのです。

その免疫活性への効果は通常のハチミツの30倍以上という報告もあり、胃腸炎に限らず、さまざまな病気を予防するなど、健康への高い効果が期待できるといえそうです。

ハチミツの食べ過ぎで「気持ち悪い」「吐き気がする」こともある?

ここまでハチミツに期待できる効果について説明しましたが、ハチミツの食べ過ぎは、逆に胃の不快感や吐き気を引き起こす恐れがあります。

こうした症状は、主にハチミツに含まれるグルコン酸やオリゴ糖の過剰摂取による影響と考えられており、胃腸の働きが活発になりすぎることから胃の不快感や腹痛、下痢などに繋がる場合があります。

また、ハチミツは糖度が高い食品であるため、一度に大量のハチミツを摂取すると、気持ち悪さや吐き気を感じる人もいるようです。

ハチミツそのものは胃腸に優しい食べ物ではあるものの、食べ過ぎは不快な症状を引き起こす恐れがあるため、その点注意が必要です。

ハチミツを摂るときのポイント・食べ方

ここでは、ハチミツを摂るときのポイントやおすすめの食べ方について紹介します。
症状に応じた取り入れ方も紹介するので、胃の不調に悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。

ハチミツは基本的にそのまま食べるのがおすすめ

ハチミツは基本的にそのまま舐めるようにして取り入れるのがおすすめです。
そうすることでハチミツ本来の栄養素を壊すことなく、そのまま摂取することができます。

さらにハチミツの保湿作用を期待する場合には、ハチミツそのものが直接粘膜に触れるのが効果的。
ハチミツの原液はとろみもあるため、そのまま舐めることでハチミツが喉や食道の粘膜をゆっくりと通過させることができますよ。

また、ハチミツによる効果を最大限生かすためには、胃に食べ物が入った状態の食後ではなく、空腹時や就寝前などがおすすめです。

胃痛や下痢があるときはハチミツ湯もおすすめ

胃痛や下痢の症状があるときには、お湯にハチミツを溶かしたハチミツ湯もおすすめです。

温かい飲み物は体を温めて胃腸の働きを活発にするほか、ハチミツに含まれるグルコン酸やオリゴ糖は腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整える効果も期待できます。

作り方は、150〜200mlの白湯にティースプーン1杯のハチミツを加えて混ぜるだけ。

ハチミツ湯は、ハチミツをそのまま舐めるのは苦手、喉がイガイガする、といった人にもおすすめの取り入れ方です。

漢方にハチミツに混ぜるのもOK

胃の不調をはじめ、さまざまな体の不調に漢方薬を飲むという人もいるかもしれませんが、ハチミツと漢方は実は相性の良い組み合わせです。

漢方は生薬独特の味や香りがあり、種類によっては飲みにくさを感じることもありますが、ハチミツと混ぜることでその独特の香りや苦みを抑えることができます。

飲み方としては、スプーンに乗せた漢方薬の上からハチミツをかけて、そのまま舐めるようにするのがおすすめです。そうすることで漢方薬が舌に直接触れにくくなるため、苦みも感じにくくなります。

また、漢方薬とハチミツを小皿に入れて混ぜる方法でもOK。ハチミツ原液では粘度が高く混ざりにくいといった場合は、少量のお湯を加えると混ざりやすくなりますよ。

漢方×ハチミツの組み合わせは、苦い薬が飲めない子どもにもおすすめの取り入れ方といえます。

摂り方に気をつければ、ハチミツは胃にやさしい!

この記事では、ハチミツは胃に悪いのかどうか詳しく解説しました。

「ハチミツは胃に悪い」という噂がありますが、正しい摂り方であれば、ハチミツはむしろ胃に優しく、さまざまな良い効果が期待できることがわかりましたね。

健康のためにハチミツを取り入れる場合には、ハチミツの選び方にもこだわるのがおすすめです。

国産の天然純粋ハチミツは、ハチミツ本来の豊富な栄養成分によって、胃に対する良い効果が期待できます。また、日本人好みの上品な甘みや豊かな香りも存分に楽しめますよ。

『みつばちのーと』では、国産の純粋ハチミツを種類豊富に取り揃えているほか、品質面でも安心安全のハチミツを購入することができます。

胃の不調の改善など、さまざまな健康効果を期待したいときには、高品質で美味しい天然純粋ハチミツが手に入る『みつばちのーと』もぜひチェックしてみてくださいね。

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