mitsubachi note

MENU

2023/12/27

ハチミツに鉄分は多い?貧血への効果やそばハチミツの栄養価など解説

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
管理栄養士、製菓衛生師、パティシエ 南谷 智佳子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科卒業。大学では栄養学全般を学び、栄養士および管理栄養士免許を取得。卒業後は管理栄養士として保育園で働いた後に、パティシエの道へ。修行後、個人店やホテルにて勤務。現在は管理栄養士兼パティシエとして、蜂蜜を使ったレシピなどを発信している。

鉄分といえば、レバーやほうれん草に豊富な栄養素ですよね。実は、ハチミツにも鉄分が含まれています

この記事では、ハチミツと鉄分の関係について詳しく解説します。具体的な含有量や、鉄分を多く含むはちみつの種類も紹介します。健康や美容のためにハチミツを摂りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

ハチミツに鉄分は含まれる?

ハチミツの栄養成分には、鉄分が含まれます。しかしハチミツが持つ注目すべき栄養成分は、鉄分だけにとどまりません。まずは、ハチミツに含まれる成分について詳しく解説します。

ハチミツの栄養素

ハチミツには、さまざまな成分が含まれています。

ハチミツを口に含むと強い甘みを感じるように、糖質はハチミツにもっとも多く含まれている栄養素です。

とくにブドウ糖と果糖が、糖質のほとんどを占めています。ブドウ糖と果糖は糖質のなかでも小さく、すばやく体に吸収されるため、効率のよいエネルギー源になります。

オリゴ糖も、ハチミツに含まれる糖質のひとつです。しかしほかの糖質とは異なり、消化吸収されにくい特徴があります。

オリゴ糖は腸まで届いて善玉菌のエサになることで、腸内細菌のバランスを整えます。腸内環境が整うと便通の改善のほか、免疫力の向上、栄養の吸収効率アップなどの効果が期待できます。

肌や髪、筋肉など体組織のもとになるアミノ酸も、ハチミツには含まれています。なかでも含有量が多いアミノ酸「プロリン」は、肌の弾力を作るコラーゲンの主要成分のひとつです。プロリンを摂取すると、肌のハリの改善に役立つでしょう。

ハチミツにはビタミン類も含まれています。ビタミン類は、体の調子を整えるのをサポートする栄養素です。糖質や脂質、たんぱく質などエネルギー源となる栄養素の合成や分解にも関わります。

そして、ハチミツには鉄分やカリウムなどのミネラルも微量ながら存在します

鉄分は、血液中に含まれる赤血球の構成成分です。赤血球の役割は、体中に酸素を運ぶこと。そのため摂取量が不十分であれば、酸素が足りず疲労感や頭痛、息切れなどが起こります。

しかし食品からの吸収率は低く、不足しやすい栄養素であるといわれています。

カリウムは、体内の余分な塩分を排出する作用があるミネラルです。塩分の過剰摂取は、体のむくみや高血圧の原因となります。そのため塩分を摂り過ぎないこととともに、カリウムを摂取することが大切です。

▼ハチミツに含まれる栄養素

  • 糖質
  • オリゴ糖
  • アミノ酸
  • ビタミン類
  • ミネラル(鉄分やカリウムなど)

参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)|文部科学省
  :ハチミツの成分特性|榎本俊樹

ハチミツに含まれるそのほかの成分

次はハチミツに含まれる、健康増進に効果が期待できる成分を紹介します。

ハチミツにはグルコン酸という有機酸が含まれており、ハチミツのpHを弱酸性に保っています。そのためハチミツには細菌の増殖を防ぐ作用があり、細菌の感染による炎症を鎮める効果が期待できるでしょう。

また、グルコン酸には整腸作用もあります。グルコン酸は腸内でビフィズス菌などのエサになり、善玉菌を増やして、便通を改善してくれるでしょう。

赤ワインやチョコレート、緑茶などの成分として知られるポリフェノールは、ハチミツにも含まれています。

ポリフェノールの特徴は、強い抗酸化作用があることです。ポリフェノールは抗酸化作用により、体を酸化させて老化を促進させる「活性酸素」を除去します。

そのためポリフェノールには、活性酸素が原因となる肌のシミやシワを抑制したり、動脈硬化を予防したりする効果が見込めるでしょう。

参考:ハチミツの持つ抗菌作用と その養蜂における応用|ストイッチュ・マルコ、木村 澄
  :グルコン酸のヒト腸内菌叢に及ぼす影響|浅野敏彦、湯浅一博、欅田清彦、寺地務、光岡知足

ハチミツに鉄分が含まれるのはなぜ?

ハチミツに含まれる鉄分は、蜜を採取した植物が生えていた土壌に由来します。

植物は、根を通して土に含まれる水分を吸収しています。実はこのとき、水分とともに土壌に含まれる成分も吸収しているのです。土壌には鉄分や亜鉛、銅などのミネラルが含まれています。植物が土壌から吸い上げたミネラルが蜜へ移行するため、ハチミツには鉄分が含まれるのです。

ハチミツに含まれる鉄分の量は、ハチミツの種類により異なります。また同じ種類のハチミツでも、蜜の採取地が異なると鉄分の含有量にも差が見られます。これは、植物や土壌の違いによるものです。

植物によっては、選択的に鉄分を多く吸収するものがあると考えられています。また土壌に含まれるミネラルの量や比率は、場所により異なります。土壌に鉄分が多く含まれていると、植物はより多くの鉄分を吸収できるため、ハチミツの鉄含有量も多くなるのです。

参考:植物が取り込むミネラルについて | 日本植物生理学会
  :土壌の基礎知識|農林水産省

ハチミツは貧血に効くほど鉄分が多い?

次の表は、ハチミツとほかの食品100g当たりに含まれる、鉄分の含有量を比較したものです。

食品

鉄(mg)

ハチミツ

0.2

豚レバー

13.0

鶏レバー

9.0

納豆

3.3

ほうれん草

2.0

鉄分が豊富といわれる食べ物と比較すると、ハチミツに含まれる鉄分の量はあまり多くないことがわかります。

さらに、この表の数値は食品100g当たりの鉄含有量を示していることにも注意しましょう。ハチミツを一度に100gも摂取することはまずありません。ハチミツ大さじ1(21g)に含まれる鉄分の量は、わずか0.04mgです。

「日本人の食事摂取基準」では鉄分の1日当たりの摂取推奨量を、18歳以上の成人男性で7.5mg、成人女性で6.5mgとしています。そのうえ、生理がある女性は4.0〜4.5mgも多く鉄分を摂取する必要があります。

非常に栄養価が豊富なハチミツですが、鉄分不足を補い、貧血を予防するために摂取するのは効率的ではないでしょう。

参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)|文部科学省
  :日本人の食事摂取基準(2020 年版)|厚生労働省

ハチミツの鉄分と色の関係

ハチミツに含まれる鉄分の量と、ハチミツの色には関係があることを知っていますか?

種類が異なるハチミツを見比べると、色に違いがあることに気付くでしょう。ハチミツの色は淡い黄色から美しい黄金色、黒色に近い褐色をしたものまでさまざまです。

実は、ハチミツの色の違いは、花の蜜に含まれるミネラルの量に起因します

一般的に、蜜に含まれるミネラルの量が多いと、ハチミツの色は濃くなります。反対に、ミネラルの量が少なければ、ハチミツの色は薄くなるのです。

色が濃いハチミツはミネラルの含有量が多いため、鉄分も多く含まれる可能性が高まります。

ところが、ミネラル以外の理由でハチミツの色が濃くなることがあります。

長期間放置していたはちみつが、茶色く変色してしまったことはありませんか?これは、ハチミツに含まれる糖とアミノ酸が「メイラード反応」という化学反応を起こしたことが原因です。

またハチミツの鉄分とポリフェノールが結びついて、ハチミツが黒色に変色することもあります。これらの反応が起こるとハチミツの色は濃くなりますが、鉄分の量が増えたわけではありません。

色から鉄分の量を判断するには、ハチミツ本来の色なのか、変色によるものなのかを見極める必要があります

参考:はちみつに賞味期限がある理由は?賞味期限の設定方法は?|全国はちみつ公正取引協議会
  :果実およびそ菜類のタンニン成分(第5報)鉄イオンによる発色|中林 敏郎

参考:「ハチミツが鉄臭い」と感じることがある理由を考察

ハチミツを使っていると、まれにハチミツを「鉄臭い」と感じることがあります。前述のように、ハチミツ自体に含まれる鉄分の量はあまり多くありません。

そのためハチミツを鉄臭いと感じるのは、ハチミツに含まれる鉄分とは関係ないでしょう

ハチミツを鉄臭く感じるのは、金属と触れていたためと考えられます。ハチミツにはグルコン酸をはじめとする酸が多く含まれており、pHは4前後、弱酸性を示します。弱酸性といえどもハチミツに長期間触れていれば、多少なりとも酸による影響を受けると考えられるでしょう。

金属製のスプーンをハチミツに入れっぱなしにしていたり、瓶のふちにハチミツが付いたまま金属製のふたを閉めていたりすると、金属の臭いがハチミツに移るおそれがあります。短時間の接触では、金属の臭いが移る心配はありません。

しかしスプーンは使用したら取り出す、瓶のふちにハチミツが付いたら拭き取るなど、金属との接触には注意すると安心かもしれません。

参考:ハチミツの成分特性|榎本俊樹

鉄分が多く含まれるハチミツの種類

通常、色が濃いハチミツほどミネラルの含有量が多いといわれています。しかしハチミツは、変色して色が濃くなることもあります。

色での判断がむずかしいと思ったら、鉄分が多いハチミツの種類を覚えておくとよいでしょう。そこで、鉄分の含有量が多いハチミツの種類を紹介します。

そばハチミツ

濃い褐色が特徴的なそばハチミツは、その色が示すとおり、鉄分の含有量が多いことで知られています。ただし香りや味わいにクセがあるため、人によっては苦手と感じるかもしれません。

そばハチミツの香りは強く独特で、味わいには少しの苦みと黒糖のようなコクが感じられます。そのまま食べるのがむずかしい場合は、濃いめの味付けの料理に加えるとよいでしょう。

そば百花(スティックタイプ)

くりハチミツ

くりハチミツの色は、琥珀色から濃褐色まで幅がありますが、概して色が濃い傾向があります。そばハチミツほどではありませんが、くりハチミツにも鉄分が多く含まれています。

しかし、くりハチミツも香りや味わいが個性的であるため、好みが分かれるでしょう。

くりハチミツは、くりの渋皮を思わせるほろ苦い味わいや、カラメルのようなコクが特徴的です。味の主張が強いため、ブルーチーズなどのクセのある食品と合わせることをおすすめします。

くり百花(瓶タイプ)

月桂樹ハチミツ

月桂樹は「勝利」の象徴として扱われることもある、クスノキの仲間の樹木です。「ローリエ」の名前で、肉厚の葉が料理に使われることでも知られていますね。

月桂樹のハチミツは、鉄分の含有量が比較的多いことがわかっています。

月桂樹のハチミツの色は、透明感のある黄金色。香りはやさしく、すっきりとした甘みや清涼感のある風味を感じます。

そばハチミツやくりハチミツよりも食べやすい味わいですが、流通量は多くありません。月桂樹のハチミツを見かけたら、ぜひ手にとってみましょう。

参考:はちみつのミネラル類の含有量について|箱山年子、荻原和夫

栄養豊富な国産の純粋ハチミツなら「みつばちのーと」がおすすめ◎

オリゴ糖やビタミン、ミネラルが豊富なハチミツには、鉄分も含まれています。その含有量は貧血症状を改善するほどではありませんが、健康を支える栄養豊富な食品として、毎日摂取することをおすすめします。

毎日体に取り入れるなら、安心安全なものを選びたいですよね。体にやさしいハチミツであれば、みつばちのーとはいかがでしょうか?みつばちのーとで取り扱っているハチミツは、すべて天然の生ハチミツです。加熱処理や余計な混ぜものが一切されておらず、ハチミツ本来の栄養成分をそのまま摂取できます。風味も抜群で、毎日の生活を豊かなものにしてくれるでしょう。

ハチミツを健康づくりに活かしたい人は、みつばちのーとのハチミツも検討してみてくださいね。

NEW

メルマガ & LINE@
会員募集中

ハチミツの美味しい食べ方や採蜜エピソード、

スタッフコラム、期間限定商品、新蜜情報、

セール情報などをお届けします。

MAIL MAGAZINE

メールマガジン会員募集中

LINE@

LINE@友だち募集中
line

@mitsubachi-n

みつばちのーと
みつばちのーと編集部