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2024/4/25

ハチミツは低血糖対策に効果的?血糖値への影響も解説

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
管理栄養士、製菓衛生師、パティシエ 南谷 智佳子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科卒業。大学では栄養学全般を学び、栄養士および管理栄養士免許を取得。卒業後は管理栄養士として保育園で働いた後に、パティシエの道へ。修行後、個人店やホテルにて勤務。現在は管理栄養士兼パティシエとして、蜂蜜を使ったレシピなどを発信している。

食事を抜いたときや激しい運動をした後に、冷や汗が出たり手足が震えたりしたことはありませんか。それはもしかすると、低血糖状態に陥っていたのかもしれません。

そもそも低血糖とは、血糖値、つまり血液中に含まれるブドウ糖の濃度が異常に低くなる状態のこと。重篤な場合は意識を失う場合もあり、速やかに糖分を摂取するなどの対処が必要です。

身近な糖分といえば砂糖が真っ先に思い浮かぶ方が多いでしょうが、ハチミツを思い起こす方もいるのではないでしょうか。栄養素が豊富で、「パーフェクトフード」とも呼ばれるハチミツが、さらに低血糖にも有効なのであれば、ぜひとも低血糖の対策として活用したいですよね。

そこでこの記事では、低血糖に対するハチミツの効果について詳しく解説します。併せて、低血糖により効果的なハチミツの食べ方や、食べるタイミングについても紹介します。

ハチミツは低血糖の対策として有効?

結論から先に述べると、ハチミツは低血糖の対策に有効です。ハチミツに含まれる糖質は体に速やかに吸収されて、低血糖の予防や改善に効果を発揮するでしょう。

前述のとおり、低血糖とは血糖値が異常に低くなる状態のことです。低血糖になると冷や汗、手足の震え、頻脈、倦怠(けんたい)感、強い空腹感などが起こります。重度の場合はけいれんや昏睡の症状が現れ、命に危険が及ぶこともあります。

治療薬の影響などから、特に糖尿病の方は低血糖になりやすいため、注意が必要です。では糖尿病の方以外は無関係かといえば、そんなことはありません。食事を抜いたとき、激しい運動をしたとき、厳しい糖質制限をしているとき、食事を取らずに飲酒したときなどに、低血糖になるおそれがあります。

医師からの制限などがない場合、低血糖の対策としては糖分を摂取することが有効です。甘いハチミツにはもちろん糖質が含まれているうえ、果糖とブドウ糖をバランス良く含んでいます。果糖とブドウ糖はこれ以上分解できない、もっとも小さな単位の糖質であるため、体への吸収スピードが速いことが特徴です。

したがって低血糖になったときにハチミツを食べると、糖質が体に素早く吸収されて、危険な状態からの速やかな回復が期待できるというわけです。

砂糖もハチミツと同じように強い甘みがあるので、低血糖に効果があるように思えます。しかし、砂糖に含まれる糖質は果糖とブドウ糖が結びついたショ糖であるため、果糖やブドウ糖をそのまま摂取するよりは、体への吸収スピードが遅くなります。やはり、低血糖対策にはハチミツがおすすめです。

参考:
低血糖|糖尿病情報センター
アルコールを飲み過ぎないために 事前に知っておきたい対処法|糖尿病ネットワーク
砂糖の正しい知識を|農畜産業振興機構

【低血糖対策】ハチミツの効果的な食べ方

適切なハチミツの食べ方を知っていれば、ダイエット中などで低血糖が心配なとき、「低血糖かも」というときでも冷静に対応できますね。ここからは、低血糖対策としてハチミツを摂取する方法を紹介します。

ハチミツをそのまま食べる

ハチミツはそのまま食べるだけでも、もちろん低血糖への効果が見込めます。

上でも書いたとおり、ハチミツに含まれる糖質は果糖とブドウ糖です。直接血糖になるのはブドウ糖だけですが、果糖も体内でブドウ糖に作り替えられて血糖になります。

低血糖になったときは、ブドウ糖を10g摂取すべきとされています。同等のブドウ糖を摂取するには、ハチミツを30gほど、ティースプーン6杯程度を食べるとよいでしょう。

参考:
低血糖|糖尿病情報センター
日本食品標準成分表 2020年版(八訂)|文部科学省

ハチミツ水を飲む

ハチミツそのままでは甘すぎると感じる方にはハチミツ水がおすすめです。

ハチミツ水とは、その名のとおり、ハチミツを溶かした水のこと。水150mlにティースプーン6ほどのハチミツを加え、よく溶かします。忙しくてどうしても食事が取れなかったときや、運動の途中などにはハチミツ水を飲み、低血糖を予防しましょう。

ハチミツ飴をなめる

ハチミツ飴も、低血糖対策に効果が期待できます。

「糖質を多く含む甘いお菓子でよいのでは」と思う方もいるかもしれません。しかし多くのお菓子には、糖質以外の成分も含まれています。

代表的な成分が、脂質です。脂質は消化を遅らせて、糖質の吸収を妨げます。そのため、糖質が多いお菓子を食べても油脂の量も多ければ、低血糖対策として有用とはいいづらいでしょう。

一方で、ハチミツ飴に含まれるのはほぼ糖質のみです。したがって糖質がすぐに吸収されますので、低血糖時にも素早く回復できるでしょう。

ハチミツ飴には、持ち運びが容易といったメリットもあります。常に携帯していれば、外出先での突然の低血糖にも対応できますね。

参考:日本食品標準成分表 2020年版(八訂)|文部科学省

【低血糖対策】ハチミツを摂取する効果的なタイミング

低血糖になったときは、体に素早く吸収されるハチミツが有効です。とはいえ、低血糖を予防できるに越したことはありませんよね。

次はハチミツの摂取について、低血糖の予防により効果的なタイミングを解説します。

夕方の摂取で低血糖を予防

低血糖を予防するなら、夕方にハチミツを摂取しましょう。なぜなら、夕方は低血糖になりやすい時間帯であるためです。

体には、下がり過ぎた血糖値を上げる仕組みが備わっています。この機能の1つが、血糖値を上げるホルモンの一種「コルチゾール」です。

コルチゾールは夕方から夜にかけて分泌量が低下することがわかっています。また昼食から夕食までの時間間隔が、朝食から昼食に比べて長いことも、夕方に低血糖になりやすい原因といえるでしょう。

仕事などの都合で、夕食を摂る時間がどうしても遅くなる場合もありますよね。空腹状態が長く続くと低血糖のリスクが高まります。夕方にハチミツを摂取し、低血糖を防ぎましょう。

参考:時間栄養学と健康|加藤秀夫、国信清香、齋藤亜衣子、出口佳奈絵、西田由香、加藤悠

寝る前の摂取もおすすめ

夜寝る前にハチミツを摂取すれば、睡眠中の低血糖を予防できます。

寝汗をかく、睡眠中に歯ぎしりをする、悪夢を見るなど睡眠の質が悪い方は、眠っている間に低血糖になっているおそれがあります。起床時に頭痛や肩こり、疲労感がある方も、睡眠中の低血糖で眠りの質が低下しているかもしれません。

睡眠中に低血糖になる原因は、少食や欠食、夜遅くまでの飲酒などが考えられます。睡眠中の低血糖は症状を自覚しにくいため、いつの間にか重症化してしまう可能性も。就寝前のハチミツ摂取で低血糖を予防するとともに、食事や飲酒など生活習慣の改善も心掛けましょう。

参考:歯ぎしり、寝汗…潜む意外な原因「夜間低血糖」|日本経済新聞

ハチミツと血糖値の関係について

ここまで、ハチミツが低血糖に有効であることを紹介してきました。しかしハチミツは糖質が多いため、血糖値が上がり過ぎて体に負担をかけるのではと心配になる方がいるかもしれません。

ここからは、ハチミツと血糖値の関係について詳しくみていきましょう。

血糖値の上昇が緩やか

ハチミツには糖質が多く含まれ、低血糖に効果的である一方で、血糖値を上げにくい食品であるといわれています。

そもそも、摂取された糖質はブドウ糖に分解されて、一度血中に入ります。その後はエネルギーとして吸収されたり、余った分は肝臓に送られたりしますが、過剰にブドウ糖を摂取すると肝臓に送っても足りず、血糖が跳ね上がってしまいます。これが高血糖です。

高血糖には糖尿病や動脈硬化などのさまざまな健康リスクがあることは、周知のとおりでしょう。

また血糖値の急上昇も避けるべきです。

例えば朝食を抜いた状態で大量の食事を取るなどして急激に血糖値が上がると、血糖値の吸収を働きかけるホルモン「インスリン」が必要以上に分泌され、かえって低血糖になるおそれがあるためです。

その点、ハチミツは糖質を含むものの、血糖値を上げづらい食品です。

前述のとおり、ハチミツに含まれる糖質はブドウ糖だけでなく、果糖も含みます。血糖値は血中のブドウ糖の割合ですので、果糖が直接的に血糖値を上げることはありません。

実際、食後血糖値の上がりやすさを示す数値である「GI値」は、砂糖が100近くである一方で、多くのハチミツは50前後でした(数値が高いほうが血糖値が急激に上昇しやすい)。

※果糖が血糖値をまったく上げないわけではありません。直接的に血糖値を上げることはしませんが、一部はブドウ糖となり血糖値を上昇させます。

とはいえもちろんハチミツも、大量に食べれば血糖値は上昇します。ハチミツを食べるときは、適量の摂取を心掛けてくださいね。

参考:
食後高血糖|e-ヘルスネット|厚生労働省
GI検索|シドニー大学

血糖値が長時間安定する

ハチミツを食べると、緩やかに上昇した血糖値が長時間安定することがわかっています。一説には、果糖とブドウ糖をバランス良く含んでいることが要因だといわれてます。

ハチミツが、睡眠中の低血糖対策に効果的であることは前述しました。睡眠中は、低血糖になっても糖質を摂取できません。しかし寝る前にハチミツを摂取すれば血糖値が長く安定し、睡眠中の低血糖を回避できるでしょう。

睡眠の質が向上すれば、実にさまざまなメリットがあります。

ヨーグルトとの組み合わせも効果的

定番であるハチミツとヨーグルトの組み合わせも、血糖値が上がりにくいとされています。

ヨーグルトには糖質の一種である乳糖が含まれていますが、プレーンヨーグルトのGI値は20あまりです。したがって、ヨーグルトは血糖値を上げにくい食品といえるでしょう。

さらにヨーグルトに含まれる乳酸菌は、消化管ホルモン「GLP-1」の分泌を促します。GLP-1の役割は、血糖の吸収を働きかけるホルモン「インスリン」の分泌を促すこと。したがって、ヨーグルトを食べると血糖の吸収が促進されて、血糖値が上がりにくくなります。

また乳酸菌は、ヨーグルトの乳糖を分解させて乳酸を作ります。乳酸は胃の分泌ホルモンを抑制するため、食べたものが胃から小腸へ移動する速度がゆっくりになり、糖の吸収を緩やかにします。

低GIで果糖も含むハチミツと一緒に食べることで、血糖値の上昇抑制効果を十分に発揮してくれるはずです。

参考:
GI検索|シドニー大学

糖尿病でもハチミツを食べても大丈夫?

ハチミツは砂糖などと比べて血糖値が上がりにくく、低血糖の対策としても有効であることを見てきました。

とはいえハチミツに糖質が含まれていないわけではありませんので、食べ過ぎは高血糖を引き起こす場合があります。よって糖尿病であるならば、摂取は控えるべきでしょう。

とはいえハチミツには血糖値の上昇を緩やかにする作用があるため、適切な量に限り、糖尿病の方が食べても問題はないといえます。

ここからは、ハチミツと糖尿病の関係について解説します。

糖尿病は低血糖になりやすい

糖尿病は、インスリンの分泌や作用に異常が生じて、血糖値が下がりにくくなる病気です。治療には血糖値を下げる薬物を使用する場合が多く、薬の作用でかえって低血糖になる場合がしばしばあります。

特に夕方や睡眠中は、注意が必要です。

ハチミツをうまく活用することで、糖尿病に起因した低血糖の対策ができるでしょう。

摂り過ぎに注意

ハチミツには糖質が豊富に含まれるため、糖尿病の方は摂取量に注意してください。

空腹時にハチミツをたくさん食べると、血糖値が急上昇して体に負担がかかるでしょう。またハチミツは高カロリーであることから、食べ過ぎは肥満につながります。肥満も糖尿病を悪化させる原因になるので、少量の摂取にとどめてください。

ハチミツは低血糖からの回復に効果的です。しかし、糖尿病の方が低血糖予防のためにハチミツを習慣的に利用する場合は、必ず医師や管理栄養士に相談しましょう

糖質ゼロのハチミツはある?

残念ながら、糖質ゼロのハチミツは市販されていません。

糖質オフのハチミツ風シロップは流通しています。しかし厳密にはハチミツではないため、豊かな風味を楽しんだり、自然由来の栄養素を摂取したりはできません。

ハチミツ本来のおいしさや高い栄養価は、ほかの食品には代えがたいものがあります。糖質やエネルギーの摂取量が気になる方は、良質なハチミツを少量ずつ味わって食べてはいかがでしょうか。

低血糖対策に効果的な純粋生ハチミツは「みつばちのーと」で◎

ハチミツに含まれる糖質は体に素早く吸収されるため、低血糖対策に効果が期待できます。そのうえ血糖値の上昇は緩やかで、長時間血糖値を安定させる効果もあることから、体にあまり負担がかかりません。低血糖の予防や低血糖からの回復に、ハチミツを活用してみましょう。

低血糖対策には、混ぜものが加えられていない純粋生ハチミツがおすすめです。水飴やほかの糖分が加えられた商品では、ハチミツ本来の糖質がスムーズに吸収されない可能性があります。

みつばちのーと」では、静岡県伊豆半島産の高品質な純粋生ハチミツを取り扱っています。低血糖対策にハチミツを利用するなら、おいしくて良質なみつばちのーとのハチミツを試してみてくださいね。

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