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2023/10/25

アガベシロップとハチミツの違いは?効果や使い方を解説

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
養蜂家 田中 章雄
宇都宮大学農学部農業環境工学科卒業。農業ベンチャー企業で勤務する中で養蜂と出会い、広島に移住して養蜂の修行を積む。2015年3月に静岡県伊東市で養蜂家として独立。日々養蜂家として勉強の日々を過ごしている。

アガベシロップは健康に良い甘味料として近年注目を集めていますが、ほかの甘味料との違いについて知っていますか。

この記事では、アガベシロップの特徴をはじめ、ハチミツやメープルシロップなどほかの甘味料との違いについて詳しく解説します。アガベシロップに関する疑問点についても解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

アガベシロップとは?

まず、アガベシロップの基本情報について確認しましょう。

アガベシロップとは、メキシコなどの中南米に自生するアガベ(リュウゼツラン)という植物の樹液から作られる甘味料です。

アガベは300種類以上の品種があり、古くからテキーラの原料としても利用されていますが、シロップが取れるのはブルーアガベとサルミアナというたった2種類だけ。

このことから、アガベシロップが貴重な甘味料であることがわかるでしょう。

天然の甘味料であるアガベシロップは健康志向の人からも人気ですが、健康においてどのような効果が期待できるのでしょうか。

また、アガベシロップに危険性はあるのかどうか、どのような使い方ができるのかどうかについても、それぞれ解説します。

アガベシロップの効果

アガベシロップに期待できる効果としては、以下が挙げられます。

  • GI値が低く、血糖値の急上昇を抑える
  • 腸内環境の改善に役立つ
  • 抗酸化作用が期待できる

アガベシロップが注目される最大の理由は、そのGI値の低さです。

GI値とは、血糖値の上がり方を示す指標のひとつ。

GI値が高いほど血糖値が上がりやすく、GI値が低ければ血糖値も上がりにくくなります。

血糖値が上がると、血液中の糖が脂肪として溜め込まれるようになるため、血糖値の上がり方はできるだけ緩やかなほうが脂肪の蓄積を抑えられるほか、血管や臓器など体への負担も軽くすることができます。

一般的な上白糖のGI値が109なのに対して、アガベシロップのGI値は21と極めて低いことから、アガベシロップは血糖値が上がりにくく、脂肪の蓄積を抑えやすい甘味料として注目されているのです。

また、アガベシロップにはイヌリンという水溶性食物繊維が豊富に含まれています。

水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあるため、お通じの改善などにも効果が期待できるといわれています。

さらに、アガベシロップには「ケルセチン」や「ケンペロール」というポリフェノールが含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用が期待できます。

これらのポリフェノールは、生活習慣病の予防やアンチエイジングなどへの有効性も示されていることなどから、アガベシロップは健康に良いと人気を集めているのです。

アガベシロップの危険性

しかし、一部では「アガベシロップは危険である」という情報もあります。

アガベシロップの危険性として挙げられているのは、主に以下の2点です。

  • 肝臓に負担がかかる
  • 商品のなかには天然成分100%でないものがある

アガベシロップの摂取によって肝臓に負担がかかるといわれるのは、アガベシロップの主成分である「フルクトース(果糖)」のほとんどが肝臓でしか代謝できないためです。

フルクトースは血液中でほとんど分解されないため、アガベシロップは血糖値を上げにくい低GI食品となりますが、その分フルクトースの分解を行う肝臓には負担がかかります。

しかし、フルクトースはあらゆる砂糖や果物などにも含まれている成分です。そのため、アガベシロップを極端に食べ過ぎなければ、肝臓に悪い影響を及ぼす心配はありません。

もう1点の危険性として挙げられているのが、商品によっては天然成分100%の甘味料でない可能性があるということ。

アガベシロップは本来天然成分100%の甘味料ですが、生産に時間がかかることなどから、一部の商品では人工甘味料や果糖ブドウ糖液糖などが添加されている場合があります。

こうした添加物が入ったアガベシロップでは、アガベシロップ本来の効果は期待できないため、購入時には原材料表示や原産国などもしっかりと確認することが大切です。

アガベシロップの使い方

アガベシロップは、基本的に通常の砂糖と同じように甘みをつける甘味料として使用できます。

アガベシロップはサラサラとした液状であるため、飲み物やヨーグルトなどにも混ぜ合わせやすいほか、料理にも活用できます。

また、アガベシロップはもともと加熱して製造されるため、加熱によって栄養成分が変化してしまうようなこともありません。

ただし、フルクトースが主成分となるアガベシロップは、砂糖よりも約1.3〜1.5倍強い甘みを持つため、砂糖の代用として使用する場合は量の調整が必要です。

砂糖をアガベシロップに置き換える場合、砂糖の量から約25%減らした量にすれば、砂糖と同程度の甘みに調整ができますよ。

アガベシロップとハチミツの違いは?

アガベシロップとハチミツはどちらも天然由来の甘味料ですが、それぞれにはどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは両者の違いについて、原材料や味、栄養素などさまざまな面から比較します。

原材料の違い

まずは原材料の違いですが、アガベシロップはアガベの樹液であるのに対して、ハチミツはミツバチが集めた花の蜜が原材料となります。

どちらも天然成分100%の甘味料ではありますが、その原材料は全く異なることを押さえておきましょう。

味や甘さの違い

アガベシロップとハチミツはどちらも甘い味わいですが、その香りや風味には大きな違いがあります。

アガベシロップは淡い琥珀色で、香りはほとんどありません

それに対してハチミツは、種類によって色の濃さが異なるほか、蜜源の花の種類の違いによって、優しい花の香りや爽やかでフルーティーな香りなどを楽しむことができます。

また、ハチミツはとろみがありますが、アガベシロップはサラサラとした液状であることも違いのひとつでしょう。

カロリーの違い

では、アガベシロップとハチミツそれぞれのカロリーには違いがあるのでしょうか。

以下の表は、アガベシロップとハチミツ、そして上白糖のカロリーを示したものです。

種類100gあたりのカロリー

アガベシロップ

310kcal

ハチミツ

328kcal

上白糖

391kcal

※ハチミツと上白糖は日本食品標準成分表2020年版(八訂)から引用。

アガベシロップについては日本食品標準成分表に記載がないため、複数の商品をもとにした推定値を記載しています。

アガベシロップ、ハチミツ、上白糖のカロリーを比較すると、このなかではアガベシロップが最も低カロリーとなっています。

しかし、アガベシロップとハチミツのカロリーの差はごくわずかであるため、実際の使用量を考慮すると、この2つのカロリーの差はほとんどないと考えてよいでしょう。

栄養(期待できる効果)の違い

アガベシロップとハチミツでは、含まれる栄養素や期待できる効果にも違いがあります。

以下の表は、それぞれに含まれる栄養素・成分と、期待できる効果について簡単に示したものです。

種類含まれる栄養素・成分期待できる効果

アガベシロップ

フルクトース

血糖値が上がりにくい

イヌリン

腸内環境の改善

ケルセチン・ケンペロール(ポリフェノール)

抗酸化作用・抗炎症作用

ハチミツ

ブドウ糖・フルクトース

血糖値の上がり方が緩やか

オリゴ糖・グルコン酸

腸内環境の改善

ポリフェノール

抗酸化作用・抗炎症作用

グルコースオキシダーゼ(酵素)

抗菌作用

まず、両者を構成する糖類についてですが、アガベシロップはフルクトースが大部分を占めるのに対して、ハチミツにはブドウ糖とフルクトースの両方が含まれています。

そのため、アガベシロップとハチミツでは、アガベシロップのほうが血糖値を上げにくい甘味料となります。

しかし、ハチミツにもフルクトースが含まれているため、ハチミツも上白糖よりは血糖値の上がり方を緩やかにすることができます。

アガベシロップとハチミツのどちらにも期待できる効果としては、腸内環境の改善効果と抗酸化作用・抗炎症作用が挙げられます。

腸内環境の改善効果に繋がる成分は両者で異なるものの、どちらもお腹の健康に良い効果を与えてくれるでしょう。

アガベシロップとハチミツのそれぞれ効果のなかで、最も大きく異なる点はハチミツが持つ抗菌作用です。

ハチミツにはグルコースオキシダーゼという酵素が含まれており、この酵素をもとに発生する過酸化水素によって、ハチミツは強い抗菌作用を発揮します。

そのため、ハチミツは喉の痛みや風邪の症状を緩和したり、傷口の治りを早くするなどの効果が期待できます。

アガベシロップにはこの抗菌作用はないため、その点はこの2つに期待できる効果の大きな違いといえるでしょう。

アガベシロップはハチミツの代わりになる?

ここまで、アガベシロップとハチミツについてさまざまな比較をしましたが、アガベシロップはハチミツの代わりになるのでしょうか。

代用する際の注意点や分量などについても説明するので、アガベシロップをハチミツの代わりに使いたいと考えている人もぜひ参考にしてみてください。

基本的には代用できる

アガベシロップは、基本的にハチミツの代用として使用することができます。

どちらも甘みをつける液状の食材であるため、甘さの調整に気をつけることができれば、同じような使い方で使用可能です。

味や風味の違いには注意

ただし、アガベシロップとハチミツには味や風味の違いがあり、組み合わせる食材・料理によっては、その味わいが変わってしまうため注意が必要です。

アガベシロップは無臭ですが、ハチミツにはハチミツならではの豊かな香り、コク深い甘さがあります。

そのため、ハチミツの香りや風味を生かしたレシピにアガベシロップを使用すると、香りや味わいにおいて物足りなさが出てしまう可能性が高いです。

一時的にハチミツをアガベシロップに置き換えることは可能ですが、もともとハチミツを使用したレシピには、できるだけハチミツを使用するのが望ましいでしょう。

高品質で風味豊かなハチミツであれば、国産天然ハチミツを取り扱う『みつばちのーと』もチェックするのがおすすめですよ。

代用する場合の分量

ハチミツの代用としてアガベシロップを使用する場合には、ハチミツの分量よりもアガベシロップをやや少なめにする必要があります。

これは、ハチミツの甘さが砂糖の約1.3倍なのに対して、アガベシロップの甘さは砂糖の約1.3〜1.5倍であるためです。

アガベシロップは商品によって甘みに多少の違いがありますが、ハチミツをアガベシロップに置き換える場合には、ハチミツの量から85〜90%減らした量にすれば、ハチミツと同程度の甘みに調整することができます。

アガベシロップとハチミツ以外の甘味料の違い

ここでは、アガベシロップとハチミツ以外の甘味料の違いについて解説するので、参考にしてみてくださいね。

アガベシロップとメープルシロップの違いは?

メープルシロップは琥珀色のシロップ状であるため、見た目はアガベシロップにもよく似ています。

また、アガベシロップはアガベの樹液、メープルシロップはカエデの樹液が原材料となっており、どちらも樹液から作られるといった共通点もあります。

しかし、それぞれの風味や味わいには違いがあり、メープルシロップはカラメルのような香ばしさのある香りが大きな特徴となります。

また、アガベシロップはフルクトースが多い分GI値が21と低いのに対して、メープルシロップのGI値は50〜70程度(種類によって異なる)となるため、血糖値への影響にも大きな違いがあるといえるでしょう。

メープルシロップとハチミツの違いについては、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

アガベシロップとオリゴ糖の違いは?

アガベシロップとオリゴ糖も、甘みのあるシロップ状の甘味料として似ているイメージが強いかもしれませんね。

どちらもGI値が低く血糖値を上げにくい点、両者ともに腸内環境の改善効果が期待できる点は、この2つの共通点といえるでしょう。

また、どちらも無臭のため、料理の味を邪魔することなく使いやすいといった共通点もあります。

しかし、アガベシロップは琥珀色なのに対してオリゴ糖は無色透明であるほか、オリゴ糖の原材料は砂糖や大豆、でんぷんなどさまざま。

そしてこの2つの決定的な違いは、甘みの強さです。

アガベシロップは砂糖の約1.3〜1.5倍の甘さですが、オリゴ糖は砂糖の30〜50%程度の甘みしかなく、あっさりとした味わいとなっています。

そのため、実際にこの2つを食べ比べた場合、両者の大きな違いに気づくでしょう。

オリゴ糖とハチミツの違いについては、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

どちらも健康的!ハチミツにこだわりたい方は「みつばちのーと」がおすすめ◎

この記事では、アガベシロップの特徴や効果、そしてハチミツとの違いについて詳しく解説しました。アガベシロップとハチミツはまったくの別物ですが、それぞれにメリットがあることがわかりましたね。

2つを比較して、ハチミツによる抗菌作用や豊かな風味を味わいたいと感じた人には、『みつばちのーと』のハチミツがおすすめです。

『みつばちのーと』では天然成分100%の国産純粋ハチミツを種類豊富に取り揃えており、風味豊かな上品な甘さのハチミツを楽しめます。

この記事を読んでハチミツが気になったら、ぜひ『みつばちのーと』のハチミツをチェックしてみてくださいね。

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