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2024/4/25

ハチミツは花粉症に効果がある?アレルギーが悪化する可能性についても解説

みつばちのーと編集部
この記事を監修した専門家
管理栄養士、製菓衛生師、パティシエ 南谷 智佳子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科卒業。大学では栄養学全般を学び、栄養士および管理栄養士免許を取得。卒業後は管理栄養士として保育園で働いた後に、パティシエの道へ。修行後、個人店やホテルにて勤務。現在は管理栄養士兼パティシエとして、蜂蜜を使ったレシピなどを発信している。

咳や鼻水、目のかゆみなど辛い症状を引き起こす花粉症ですが、ハチミツを摂ることで花粉症の症状を予防したり、緩和したりする効果は期待できるのでしょうか。

この記事では、ハチミツと花粉症をテーマに、期待できる効果や注意点、おすすめのハチミツなどについて詳しく解説します。具体的な取り入れ方も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

【予防】花粉症の人が期待できるハチミツの効果・効能

まず、ハチミツの摂取によって花粉症の症状を抑えたり、花粉症にならないようにしたりする予防効果があるのかどうかについて、確認しましょう。

結論からいうと、ハチミツ摂取による花粉症の予防効果については、明確な科学的根拠は確立されていません。

しかし、ハチミツには抗菌作用や抗炎症作用などをもつポリフェノールが含まれているため、これらのはたらきによってアレルギー反応を抑える効果が期待できると考えられています。

また、ハチミツには腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整えるはたらきがあります。

腸には数多くの免疫細胞が集まっており、さまざまな免疫機能に関わっているため、腸内環境が整うことで免疫機能が正常にはたらき、アレルギー反応も起こりにくくなる可能性も指摘されています。

いずれも直接的に花粉症の症状を予防するわけではありませんが、ハチミツを摂取することで、間接的に花粉症の症状を出にくくする予防効果は期待できる可能性があります。

出典:
季節性アレルギーを緩和するための補完療法について知っておくべき6つのこと|厚生労働省
アレルギーとフラボノイド|田中敏郎、平野亨、比嘉慎二、有光潤介、河合麻理
腸内細菌叢を標的としたアレルギー疾患発症予防|成田 雅美

【症状緩和】花粉症の人が期待できるハチミツの効果・効能

次に花粉症の症状に対して、ハチミツの摂取によって期待できる効果・効能について解説します。

ハチミツの摂取によって花粉症を治すことができるわけではありませんが、すでに花粉症を発症しており、辛い症状を少しでも緩和したい方はぜひ参考にしてくださいね。

喉の不快感を緩和する

花粉症の症状のなかには、喉が痛くなったり、イガイガしたりするなどの不快感が生じることがありますが、ハチミツの摂取によってその症状を緩和する効果が期待できます。

ハチミツはその主成分の約8割が糖類であることから、高い保湿作用を有しています。

喉の痛みやイガイガとした不快感は、喉の粘膜に炎症が起こることによって引き起こされますが、ハチミツを摂取するとその保湿作用によって喉の粘膜を保護できるのです。

喉の粘膜がしっかり潤い保護された状態になると、花粉が喉の粘膜に付着することを防ぐ効果も見込めるため、喉の不快感を予防することにもつながるといえるでしょう。

また、花粉症になると鼻水によって鼻がつまりやすく、無意識のうちに口呼吸になってしまうことも多いものです。

その点からも、ハチミツの摂取によって喉の粘膜を保護しておくことは、喉の不快感の緩和において大きな役割を果たしてくれるといえます。

咳の症状を緩和する

花粉症の症状には個人差がありますが、咳の症状がひどくなる方もいるでしょう。

ハチミツには咳の症状を緩和する効果も期待されており、実際にハチミツと咳にまつわる研究報告も数多くなされています。

そもそも花粉症によって咳が出るのは、花粉が喉や気管の粘膜に付着して、刺激を加えることが原因です。

さらにその刺激が慢性化すると、喉や気管の粘膜が炎症を起こし、咳がひどくなったり、なかなか止まらなくなったりしてしまいます。

ハチミツが咳の症状を緩和する具体的なメカニズムについては明らかになっていないものの、この効果はハチミツに含まれるポリフェノールや保湿作用による効果であると考えられています。

出典:
Effect of honey, dextromethorphan, and no treatment on nocturnal cough and sleep quality for coughing children and their parents|Ian M Paul, Jessica Beiler, Amyee McMonagle, Michele L Shaffer, Laura Duda, Cheston M Berlin Jr
Honey plus coffee versus systemic steroid in the treatment of persistent post-infectious cough: a randomised controlled trial|Mohammad Ali Raeessi , Jafar Aslani, Neda Raeessi, Homa Gharaie, Ali Akbar Karimi Zarchi, Fereshteh Raeessi

免疫機能を正常化する

前章でも説明したように、ハチミツには腸内環境を整えて免疫機能を正常化するはたらきが期待できます。

ハチミツに含まれるオリゴ糖やグルコン酸という成分は、腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やすはたらきがあるため、腸内環境を整える効果が確認されています。

花粉症をはじめとするアレルギー反応は、体内に侵入した異物(花粉症では花粉)に対して免疫機能が過剰に反応することによって引き起こされますが、腸内環境が整い免疫が正常に機能していると、このアレルギー反応を和らげる可能性が期待できるのです。

ハチミツそのものが直接的に花粉症の原因を排除するわけではありませんが、免疫機能の正常化によって、アレルギー反応による辛い症状を緩和する効果は期待ができるといえるでしょう。

出典:オリゴ糖   e-ヘルスネット|厚生労働省

花粉症の人がハチミツを摂ると症状が悪化することもある?

ハチミツは、花粉症の症状緩和に対して良い効果をもたらす可能性が期待できますが、一方で症状が悪化するおそれがあるといわれることもあります。

ここでは、花粉症の方がハチミツを摂ることによって起こりうる症状について解説します。

花粉症症状の悪化

天然成分100%のハチミツには微量の花粉が含まれていることがあり、この花粉によって、まれに花粉症の症状が悪化することがあります。

しかしハチミツに含まれる花粉は、一般的に花粉症を引き起こすスギやヒノキ、ブタクサなどの花粉とは種類が異なります。

そのため、花粉が含まれているハチミツを花粉症の方が摂取した場合でも、基本的には花粉症の症状が悪化することは少ないと考えてよいでしょう。

アレルギー反応の発現

花粉症の方がハチミツを摂ると、場合によってはアレルギー反応が出てしまうことがあります。

前提として、一般的によく知られる食物アレルギーの原因物質はたんぱく質であるため、糖類を主成分とするハチミツそのものの成分によってアレルギー反応が起こることはありません。

しかし、先述したようにハチミツには花粉が含まれていることがあるため、特定のアレルギーをもつ方やアレルギー体質の方がハチミツを摂取すると、まれに蕁麻疹やかゆみ、喉の腫れなどの反応が発現することがあります。

ハチミツの蜜源となる花にはさまざまな種類がありますが、そばやりんご、オレンジなどはアレルギーを引き起こしやすい食品です。

そのため、これらの食物アレルギーをもつ方、また花粉をはじめさまざまなアレルギー反応が出やすい体質の方は、ハチミツの摂取やその種類に注意しましょう

非常にまれなケースですが、過去には、ハチミツの蜜源となる花がもつ毒素やミツバチの分泌物に対して、アレルギー反応が発現したという事例があります。

とはいえ、これまで問題なくハチミツを食べてきた方や、国内販売されているハチミツを食べた場合では、ほとんど心配する必要はないといえるでしょう。

出典:
食物アレルギー|厚生労働省
よくある質問|全国はちみつ公正取引協議会
日本で発生した蜂蜜中毒の 1 例|稲垣剛志、萩原章嘉、長島彩子、木村昭夫

花粉症の症状緩和に効くハチミツの摂り方・レシピ

ここでは、花粉症の症状の緩和に効果が期待できるハチミツの摂り方について紹介します。

ハチミツとほかの食品を組み合わせることによって、症状緩和の効果を高める可能性も期待できるため、気になる方はぜひ参考にしてくださいね。

ハチミツレモンドリンク

ハチミツとレモンは、美味しさの面からも定番の組み合わせとして知られますが、花粉症の症状緩和においてもうれしい組み合わせとなります。

レモンに多く含まれているビタミンCは強い抗酸化作用を有しており、このはたらきによってアレルギーを引き起こす原因物質であるヒスタミンの放出を抑制する効果が示されています。

また、レモンの皮や白い部分(内果皮)に含まれているヘスペリジンという成分にも、ビタミンC同様の抗アレルギー作用が確認されています。

そのため、ハチミツとレモンを組み合わせた飲み物は、両者がもつ抗酸化作用やレモンのビタミンC、ヘスペリジンなどの効果によって、花粉症の辛い症状を抑える効果が期待できるといえるでしょう。

出典:
「ビタミン類が有する抗アレルギー作用」のメカニズムを解明|公立大学法人 宮城大学
柑橘ポリフェノール「糖転移ヘスペリジン」の機能性食品分野における可能性|三皷仁志

ハチミツヨーグルト

ハチミツとヨーグルトの組み合わせも定番の1つですが、この組み合わせも花粉症の症状緩和に効果が期待できます。

これはヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌によって、腸内環境を整えるはたらきがあるためです。

ハチミツに含まれるオリゴ糖やグルコン酸は、ヨーグルトの乳酸菌やビフィズス菌のエサとなるため、この2つを組み合わせて取り入れることで、より高い腸内環境の改善効果が期待できます。

腸内環境と免疫機能は密接に関係していることから、腸内環境の改善は花粉によるアレルギー反応も和らげる効果が期待できるでしょう。

ハチミツジンジャーシナモンティー

花粉症に効果的といわれる食品は積極的に取り入れたいという方には、ハチミツとしょうが、さらにシナモンと紅茶を組み合わせたハチミツジンジャーシナモンティーもおすすめです。

その名のとおり、紅茶にハチミツと少量のすりおろししょうが、そしてシナモンパウダーを加えたドリンクですが、これらはそれぞれに花粉症の症状を和らげる効果が期待できるといわれています。

まず、しょうがはジンゲロールやショウガオールといった辛味成分によって、ヒスタミンの放出を抑え、咳や鼻水、くしゃみなどといった花粉症症状を緩和することが示されています。

紅茶も、成分中に含まれるポリフェノールのカテキンのはたらきによってヒスタミンの放出を抑制し、花粉症の不快な症状を緩和する効果が確認されていますよ。

シナモンについては、十分な科学的根拠は不足しているものの、抗菌作用や血行促進効果によって花粉症によるくしゃみを予防する可能性が示唆されています。

つまり、これらの食材を組み合わせたハチミツジンジャーシナモンティーは、花粉症の諸症状に良い効果をもたらす可能性が期待できるでしょう。

出典:
ショウガによるアレルギー性鼻炎予防と6-ジンゲロールによるT細胞不活性化による免疫抑制の分子基盤|Kawamoto Yoshiyuki, Ueno Yuki, Nakahashi Emiko, Obayashi Momoko, Sugihara Kento, Qiao Shanlou,  Iida Machiko, Kumasaka Mayuko Y., Yajima Ichiro, Goto Yuji , Ohgami Nobutaka, Kato Masashi, Takeda Kozue 
研究レポート】カテキン類含有飲料が花粉症を緩和|伊藤園
シナモン-成分情報-わかさの秘密|わかさ生活

種類によって違う?ハチミツの花粉症への効果・効能について

では、ハチミツの花粉症への効果・効能は、ハチミツの種類による違いがあるのでしょうか。

ここでは、健康効果が特に高いとされる各種ハチミツの花粉症への効果・効能について解説します。

マヌカハニー

マヌカハニーは、通常のハチミツよりも高い抗菌作用があることで知られていますね。

マヌカハニーはその抗菌作用の高さからさまざまな健康効果が期待されていますが、花粉症をはじめとするアレルギー疾患の治療にも効果が期待できるのではないかといわれています。

実際に、マヌカハニーの摂取によってアレルギーによる炎症を抑制する効果が確認できたという研究も報告されています。

花粉症との直接的な関連性については示されていないものの、マヌカハニーには花粉によるアレルギー症状を出にくくしたり、症状を緩和したりする可能性があるといえるでしょう。

出典:アレルギー疾患の治療薬としての蜂蜜の使用の可能性:ミニレビュー| Aw Yong Poi Yi,Islam Fahmida,Harith Hanis Hazeera,Israf Daud Ahmad, Tan Ji Wei, Tham Chau Ling

ジャラハニー

ジャラハニーとはオーストラリア原産のジャラの木から採れるハチミツで、マヌカハニー同様、近年注目を集めています。

「ジャラハニーが花粉症に効く」という科学的根拠は示されていないものの、その抗菌作用は通常のハチミツよりも高いことが確認されています。

そのため、その抗菌作用によってアレルギー反応を抑制したり、喉の痛みや咳の症状などを緩和する可能性が期待できると考えられていますよ。

ジャラハニーは生産量が少なく、マヌカハニー以上に希少なハチミツといわれていますが、気になる方は一度試してみる価値がありそうです。

花粉入りハチミツ

天然成分100%のハチミツの場合、いずれの商品にも花粉が含まれている可能性がありますが、「花粉入り」として販売されているハチミツもあります。

前章では「ハチミツに含まれる花粉によって、花粉症の症状が悪化するおそれもある」と解説しましたが、近年ではあえて花粉入りハチミツを食べて体内に花粉を取り入れることで、花粉症への抵抗力が高められるのではないか、ともいわれています。

具体的な効果やそのメカニズムについてはまだ研究段階ではありますが、今後花粉症に効果的なハチミツとして、花粉入りハチミツが人気になる可能性もゼロではないでしょう。

花粉症に効くおすすめのハチミツは?

ハチミツは花粉症の症状緩和につながる良い効果が期待できることがわかりましたが、それらの効果を発揮するためには、ハチミツの選び方も大切です。

より多くの効果を期待したい方は、天然成分100%の純粋生ハチミツを選ぶようにしましょう。

余計な混ぜものが入っていない純粋ハチミツ、かつ加熱処理がされていない生ハチミツであれば、ハチミツ本来の栄養素をそのまま摂取することができます。

ハチミツの抗菌作用や抗炎症作用、腸内環境の改善効果などはポリフェノールやオリゴ糖、グルコン酸、酵素などによるはたらきであるため、これらの栄養素もしっかり摂取できる純粋生ハチミツを選ぶことで、より高い花粉症への予防効果・症状緩和の効果が期待できます。

国産の純粋生ハチミツは「みつばちのーと」がおすすめ◎

ハチミツの摂取によって花粉症が治ったり、直接的に花粉症を予防したりする効果は確立されていないものの、ハチミツがもつさまざまな健康効果によって、花粉症の諸症状や不快感を予防・緩和する可能性は十分期待できることがわかりましたね。

また、それらの効果を期待する場合には、純粋生ハチミツの選択も大切です。

「みつばちのーと」では、国産の純粋生ハチミツを種類豊富に取り揃えています。美味しいハチミツを楽しみながら、花粉症への予防効果・症状緩和の効果も期待してみたいという方は、ぜひ「みつばちのーと」の国産純粋生ハチミツもチェックしてみてくださいね。

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